ペンギンきょうだい れっしゃのたび
列車に乗って出かけるよ!行楽シーズンの読み聞かせにピッタリ!ペンギンきょうだいと!一緒に旅を楽しむ感覚になれます!
☆3つのおすすめポイント
- お姉ちゃん・ペンちゃん・ギンちゃんのペンギンの姉弟。姉弟だけで列車に乗って出かけます。上手に目的地まで行けるかな?列車の中のお弁当が美味しそう!そして景色が最高です!
- いよいよ列車を降りたのに、列車の切符を無くしてしまったペンちゃん。ハプニングも旅の醍醐味なのかな!? ホームに待っていたのはおばあちゃん。今度はおじいちゃんの操縦する犬ぞりでレッツゴー!
- お弁当屋やリュックサックの持ち物など、旅には欠かせない物を細かく描いているから、読んでいるあなたも旅に行ったような気分になります!
☆あらすじ
ペンギンのお姉ちゃん、ぺんちゃん、ギンちゃんが、明日姉弟だけで列車の旅に出かけます!リュックサックの中身を確認して忘れ物が無いか確認です。プレゼントも忘れずに★
いよいよ出発の朝になり、駅のホームへ行きました。列車の中で食べるお弁当を駅で買いました。いよいよ列車が出発します。
ペンギンの姉弟達は列車に乗り込み、席に座りました。窓の外から見送るお父さんお母さんと手を振って少しの間、お別れです。
ブゥーン 列車が動き始めました。「いってきまーす!!」
花畑の景色を楽しむと、早速お腹が空いてきた3人。お待ちかねのお弁当タイムです!だるまさん弁当にフルーツサンドイッチ弁当、タコさんオムライス弁当どれも美味しそう♬「美味しいね、モグモグモグ」
お弁当も終わり、デザートのおやつをパクっと食べていた時です、ゴォー!!!列車の中に大きな音が響き、辺りが真っ暗になりました。トンネルです。
トンネルを抜けると、一気に明るくなり、窓から一面に海が広がります。「お姉ちゃん、海!」と3人の心がウキウキ。
目的地の海の駅に到着しました。無事に下車できた・・・と思ったら、
「あれ?ぼく、切符どうしたっけ・・・」とペンちゃん。お姉ちゃんもペンちゃんも大慌て!!リュックの中身を全部開けてみても見つかりません。どうしよう・・・と泣きそうなお姉ちゃんとペンちゃん。
そこに「はい、ぼうや、落としてましたよ。」とアザラシのおじさんが切符を拾って持ってきてくれました。よかったーと、ひと安心。
さて、駅の改札口には3人のおばあちゃんが待っていました。切符を駅員さんに渡すと一目散におばあちゃんの元に駆け寄る3人。外には犬ぞりに乗っておじいちゃんが待っていました。
ここからおばあちゃんの家までは犬ぞりに乗って向かいます。お姉ちゃんは操縦もちょっぴり体験したみたい。
無事におばあちゃんの家に着いた3人。お父さんお母さんに電話で報告を入れるおばあちゃん。目的のプレゼントも渡すことができました。他の親戚が集まっているので、なんだか賑やか。何する?釣り?お人形あそび?海に泳ぎに行く? みんなで何して遊ぼうかな?
☆際立った特徴
おねえちゃん、ぺんちゃん、ギンちゃんの子ども達だけで列車に乗っていくお話。3人だけとなると子どもにしたら旅行というより冒険にいくような気分なのかもしれません。
自分でかついで持ち歩くリュックの中身や、列車の中のお弁当など、細かく描かれています。「うちの子どもは3歳だからギンちゃんと同じくらいかな」とか、「私ならお弁当はこれが食べたいな」など、子どもや自分に重ねて見る事で、一緒に旅行を楽しんでいる気分になります。
3人以外のキャラクターにもご注目!大きなチョコレートのお土産袋を両手に持って乗車したペンギンさんや、駆け込み乗車したアザラシさん、切符を拾ってくれたアザラシのおじさんなど、登場から追って見ていると、「この人は単身赴任だったのかな」とか、「ここで切符を拾ったんだな」など、それぞれのストーリーも見えてきます。
☆書店員の感想
お姉ちゃん・ペンちゃん・ギンちゃんのペンギンの兄弟。兄弟だけで列車に乗って出かけます。上手に目的地まで行けるかな?列車の中のお弁当と景色が最高です!
まず、旅行準備をする3人のリュックサックの中身の違いで、この子たちの年齢の違いが少し見えてきます。私には3歳の子どもがいるのですが、どうやらぬいぐるみとキャンディーと歯ブラシだけを入れているギンちゃんと同じくらいの歳だと感じました。
ペンちゃんは少し重たい荷物も任されているから5歳位?お姉ちゃんは小学生位かな?
駅のホームに売っている物やお弁当の中身など、人間の世界の本物とよく似ていて動物たちの世界とは思えない程にリアルにも感じます。が、そこは著者の工藤ノリコさんの優しいタッチの描き方です。リアルなんだけどやっぱり動物達の世界なんだなって。そんな所がとっても魅力的な工藤ノリコさんの絵本です。
列車の中から見た花畑や、トンネルを抜けると目の前に広がる大きな海、海をバックに犬ぞりで走る姿、「こんな所を通ってみたい!見てみたい!美しい!」と思える景色が所々で登場します。
いよいよ列車を降りたのに、列車の切符を無くしてしまったペンちゃん。ハプニングも旅の
醍醐味!?ホームに待っていたのはおばあちゃん。今度はおじいちゃんの操縦する犬ぞりでレッツゴー!
無事に列車から降りることが出来た3人なのに、ペンちゃんの切符が見当たらず、ペンちゃんとお姉ちゃんは必死で探します。
切符を無くしたかもしれない!と思った時の焦りは大人でもひどいですよね。子どもなら尚更「大変だー!!」と焦った事でしょう。親切なあざらしのおじさんが届けてくれた時には2人とも泣き顔でした。良かったねーと読者も安心。
そしてホームで待っているおばあちゃんに3人が会えた時はハプニングがあった後なので、なおの事安心したことでしょね。
外で待っていたおじいちゃん、なんと”犬ぞり”で待っていました。犬ぞりって!!ってと驚きますが、この地域ではバスや車と同じように犬の引く犬ぞりも主流なのです。3人を出迎える犬たちのしっぽが左右に動いて喜びを表しています。雪が積もっていなくても動くみたいです。その犬たちに引かれて、そりが進みます。なんだかファンタジー感も出ているのに現実感もあり・・・乗り物好きの私は、「本当にあるのならぜひ乗ってみたい!!」と憧れてしまいました。
お弁当屋やリュックサックの持ち物など、旅には欠かせない物を細かく描いているから、読んでいる私も旅に行ったような気分になります!
私には3歳の子どもがいるのですが、どうやらぬいぐるみとキャンディーと歯ブラシだけを入れているギンちゃんと同じくらいの歳だと感じました。
ストーリーが進むと同時にギンちゃんの行動を見ていると娘がどんどんギンちゃんとかぶっていきます。楽しく景色を楽しんだりお弁当やおやつを食べ、無事に列車から降りることが出来た時には、私も「楽しかったね!良かったね!」と、わが子を見守る母心で見ていました。そしてハプニング時には、私もペンちゃんと同じく焦るような気持ち、犬ぞり中はギンちゃんと一緒に景色を楽しむ気持ち、おばあちゃんの家について落ち着いたお姉ちゃんの気持ち。全てに共感して楽しむことが出来ました。
そう、正しく読んでいる私も登場人物気分を味わえる絵本だということなのです!
- 作品名:ペンギンきょうだい れっしゃのたび
- 著者名:工藤ノリコ
- 出版社:ブロンズ新社