ごはんのとも
「ごはんのとも」と言えば、何が思い浮かびますか?みんなが好きな、いろんなごはんのともが登場します!美味しそうで、とっても楽しいごはんのともが大集結!素敵な朝ご飯の始まりです。
☆3つのおすすめポイント
- ほかほかごはんと一緒に食べたいものはなんでしょう!?ごはんがもっと美味しくなる「ごはんのとも」が、次々登場します。個性豊かなキャラクターたちで、食卓の上がにぎやかです!
- 炊きたてごはんってたまらないですよね。ほかほかのごはんと、美味しそうなごはんのともたち、まーちゃんのお家の中のちょっとした描写まで楽しさがたくさん描かれていて、じっくりと楽しめます。
- 久しぶりにこれが食べたいな!という気分になってきます。食欲が湧くイラストとお話で、ごはん派、パン派、どちらのお子さんにもおすすめ!
☆あらすじ
日曜日の朝です。まーちゃんが家族の中で一番最初に目を覚ましました。
お腹が空いているまーちゃん。
台所では、炊飯器からごはんが炊けた合図がなりました。
フタをあけると、ほかほか炊きたてごはんから、ふわぁっといい香り。
まーちゃんは、おちゃわんにほっくりとごはんをよそいました。
けれど、何か足りないような…。
そうつぶやいたとき、ごはんがしゃべりました。
「ごはんのともがいないからじゃない?」
そう言ったとき、「あたしよ!」と声がしました。
冷蔵庫から声がするので開けてみると、たらこが「うふん」と寝ています。
「あたしがごはんのとも。つぶつぶで桃色で、真っ白なごはんにぴったりよ」と話しました。まーちゃんもたらこが大好きなので、大喜び!
すると今度は、隣にいた漬物たちも「わしらがごはんのともじゃよ」と話し始めました。
「昔からごはんのともは漬物と決まっておる」と、たくあんときゅうりの漬物が話します。
まーちゃんも頷きました。
するとビックリ、次はねばねばな声で、「あたいがごはんのともよ~」と納豆が言いました!ねばねば~とパックから広がり、声も面白く、まーちゃんはきゃっきゃと笑いました。
すると今度は、テーブルの上でしゃかしゃかと音がします。ふりかけでした。「へい、オーレ!」と陽気に歌い、ほかのごはんのともたちも楽しそうに踊っています。
ぼくもぼくも~、と現れたのは、福神漬けたち。「カレーライスのとも、じゃないの?」と聞かれますが、「カレーライスだってごはんだい!」と、いばって言いました。
ほかにも、ちくわや生卵、やきのり、ししゃも、とろろこんぶなどもテーブルに集まり、みんなで楽しそうに歌っています。
すると、ごはんを入れているお茶碗が、「この中に、ごはんのとものにせものがいる!」と、目を光らせながら言いました。
よ~く探してみると…なんと、イチゴジャムが混ざっていたのです。イチゴジャムは、ごはんではなく「パンのおとも」ですね。とっても楽しそうなのでつられて出てきてしまったイチゴジャム。パンと一緒に帰って行きました。
そんなとき、お父さんとお母さんが起きてきました。これからみんなで朝ご飯です。
どれも美味しいごはんのとも、みんな大好き!
☆際立った特徴
白いご飯にピッタリの美味しい「ごはんのとも」。いろんな食材がありますね。今日は何を食べようかな。ごはんがどんどん進むような、美味しいごはんのともがたくさん登場します。
可愛い絵柄で、どのごはんのともも食べるのが惜しくなるような素敵なキャラクターたちです。
24㎝×18.5㎝の大きさの絵本です。テンポよくつぎつぎと可愛いごはんのともが出てきて、ストーリーや、絵の細かい描写も楽しさがたくさん詰まっています。ごはんが好きな子も、パン派の子にもおすすめの絵本です。
☆書店員の感想
●ほかほかごはんと一緒に食べたいものはなんでしょう!?ごはんがもっと美味しくなる「ごはんのとも」が、次々登場します。個性豊かなキャラクターたちで、食卓の上がにぎやかです!
まーちゃんが朝炊飯器を開けると、そこには炊きたてのほかほかごはんが!白いつやつやの炊きたてごはんって、とっても美味しそうですよね。あのほかほかとした湯気もたまりません。まーちゃんのお家のごはんも、ぴかーっと光っています。
そして、たらこに呼ばれて冷蔵庫を開けると、冷蔵庫の中にも扉にも、ごはんのともがびっしりと入っていて、ごはんと一緒に何を食べようか迷ってしまいそうです。
お話を読んでいくと、いろいろなおともが出てきます。
たらこ、漬物、納豆、ふりかけ、福神漬けにちくわ、生卵…。いわのりやツナフレーク、うにやキムチもいつの間にか仲間入りして、最後のほうにみんなと踊っています。めかぶもいますね!個人的にはごはんのおともと言えば、めかぶが大好きです。そして生卵、納豆、キムチも良いですね…。ごはんが何杯でも食べられそうです!
ごはんのともが可愛いキャラクターとなって描かれていて、まーちゃんにアピール合戦をして面白いお話の展開です。たらこはちょっとセクシーキャラ、たくあんときゅうりの漬物は年配の大御所のような存在感です。ねばねばな声の納豆に、歌とダンスが得意な5種のふりかけたち。小さくても気持ちは大きい福神漬けたち。そのほかのごはんのともたちもそれぞれに個性があって、楽しさが溢れています。
●炊きたてごはんってたまらないですよね。ほかほかのごはんと、美味しそうなごはんのともたち、まーちゃんのお家の中のちょっとした描写まで楽しさがたくさん描かれていて、じっくりと楽しめます。
表紙にはたくさんのごはんのともたち。仲良く手をつないでいる子たちもいますね。いろんなともがあって、ごはんもより一層美味しくなるように思います。ほかほかと美味しそうな湯気をたてているごはんが、どうぞ一緒に召し上がれと言わんばかりに手を広げています。
表紙をめくると、まーちゃんとお父さん、お母さんが川の字になってお布団を並べて寝ています。まーちゃんは起きた様子で体をうんと伸ばしていますが、まーちゃんの上にかけているお布団がなんと卵のお布団です。中心が黄身で、周りが白身のようなお布団です。お父さんは納豆柄で、お母さんはふりかけ柄です。中心に納豆やふりかけが描かれていて、お布団の周りが白いのでちょうど白いごはんの上に納豆やふりかけがかけられているようなようすにも見えてきます。目覚まし時計も卵型で可愛らしいです。
また、台所で使うまーちゃんの踏み台は側面がおにぎりになっています。キッチンにかかっているタオルはしゃもじの柄で、台所の壁にかけられている時計はおにぎり型。中心に梅干しが描かれています。そして、最後家族みんなでごはんを食べているシーンでは、手前のたくあんがこちらにバイバイと手を振っています。
細かいところに面白い描写が散りばめられていて、読むたびにあっと面白い発見があるかもしれません。キュートなで優しい、そして美味しそうなイラストと面白ポイントをじっくり楽しみながら読むとより一層楽しめそうです。
●久しぶりにこれが食べたいな!という気分になってきます。食欲が湧くイラストとお話で、お子さんと一緒にぜひ楽しんでいただきたいです!
我が家の子どもたちは、毎日ふりかけごはんです。長男が3歳くらいのとき、お母さんのごはんで一番おいしいものはなに?と聞かれ、迷わず「ふりかけごはん!」と答えていたのを覚えています。ちょっと複雑な気持ちではありましたが…。(笑)3歳当時の長男の中では、ダントツで美味しいごはんのメニューだったのでしょうね。
いつもふりかけと納豆は切らさず置いてあります。このお話を読んで、久しぶりにたらこもいいな、いわのりも美味しそう…。と、あれこれ食べたくなりました。おばあちゃんの家に行くと決まってお漬物もあったので、懐かしく思います。今度作ってみようかな、そんな気持ちにもなりました。
ごはんが好きなお子さんも、パンのほうが好きというお子さんでも、この絵本を通して炊きたてごはんと一緒に食べてみたいごはんのともが見つかるかもしれませんね。いろんなものが合うごはん、素晴らしい主食です。ごはんのともがあることで、お互いの美味しさを引き出し合っているのかもしれません。見ているだけで食欲が湧いてくるようなイラストとストーリーに、どんどん引き込まれていきます。