たなばたプールびらき
七夕の季節・夏にピッタリ!織姫と彦星と一緒に天の川でスイミングを楽しみましょう!
☆際立った特徴
- 七夕の1日を描く。
- 織姫と彦星が登場。
- 天の川に子ども達と園長先生が招かれるファンタジー絵本。
- ピーマン村の絵本たちシリーズの1作。(全12巻)「ピーマン村の絵本たち」は保育園の行事にちなんだ季節感たっぷりの人気シリーズ。
- 背景は紫とベージュと黄色の3色。場面の雰囲気に合わせて使い分けている。
- 背景の模様は少ない。子ども達や七夕飾りなどにしっかり注目させる描き方。
☆読み聞かせのポイント
- 七夕飾りを飾る前に読み聞かせをしてあげるなら、「天の川から織姫と彦星が見ているんだって!」と声を掛けましょう!きっと短冊を書いて飾ってみたくなるでしょう!
- プール開き前の読み聞かせにもピッタリ!「準備体操をしてからプール遊びしようね。」など、水遊び前のお約束を確認するキッカケの1冊になります。
☆あらすじ
今日は七夕。織姫と彦星が年に一度のデートをする日。
天の川でスターウォッチングしていたら、あれあれ?地球に住む子ども達が楽しそうに園庭で遊んでいる姿が見えるよ。
子ども達が書いた可愛い短冊。
七夕のお願いが見えるよ。
「あまのがわで およいでみたい」
そうだ、私達が子ども達を招待してあげよう!
二人の代わりに流れ星が子ども達を迎えに園庭へ。子ども達と園長先生が流れ星に乗り、星空へ出発!!
天の川についた子ども達は、待っていた織姫と彦星に挨拶をして、一緒に天の川で遊ぶことに。
今日は子ども達にとって、今年初めてのプール。
「我が園のプール開きといたしましょう!」と園長先生がはりきります。
水着に着替えた子ども達は準備体操を念入りに。
足をブラブラ、おしりフリフリ♩首をぐるぐる、おしりクネクネ♩
さあ、天の川で水遊びの開始です!「気持ちがいいね!」
織姫と彦星も水着になって泳ぎます。息を合わせたシンクロナイズドスイミングです!
今日は、なんて楽しい1日なんだろうね。
☆書店員の感想
「今日は七夕。織姫と彦星は、天の川で年に一度のデート。」
本書の最初の文章です。なんてロマンチックでしょうか。
私はこの文章を読んだだけで、うっとりしてしまいました。一年に1度だけ会う事が許されている二人にとって、この日は待ちに待った一日。
二人は互いに愛する人と、どんな事をして過ごそうか、どんな話をしようか。何を見て、何を食べて、何を感じて、何を・・・。きっと364日ずっと考えていたのではないでしょうか。
そんな二人が今日しているのは、天の川で「スターウォッチング☆」
星空を二人仲良く代わりながら、一つの望遠鏡を眺めています。どれほどキレイな星が見えるのでしょうか。さらにロマンチック感が高まります。
●見つけたのは、星でも星座でもなく、地球の子ども達の遊んでいる園庭の、七夕飾りです。
地球の、日本の、どこかの園庭に飾られた「七夕飾り」がスターウォッチングしている二人の目に止まりました。大きな大きな竹には、短冊や飾りが美しく可愛らしく飾られ、重みのせいなのか、風が吹いているのか、竹が横にしなっています。しなっているから、遠くの空からでも飾られた短冊がよく見えます。そんな中で気になる願いごとを見つけた二人。
『あまのがわで およいでみたい』
人間にとって本当は、それは願っても願っても叶わない事・・・。しかし、織姫と彦星にとったら簡単な事なのです。
●流れ星に迎えを頼んだ二人は、天の川で子ども達が来てくれるのを待っています。
流れ星は二人の代わりに園庭まで子ども達を迎えに行きました。「天の川へご招待いたしましょう!」
まさか星が降ってくるなんて、まさか自分達を迎えに来たなんて!!!夢のような出来事が急に起こりました。子ども達はとても嬉しい気持ちです。園長先生も同行して、流れ星のしっぽにまたがり、星空へレッツゴー!
待っていた織姫・彦星と、子ども達がご対面です!もちろん天の川で☆
天の川は織姫と彦星が年に一度七夕の日に会える場所。それが今年は、二人と子ども達が出会う場所になったなんて、またまたロマンチックな軌跡が起こりました
●雰囲気がガラッと変わる瞬間。天の川は星屑の川なのに、本書の中では水が流れる川なのです。
さて、ご対面が済んだら、子ども達が待ちに待ったのプール遊びが始まります。しかもこの園にとって今年初のプールなので、「プールびらき」となりました。
今年初のプール遊びが天の川で、しかも織姫と彦星が一緒にだなんて、子ども達にとって何重にも嬉しい1日でしょうね。
はりきって準備体操をします。手をブラブラ・お尻もクネクネ・足をブラブラ・首もぐるぐる♩
そして、先生の「入って良し!」の合図で天の川に入って水遊びです。
そんな様子を見ていた織姫と彦星はと言うと・・・シンクロナイズドスイミングを始めました!息もピッタリ、動きもピッタリ!!年に1度しか会えないのにすごい!!と驚く腕前とコンビネーションです。
まさかのシンクロナイズドスイミングをするなんて思いもしなかったのは私だけでしょうか。しかも息ピッタリ!で驚きの展開であり、本書の面白さ!!これからどんな遊びが繰り広げられるのか、楽しみになります♪
物語前半の二人だけのロマンチックな雰囲気から一変して、後半は水遊びを全身で楽しむ二人と子ども達。一気に賑やかで楽しい雰囲気となりました♩
ロマンチックもいいけど、やっぱり夏はみんなで賑やかに楽しまなきゃね!!と言わんばかりの様子に、なんて楽しい1日なんだと、七夕の日が、夏が楽しみになりました。
●本書は様々な場面で手本にもなるし、導入にも繋がりやすいお話だと思いました。七夕の季節・プール開きの季節だけでなく、プールが始まってからも準備体操前に読んであげたり、七夕飾りを作る前に読んであげるのも、良いと思いました。親子で・園で意欲的に楽しく夏を満喫したいですね。
- 作品名:たなばたプールびらき
- 著者名:文 中川ひろたか(ソングブックカフェ) 絵 村上康成 インタビュー(KUMONがうた・読み聞かせを応援【ミーテ】
- 出版社:童心社