いちごさんがね・・(おいしいともだち)
1・2歳頃にピッタリ!一緒に声に出して楽しみましょう!この後どうなるかな?と想像も楽しいお話です♩
☆際立った特徴
- とよたかずひこの「おいしいともだち」シリーズ13作中の1作。
- シリーズの共通の合言葉「しんぱいごむよう!」
- 繰り返しの「ずんずんずん!」は、リズミカルでマネしやすい。
- ずん!ずん!と歩き進むイチゴさん達の姿が頼もしい!まるで勇者のよう。
- イチゴさんの歩く横顔を十分楽しんだ後、ようやく正面から見ることが出来る。安心感。
- ハラハラドキドキしたり、ワクワクしたり。ページをめくる度にイチゴの行動を想像する面白さがある。
☆ここを深読みするとさらに面白い
- ずん!ずん!ずん!と歩く姿は、まるで勇者のよう。カエルやヘビが出て来た時は、「イチゴさん達この後どうするのかな?」と想像してみるのも楽しいですね!
- 勇ましく歩く「ずんずんずん!」や、「しんぱいごむよう!!」は、ぜひお子さんと声を合わせて読んでみて下さい!イチゴ達の様子をマネて、手の平を見せあいっこしてセリフをいうのも面白いですよ!
☆あらすじ
手足があってリュックをかついだイチゴさん達が6個。
ずん!ずん!と歩いていくと、カエルさんにばったり!
カエルさんは、目の前まで来たイチゴさん達をぴょーんと飛び越えた。
イチゴさん達がさらに進むと、ヘビさんにばったり!
ヘビさんの目の前まで進むと、ヘビさんの背中に乗って
「失敬!」と並んで歩く。ずん!ずん!
さらにイチゴさんが、進んで行くと、ばったり大きな雪。
「ちょっとごめんね!」雪だるまを上り、ずん!ずん!ずん!
雪だるまの頭まで上ったら、強い風がビューンと吹いて、
イチゴさん達が飛ばされちゃった!あぶなーい!!
イチゴさん達は頭のヘタを取って、クリームの上にダイブ!
スポッ!スポッ!とスポンジに乗っかって。
無事にイチゴさん達が6個、お家に着きました。
美味しそうなイチゴのケーキだよ♩
するとイチゴさん達はこっちを向いて、「大丈夫だよー!安心してねー!」って。
☆書店員の感想
最初に注目してほしい点は、「ずんずんずん!」とイチゴ達の歩く音です。その時のイチゴ6粒の様子を見ると整列して左から右に向かって歩いています。目的地に向かって一歩一歩、力強く歩いているようにも見えます。リュックを背負って杖を持っているからなのでしょうか。その風貌はまるでゲームの冒険者のよう。みんなで列になり行進しているようにも見えます。
そしてその歩く音にピッタリな音が「ずん!ずん!ずん!」です。お話の前半から、雪だるまの上に行くまで、この行進のような歩きと、「ずんずんずん」の音が続きます。しかし読者はそれまでイチゴ達の横顔しか見えません。早く正面の顔が見たいなーと期待が膨らむ構成だと思いました。
途中でカエルとヘビに出会います。最初に出会ったのはカエル。イチゴ達がカエルの真正面まで近づくと、何やら不穏な空気が流れます。「もしかしてイチゴさん達が食べられちゃうんじゃないの??」そんな心配をしてしまう子もいるかもしれません。
でも大丈夫。カエルはイチゴ達に睨みをきかせ威嚇しているように見えますが、目の前までイチゴ達が迫ってくると、もうだめだー!と言わんばかりに、イチゴ達をピョーンと飛び越えて逃げていきます。カエルの表情から、「はいはい、おいらがどけてあげますよー!」と声が聞こえてきそうです。
次に出会ったヘビ。下をペロペロ―と出しながら、イチゴ達がこちらに来るのをじっと待っています。まさか!と思う瞬間ですが、大丈夫。イチゴ達はヘビの頭から背中を通ってしっぽまで、ヘビの体の上を歩いて進みます。その時のヘビの顔は、「通っていいよー。どうぞー。」と言っているような優しい表情。読者はホッと安心します。
さて、後半では目の前の雪だるまに上り始めるイチゴ達。小さな子ども達でも、今までとは違う展開に「どうしたのかな?何が起きるのかな?」と、ハラハラドキドキし、楽しい展開に期待してワクワクすることでしょう。
その期待通り、雪だるまのてっぺんで、イチゴ達は強い風に飛ばされます。あっと危ない!!と思った瞬間、【おいしいともだち】シリーズのお決まりセリフ、「しんぱいごむよう!」とイチゴ達が手の平を見せて読者に訴えます。
実は、この展開は「危ない!!」のハプニングではなく、実はイチゴ達の予定通りな展開なのです☆
どういうことかと言うと、イチゴ達の落ちた先にある生クリームたっぷりのスポンジケーキがヒントです。スポンジケーキに生クリーム、そしてイチゴと言えば…
なんて美味しい出来事でしょう。
出会ったカエルやヘビ、雪だるまのキャラクターも面白かったし、列でずん!ずん!と歩くイチゴ達の行列も、可愛いくて、それでいて冒険者のように勇ましくて、とても魅力的でした。もう私はイチゴ達にメロメロになりました♩
- 作品名:いちごさんがね・・(おいしいともだち)
- 著者名:とよたかずひこ
- 出版社:童心社