のぞいてごらん
どんな生き物たちがいるかな?穴からのぞいてみよう!陸や海の中など、いろんな場所の生き物が可愛らしく登場する仕掛け絵本です。贈り物にもピッタリ!
☆3つのおすすめポイント
- 男の子がいろんなところへ行き、小さい丸い穴からはなにか生き物がのぞいています。何が見えるかな、どんな生き物がいるのかな、一緒にのぞいてみましょう。
- ポップな色合いに、可愛い生き物たちのイラストがとっても素敵!生き物の名前を覚え始めた子にもおすすめ!小さい頃から長く楽しめます。
- 生き物たちの目線でいろんな世界が楽しめます!お散歩に行ったときなど、ここにはどんな生き物がいるのかな、などと見てみるのも楽しそうです。
☆あらすじ
草の中を覗いてみましょう。虫かごを持った男の子が草むらに向かって歩いています。
虫がいっぱい!蝶やてんとう虫、カマキリやバッタもいます。
今度は土の中を覗いてみましょう。スコップを持った男の子が土の中を見つめています。
土の中にも生き物がいっぱい!ありの巣や、もぐらの巣、昆虫の幼虫も眠っていますね。
つぎは水の中です。どんな生き物がいるでしょう。
カエルや金魚、亀やおたまじゃくしもいます。魚も泳いでいて、水の中だけれどみんな元気いっぱいです。
今度は森の中を覗いてみます。男の子は自転車に乗って走っています。ちょこっとくまの顔が見えていますが…、森の中にも生き物がいっぱいです。ふくろうやきつつき、うさぎにりすもいます。
男の子が潜水艦に乗り込み、今度は海の中を覗いてみるようです。
海の中では、大きなクジラやカニ、タコ、イカ、亀が泳いでいます。青い魚や黄色い魚、サンゴ礁もあってみんな力いっぱい行きているのが伝わってきます。
今度は空の上を覗いてみましょう。男の子はヘリコプターに乗るようですよ。
空には鷹やツバメ、スズメなどの鳥が飛び、ハチや蝶も飛んでいます。大きな虹がかかり、にぎやかな雰囲気です。
最後はなんと宇宙へ飛び立ちます!男の子がロケットに乗り込んで、いざ出発!
宇宙から、地球のいろんな生き物を見ていますよ。生き物がいっぱいいて、素敵な地球です!
☆際立った特徴
1ページ置きに丸い穴が開いていて、男の子が見えたり、生き物がちらっと見えたりするしかけ絵本になっています。
いろんな場面の生き物たちが見られて、動物たちが普段どこにいるのか知ることができます。絵も可愛らしく、子どもたちに人気の生き物がたくさん出てきますので、ページをめくって読み進めていくのが楽しくなります。
絵本はたて19㎝×横18.5㎝の大人の片手を広げたくらいのコンパクトサイズの絵本で、小さいお子さんから読みやすい大きさの絵本です。
☆書店員の感想
●男の子がいろんなところへ行き、小さい丸い穴からはなにか生き物がのぞいています。何が見えるかな、どんな生き物がいるのかな、一緒にのぞいてみましょう。
男の子はいろいろなところの生き物を探しに出かけます。草むらや土の中、水の中に森の中、海や空にもそれぞれ生き物がいます。草むらでは、普段もよく見かけるような昆虫たちが飛び交っているようです。土の中は、土の中を横から見たような絵で、アリの巣や土を掘っているモグラ、ミミズや冬眠している昆虫も描かれています。そして、生き物だけではなく植物の根っこや地中に埋まっているかもしれない恐竜の化石らしきものも描かれていて、土の中にこんなものもあるんだな、と知識が深まりそうです。
どの場面でも横からのアングルで描かれていて、生き物たちが生き生きと生活しているようすが伝わってきます。
ページの左側に男の子が描かれていて、右のページには直径2㎝ほどの穴が開いており、そこからなにやら生き物が見えています。その穴のまわりは場面によって色合いなど違いますが、2~5色ほどでシンプルな描写になっています。そのページをめくると穴から見えているもの以外の生き物もたくさん描かれていて、背景の土や水の中、森の中なども、草花や水草、サンゴなどかき加えられ、パッと世界が広がるような感じがします。
そして、右側にあった穴がページをめくることで左側に来て、今度はその穴から男の子の顔が見えています。男の子も生き物の仲間の一人だよ、と伝えているようにも感じました。
●ポップな色合いに、可愛い生き物たちのイラストがとっても素敵!生き物の名前を覚え始めた子にもおすすめ!小さい頃から長く楽しめます。
表紙も仕掛けになっていて穴が開いているので、そこからさっそくのぞきたくなってしまうのですが、表紙の潜水艦が上半分が紫色、下半分が茶色になっていてポップでかつ優しい印象です。潜水艦の前からは虹がかかっていて、嬉しい気持ちになるような描写に感じました。
草むらの中ではいろんな虫がいるのですが、カマキリが頭とお腹が赤色っぽくなっていてちょっと可愛らしい印象です。バッタやてんとう虫もいて、切り絵のような作りにも感じます。池の中は、淡水の生き物がたくさんいるのですが、池の水の色が黄緑がかっているので池の中、という雰囲気が出ているように思いました。
また、海の中のサンゴ礁の色がグラデーションになっていてとってもキレイ!優雅にのびのびと泳いでいる海の生き物たちも、濃淡やムラのあるような色合いの材質のもので作られているようで、絵や色に深みを感じるようです。背景の海の色も、下に行くにつれて少し濃くなっていくようなグラデーションになっていて、広い海のようすが素敵に表現されています。
空の生き物たちの場面でも、空にかかっている虹が子どもたちの夢を広げてくれるような描写に感じました。男の子がヘリコプターに乗っているのも、一度は乗ってみたいというワクワクした気持ちにさせてくれるのではないでしょうか。いろんな生き物が飛んでいてにぎやかで、文章にもあるとおりいろんな声が聞こえてきそうです。どんな声が聞こえてくるかな、とお話してみるのも良さそうですね。
お話の最後には、38匹の生き物たちが描かれていて、名前も一緒に書かれています。生き物の名前は全部ひらがなで書かれていますので、ひらがなを覚え始めたお子さんにも読みやすく、実際もうすぐ4歳の次男も興味を持って読んでいました。
子どもの好きな生き物と覚え始めたひらがながセットになっていることで、文字と絵が自然とリンクし読む楽しさも広がったようです。そして、この生き物はどこのページにいたのかな?とまたページをさかのぼって楽しむことができるように思いました。
●生き物たちの目線でいろんな世界が楽しめます!お散歩に行ったときなど、ここにはどんな生き物がいるのかな、などと見てみるのも楽しそうです。
どの場面も、生き物たちが生き生きと過ごしているようすが、生き物が生活している環境の目線で描かれています。
いろんな乗り物や道具を持って生き物を見に行く男の子のようすにも、冒険心がくすぐられるように感じました。土の中や海の中など、普段見ることのできない場所も断面図のように横から描かれていて分かりやすく、印象深いイラストです。
この生き物はどこに住んでいるのかな、どんな生活をしているのかな、そんな興味も広がるように思います。実際にお散歩のときなどここにはどんな生き物がいるかな、など一緒に見てみると楽しさがより広がりそうです。
また、最後に男の子がロケットに乗って宇宙に行き、「地球」にはどんな生き物がいるかな、と見ている場面があります。地球ってなにかな、わたしたち人間も、この絵本に出てきた生き物たちと同じ地球に生きる生き物だよ、とお話するきっかけにもなりそうです。
小さな穴から見える生き物たち、けれどページをめくると小さな穴以上の楽しく大きな世界が広がっています。男の子と一緒に、生き物たちのいる世界や生活をのぞいてみましょう!