えんそくバス
遠足前の読み聞かせにピッタリ!子ども達が大好きな遠足。実は大人も大好きなんです。寝坊しないようにみんなで早く寝ようね♩
☆際立った特徴
- 遠足の前日、園長先生は楽しみすぎて寝つけず、当日寝坊して大ピンチ!
- 遠足へ向かうバスの中も行き先の公園も子ども達にとってはずっと楽しい時間。
- 待ってましたのお弁当タイム★遅刻した園長先生はお弁当を忘れてしまいました。その時子ども達の助け合いの心が感動的。
- 青空の中を遊ぶ子ども達。遠くで遊んでいる子ども達1人1人からはしゃぐ声が聞こえてきそうです。とっても楽しそう♩
☆読み聞かせのポイント
- 遠足前に読んであげたい1冊。準備から遠足の始まり!早めに寝るのも肝心だよ。
- バスに乗っている場面では、一緒に右にカーブしたりガタゴトガタゴトと体を揺らしてマネっこしても楽しい読み方。
- お弁当には何を入れようか?と話し合いましょう!
- 遅れて来た園長先生。お弁当を忘れていました。それを知ったあなたなら、どうしますか?
☆あらすじ
明日は待ちに待った遠足の日です。
寝坊をしないように早く寝ましょうねと子ども達にお話した園長先生。夜になっても明日が楽しみすぎて眠れません。
朝です。園に集まった子ども達と先生はバスに乗り込み遠足へ出発進行!
「忘れ物はないかな?」
バスは右に曲がって左に曲がってガタガタ道も何のそので走ります。
園長先生はというと、目が覚めて時計を見てビックリ!出発の時間をとうに超えていて大遅刻です!
公園に着きバスから降りた子ども達は、気持ちの良い青空の下、長い滑り台やアスレチック、ターザンロープで遊びます。
さあさあ、お弁当の時間です。
「いただきまーす!」と口を大きく開けた時、園長先生が公園に到着しました。いけない、園長先生の事忘れてた・・・。と一同。
汗だくな園長先生は、お弁当の時間に間に合ったものの、急いできてしまってお弁当を作って来られませんでした。
すると、子ども達は自分達のお弁当の中から1品ずつ、園長先生に分けてあげました。
「皆さんどうもありがとう」
さあ、それでは改めてご一緒に、「いただきまーす!」
☆書店員の感想
遠足の前日は明日の楽しみで頭がいっぱい!準備をしたら早く寝ましょうね。遠足前の読み聞かせにピッタリ!お弁当には何を入れようか、おやつは?など、お話しましょう。
遠足って、当日も楽しいけど、その前から「お弁当はこれを入れてね。」「おやつを買いに行きたいよ!」「こんなことをして遊べる場所なんだよ。」などと話している時からすでに楽しいですよね。
私はよく、お友達と分け合いっこ出来るようなお弁当のおかずを、母親にリクエストしていました。おやつも分け合いっこする前提で小袋の物を多めに選んでいたように思います。
そして、遠足の行き先について話してくれる先生の話を聞いて「友達とこんなことを体験できるんだな。」とシミュレーションしてドキドキしながら当日を待ったように覚えています。
本書では、園長先生が寝坊してしまって遅刻するという驚きの展開になっています。でも気がつかない他の先生と子ども達。出発してしまいます。なんて薄情な・・・と思わないでくださいね。子ども達の心は、すでにエンジン全開で遠足が始まってしまっているのです。
バスに乗るページでは、自分も乗っている気持ちでカーブしたりガタガタと体を揺らして読むのも楽しい♩
バスの中も楽しい遠足です。左右に揺れたりガタガタ道の楽しいアトラクションの1つに感じます。読者も一緒になって体を揺らして楽しんで読んでみると、一緒にバスに乗っているような、園児の一員になったような気持ちになります。するとその後の公園も、一緒に遊具を楽しんでいるような、感覚になることでしょう。
青空の下で、思いっきり遊びたいですね♩
お弁当を忘れた園長先生に、お弁当のおかずを1品ずつ分けてあげた子ども達。園長先生のランチョンマットの上は、どの子のお弁当よりも豪華になりました。その時の園長先生の気持ちが伝わってくるラストシーンです。
お弁当タイムになり、ようやく園長先生が到着しました。それまで園長先生がいない事に気がつかなかった子ども達と先生。汗だくで遠くから走って来る園長先生の様子が見えた時は、きっと驚いたことでしょうね。
そして、お弁当タイムに間に合ったのに、お弁当を持ってこられなかった園長先生。一生懸命に急いできたことが伝わります。
園長先生の様子を見ていた子ども達が、すっと自分達の弁当箱の中から1品ずつ園長先生に分けてあげました。それは子ども達が苦手で食べられない物ではありませんよ。メインのエビフライをあげる子、大きなおにぎりをあげる子、のり巻きをあげる子、デザートのうさぎさんリンゴをあげる子と様々です。
園長先生のランチョンマットには、美味しい食材が沢山乗りました。豪華なお弁当(ランチョンマット)を目の前に、園長先生はもしかしたら涙をウルウルさせていたのかもしれませんね。
なんて優しい子ども達でしょう。なんて素晴らしい遠足なのでしょう。
ニコニコ笑いながら、輪になって食べるお弁当の味が、最高に美味しいと感じた子ども達と先生方なのでした。
さあ、園長先生も合流してこれでようやく全員揃いました。楽しい遠足後半戦が始まります♩
参考文献 KUMONがうた・読み聞かせを応援ミーテ 中川ひろたかさん・村上康成さんインタビュー