のりものいろいろかくれんぼ
乗り物好きにピッタリ!シルエットだけでこの乗り物が何かわかるかな?
☆3つのおすすめポイント
- くり抜かれた部分の乗り物はなんだろう?とヒントをもらいながら当てっこしてみましょう!くり抜かれた部分が次のページに重なると乗り物が登場します!
- 全部で8種類の乗り物が登場します。乗り物を描いた色や乗り物の名前を日本語と英語で紹介。「ちゃりん ちゃりん」や「ぼー ぼー」など、乗り物の特徴的な音っておもしろい!
- 遊びをどんどん膨らませられる絵本です。本書のヒント以外にどんなヒントが思いつくかな?どんな音がするかな?と読んだ子どもなりの考えを聞いたり、塗り絵や貼り絵もできちゃいます!
☆あらすじ
黄色い中に、何やら四角いデザイン。何の乗り物だろう?右のページには何やら真ん中がくり抜かれた形です。何の形?くり抜かれた中には、「つぎ、止まります」とヒントが書いてあります。分かったかな?そうそう!この乗り物に乗ると必ず耳にする言葉ですよね。頁をめくったら隠れていた形が出てきます。”黄色のバス”です。四角いデザインに見えたのはバスの窓でした。その後も、船・トラック・飛行機・電車・ヘリコプター・自転車・気球と同じように続きます。
☆際立った特徴
16cm×16cmの32ページです。くり抜かれた形から頁をめくると乗り物が現れます。はっきりとした色使いの乗り物が、その乗り物を際立たせる背景の色に浮き出るように計算されてているようで、とても美しいです。
見開き2ページで1つの乗り物を紹介していきます。全部で8種類の乗り物が登場しますよ。
まずは1ページ目の左には背景が1色。その中に四角があったり丸があったり、枠があります。右には、何かの乗り物の形と、その乗り物の独特な音や、簡単なヒントが書いてあります。それだけで何の乗り物なのかを考えます。頁をめくると左には、背景の中にくり抜かれた部分が重なることで、隠れていた乗り物が登場します。名前を日本語と英語で紹介しています。右には乗り物の紹介文と今まで登場した乗り物達が順番に並んでいきます。
乗り物の当てっこ遊びはもちろん、色や乗り物の名前を英語で覚えるきっかけにもなります。くり抜かれた部分を他の紙に書き写して、塗り絵や貼り絵など、多様に遊べる絵本です。
☆書店員の感想
本書は、まず、ハッキリとした色の美しさが好きで、気に入っています。1色の背景の中に、窓や煙突などがあるだけで、乗り物の形が描かれて無くても、何の乗り物なのか分かっちゃう凄さがあるように思うのです。
そして、少ない文章・読者への話し言葉に、その乗り物を表現する沢山の情報が詰まっています。子どもに分かりやすく優しく語りかけるような言葉たちがさらに乗り物を好きにさせてくれるような気がします。保護者もなんだか穏やかな気持ちで読めます。
この乗り物何でしょう?と”当てっこ遊び”が出来る本書。正解が分かった後の「〇〇でした。」という締めの言葉も気に入っています。言い終わった後にチャンチャン!と音まで聞こえてきそうです。気球が最後の乗り物なのですが、気球の締めの言葉はどんな終わり方かなー?と見ると、「ききゅうでした」と今までと同じ言葉で終わります。だけど、今までに登場した8種の乗り物が勢揃いします。
「もう終わっちゃうの?」という寂しい気持ちが、逆に「乗り物いっぱいで楽しい!」と嬉しい気持ちのまま、本を閉じることが出来ます。もう一度最初から読み返してもいいし、そのまま目を閉じて夢の中で乗り物を思い出すことも出来ますよ。
●本書の遊びのバリエーション
本を広げてシルエットだけで乗り物を当てる”当てっこ遊び”や、開いて見る前にクイズを出す感覚で乗り物の特徴だけを読み、相手に当ててもらう”クイズ遊び”も出来ます。その他にも「これは何色?」「この乗り物はどんな乗り物?」と質問してあげるのも面白いでしょう。
そして、我が家で最大のヒットしたバリエーションといえば、”紙を挟んでシルエットを形どって塗り絵をする遊び”です。これは特に年長さんだった頃の次男がよーくやってました。今でも本の中に色鉛筆の後が沢山残っています。”形どる”なんてよく考え出えだしたね・・・と最初は驚きました。が、もともと絵を描くのが苦手でめったに描かない息子が、とっても楽しそうでどんどん描くので、自由にさせていました。ある日学習机の上が色を変えた乗り物の塗り絵だらけになり、「ここは乗り物博物館ですか?!」と笑った事がありました。それだけ夢中になれる遊びを見つけてくれたのです。
絵本の領域をはみ出しながらとことん楽しんでくれた息子に、本書を購入した母としては「そこまで遊び尽くしてくれるなら良し!」と満足な1冊となりました。
- 作品名:これなあに?かたぬきえほん2 のりものいろいろかくれんぼ
- 著者名:いしかわこうじ
- 出版社:ポプラ社