ピヨピヨ はじめてのキャンプ
家族でキャンプ!!みんなで仲良く出掛けよう!冒険好き・お料理の子にも、アウトドアな子もインドアな子も、みんながきっと心がワクワクするストーリー★なかなか外に出られない時にもピッタリ!
☆3つのおすすめポイント
- 川にキャンプに行ったヒヨコの兄弟とニワトリのお父さんお母さん。お手伝いのたきぎ拾いに出掛けたら、どんどん森の奥に行って帰り道が分からなくなっちゃったー!?
- 助けてくれたカッパ家族とバーベキューを楽しみます。ニワトリのお母さんが用意していた食材と、カッパが手土産に持って行った食材で、何を食べるのかな?
- 色んな事があった1日がふけていきます。日が沈むころ、子ども達は安心してテントで休み、ニワトリのお父さんお母さんは月を見ながらコーヒータイム。どんな話をしているのでしょうね。素敵な夜です。
☆あらすじ
ニワトリのお父さん・お母さんと5匹のヒヨコの兄弟が、川にキャンプに来ました。美しい白い山が遠くに見える、森に流れる川のそばに、今日はテントを張ります。お父さんはテントを張り、お母さんは食事の支度です。さあ、ヒヨコ達のお仕事は”たきぎ拾い”、張り切って拾いに出かけました。たきぎを拾うと、赤や水玉模様のきのこを見つけました。「ここにもあった!」「あそこにもあったよ!」どんどん見つけてどんどん森に入っていきました。背中にかついでいたリュックサックがパンパンになる頃、ようやくお父さんお母さんからはぐれてしまったことに気づいたヒヨコ達。「帰り道が分からないよー!!どうしよー」と5匹は大泣きしています。
その様子を見て声をかけてくれたのはカッパの子ども達でした。カッパの子ども達はカッパのお父さんのもとへ連れて行ってくれました。そのお父さんがヒヨコ達のお父さんお母さんの元へ連れて行ってくれることになったのですが、その前に。カッパのお父さんが仕掛けた網を見せてくれました。カニにドジョウが網にかかりイワナまで釣れました。
さて、カッパの親子がヒヨコのお父さんお母さんの元へイカダでヒヨコ達を送り届けてくれます。心配して探しているお父さんお母さんの元へ帰ったヒヨコ達はほっと一安心しました。
そして、カッパの親子を招いてキャンプ飯を作り始めました。みんなでお手伝いしながらワイワイ作るご飯。出来上がったカレーは竹の器に入れて、焼いたイワナやカニは枝に刺したまま丸かじり、ほくほくに焼けたジャガイモや、収穫したばかりの木の実やきのこも大葉に乗せて。カッパの持ってきた大きな鮭はホイル焼きにして。
一番星が見え始めたころ、楽しいバーベキュータイムは終盤です。お母さんの握ったおにぎりをお土産に、カッパたちは家へ帰って行きました。さあ、ヒヨコ達は暗くなる前にテントに戻って、寝袋に入ってチャックを閉めて・・・。暖かくなってきたら、ウトウト…素敵な夜がふけていきます。おやすみなさい。
☆際立った特徴
ストーリーのユニークさが際立ちますが、背景の森や山、川の描写が美しいと感じます。こんなに美しい川ならイワナやアユはもちろん、カッパだって出てきそう。
そして、ストーリーの主な流れの中で後ろで毒キノコじゃない食べられるきのこをカッパが教えてくれたり、カッパの子どもがモリでイワナを仕留めていたりと、登場キャラクターが多い分、一人一人に注目すると、それぞれにも友情があり見ごたえタップリ!
そして、裏表紙のニワトリのお父さんお母さんが月を見ながらゆっくりコーヒーを飲む姿が、大人キャンパーの楽しみでもある姿だと思います。
☆書店員の感想
川にキャンプに行ったヒヨコの兄弟とニワトリのお父さんお母さん。お手伝いのたきぎ拾いに出掛けたら、どんどん森の奥に行って帰り道が分からなくなっちゃったー!?
助けてくれたのはその川に住むカッパの親子でした。この森を知り尽くしているカッパのお父さんは、ヒヨコ達がキャンプしている場所がピーンときたようですね。慌てずに対応する様子です。そして、せっかく送るなら、手土産を持っていこう!と思ったのか、釣りの仕掛けを上げて、何が釣れたのか見せてくれました。川ってカニやドジョウもいるんだなって、読者も知ることが出来ますね。しかも、釣りの仕掛けが独特です。カッパ特製の昔ながらの竹のモリや、ドジョウをとる竹の網カゴで仕留めています。こんな仕掛けがあるんだなーと驚きました。
助けてくれたカッパ家族とバーベキューを楽しみます。ニワトリのお母さんが用意していた食材と、カッパが手土産に持って行った食材で、何を食べるのかな?
ニワトリのお母さんはカレーライスの材料と焼き芋用のジャガイモを家から持ってきていたようです。そこに、カッパの親子が鮭やドジョウ・イワナ・カニを持ってきてくれました。毒キノコを拾っていたヒヨコ達に、カッパの子どもの1人が「これは食べられるきのこだよ」と教えてくれたエピソードも途中であり、その食べれるきのこも炒めて1品に加わっています。バーベキュー場所のすぐ横の真っ赤な木の実も食べれるので沢山摘み取り、それも1品になりました。大変彩り豊かなバーベキュー♬みんなで持ち寄った食材でさらに美味しい食事になったようです。焼いているカニや魚・カレーのにおいが辺り一面プンプンしていることでしょうね。
色んな事があった1日がふけていきます。日が沈むころ子ども達は安心してテントで休み、ニワトリのお父さんお母さんは月を見ながらコーヒータイム。どんな話をしているのでしょうね。
カッパの親子が日が暮れかかった頃に家へ帰って行きました。そして、子ども達はテントの中で温かい寝袋に包まれて眠っていきます。テントの中では、興奮が冷めない子供たちがしばらく小さな声で楽しく今日の出来事をお話しているかもしれませんね。それとも疲れてすぐに眠ってしまったかな?テントの横でお父さんお母さんはその話を聞きながら、コーヒーを飲んでクスッと笑っているのかもしれません。「大きくなったよねー」と子ども達の成長を話し合っているのかもしれません。なんだか素敵な夜ですね。
楽しい1日はあっとゆう間に過ぎていきました。明日はキャンプ2日目。どんな1日になるんでしょうね。ストーリーはここで終わったけど、きっと楽しい2日目が始まりますね。こっそり覗いてみたいです♬
- 作品名:ピヨピヨはじめてのキャンプ
- 著者名:工藤ノリコ
- 出版社:佼成出版社