みんな あかちゃんだった

まるで赤ちゃん図鑑!?お母さん、お父さん、小さいお子さん…みんなにピッタリな、赤ちゃん~幼児の成長のようすが豊富に描かれている絵本です☆

☆際立った特徴

  • 『赤ちゃんあるある』がいっぱい!可愛い姿がページいっぱいに描かれています。
  • 赤ちゃんが産まれた方も、出産を控えた方も。はたまた育児がひと段落した方も…。いろんな人におすすめ!
  • これからパパになる方、お兄ちゃん、お姉ちゃんになる子にも☆
  • ネコのちょっとしたツッコミコメントも見どころ。
  • 親子遊びもたくさん描かれています。
  • そして、絵本の最後のしめくくりもステキです。

☆読み聞かせのポイント

  • 月齢別に描かれているので、成長を追って見てみましょう。
  • 赤ちゃんが見ても通じるものがあるかも!?一緒に見てみるのも楽しいです。
  • お兄ちゃんやお姉ちゃんとも一緒に読んで、妹や弟の赤ちゃんの話、自分が小さかったころの話をゆっくりしてみましょう。
  • お父さんやお母さんの赤ちゃんの話をするのも、ステキなコミュニケーションですね!

☆あらすじと書店員の感想

・月齢別に赤ちゃんの成長が描かれています。いまはどんなことができるかな?これからどんなことができるようになっていくのかな?成長が楽しみになってきます。

表紙をめくり進めると、お腹に赤ちゃんがいる女性の姿が描かれています。もうすぐ、赤ちゃんが産まれてくるのでしょうか。お腹に手を添え、愛おしそうにお腹を見つめています。

次に進むと、「うまれてから2か月くらい」「3ー4か月くらい」の赤ちゃんのようすが描かれているページになります。10か月くらいお母さんのお腹の中にいて、産まれてきた赤ちゃん。『産まれて最初のウンチは黒い』や、『1~3日で目があく』、『3時間ごとにオッパイを飲ませる』など…。分かりやすい育児書のように、0か月の赤ちゃんの特徴的なようすが描かれています。3ー4か月のページでは、はらばいにしても顔があがらない、まだおすわりはできない、(座っているけれどすぐに倒れそう)なようすが描かれていて、私の娘は1歳3か月になったので、こんな時期があったなぁ…と、とても懐かしい気持ちになってきます。

「4ー5か月くらい」になると、あやすとよく笑うようになり、赤ちゃんの動きや表情が増えてくることがよくわかります。親子の遊びもだんだん増えてきて、家族の笑顔も多くなるように思います。「にっこり笑って→ヨダレでベトベトの手を差し出す」シーンにも「あるある!」とつい笑ってしまいました。

「6ー7か月くらい」では、力が強くなり、おすわりや寝返りもできるようになってきます。寝返りの練習をするときに、お父さんが背中から押してあげるようすが描かれていて、背中を手で押してあげたりすることはあったのですが、こんな押し方もあるんだなと目からうろこでした。(笑) 親子で一緒に遊びを取り入れつつ、動きの練習をするのも良いなと思いました。

そのあとも、「7ー8か月くらい」「9ー12か月くらい」が描かれていて、「1さいくらい」になると、つたいあるきができるようになることや、よく動き回ること、いろいろ考えるようになること、いろいろしているつもり、いろいろやり始める…とカテゴライズされ、赤ちゃんの行動が詳しく描かれています。「2さいくらい」になると、さらにいろいろなことができるようになり、お風呂のことやトイレのようすも描かれています。できることや言葉もどんどん増え、いよいよ幼児の仲間入り…といったようすです。

2ー3さいになると、もう赤ちゃんではなく、「こども」になってきますね。そして、たくさん遊び、たくさん笑って泣いて、食べてウンチをして、どんどん大きくなっていきます…。

こんな可愛らしい姿の赤ちゃんがたくさん描かれています。

・お兄ちゃんやお姉ちゃんになる子にも、一緒に読んであげると赤ちゃんへの興味が増しそうです!

我が家の長男は小学4年生です。一番下の長女が産まれたときは小学2年生でした。ですので、長女の赤ちゃんのようすをよく覚えていて、産まれて退院してきたときから少しずつお手伝いもしてくれていました。次男は赤ちゃん返りが大きく、赤ちゃんが可愛い反面ちょっぴりいじわるしてしまうこともあるのですが、長男はいじわるすることは決してありませんでした。おもちゃを見せてくれたり、赤ちゃんの体がしっかりしてきたころには抱っこもしてくれるようになりました。長女にとっては、長男もちょっとした親のような存在になっているように感じます。

前置きが長くなりましたが、そんな長男にこの絵本を見せました。

もう大爆笑。どの赤ちゃんのようすも、長女と重なる部分が多くて思い出しては笑ってしまうようです。『こんなときあったね!』と、絵本を通して、長男と思い出を共有して笑い合う時間がとても嬉しい時間になりました。そして、一応次男も、この絵本の赤ちゃんに興味津々!『○○ちゃん(長女)みたい!』と笑いながら読んでいました。

絵本はイラストと一緒に、ひらがなかカタカナでイラストのようすが書かれているので、お子さんにも分かりやすいように思います。次男は年長で文字がだいたい読めるようになってきたので、自分で読めていました。文章を読んで、イラストを見て、赤ちゃんの妹を思い出して、次男も「ねぇねぇ、○○ちゃん(長女)、ときどきこれしとるね!」「この赤ちゃん、面白いね!」と、興味を持って読んでいました。

・家族みんなで楽しめる内容です。子育てが終わった方も、これからの方も、赤ちゃんの可愛らしい姿に笑顔が溢れます!

前述にもありますように、赤ちゃんが産まれて一緒に生活しているご兄弟のお子さんとも一緒に読んで楽しめる内容ですし、これから産まれるご家庭の方も、こんなふうに成長していくんだなぁ、と、イメージが膨らみやすいように思います。

私も一人目を出産した時、首がすわって、寝返りをうって、お座りができて、離乳食を始めて…と想像はしていましたが、赤ちゃんの表情や動き、ちょっとした仕草など、どういうことができるようになっていくのか全然分かりませんでした。二人目、三人目になって、『もうこんなことができるようになったんだ!』と、長男や次男のときを思い出しながら、成長の感じ方もその都度変わっていったように思います。成長はお子さんそれぞれですので、本の内容もあくまで目安ですが、長男のときにこの絵本に出会っていたら、はじめての赤ちゃんの成長への感じ方も変わっていたのかな…と思いました。いろんな遊びもあり、こんないたずらもするよ、など、ユーモア溢れる内容ですので、楽しくもあり大変でもある育児がさらにあたたかいものになるように感じます。

また、赤ちゃんの近くに描かれているネコがまたいいキャラで、赤ちゃんの行動に一言コメントをしていて、そのコメントに『そうそう!』と相槌を打ちたくなります!例えば、お母さんの頬にヨダレ ブチュ!とチューしている場面があるのですが、それを見たネコは「エンリョシマス ハイ」とカタカナでコメントが書かれていて、このカタコトな感じも面白さを引き立てています。ぜひこのネコにも注目してみてください!

・絵本の最後に、ジーン…。と、感動も。

絵本の最後には、たくさんの、いろんな国の、いろんな年代の人たちが描かれています。私たちも、あなたも、あなたのご両親も、みんなみんな赤ちゃんだった。お母さんのおなかから産まれてきた赤ちゃんなのです。そんな文章で締めくくられていて、この文章を読んだとき、目の奥がジーンと熱くなりました。わたしも母から産まれてきた。毎日奮闘して育児している我が子たちも、数年前は赤ちゃんだった。みんなみんな赤ちゃんから大きくなって、こども、大人になっていく…。当たり前のようだけれど、とってもかけがえのないこと。赤ちゃん時代の記憶はないけれど、きっとだれかの大切な思い出になっている。そんなことを感じました。

この絵本は育児書のように年齢別に成長が描かれていますが、決して育児書のように堅苦しくなく、どの世代の人が読んでもクスリと笑えるような絵本のように思います。育児に行き詰っている人も、この絵本を見ることでちょっと肩の力が抜けるかもしれません。

出産の記念に贈るのもいいかもしれませんね。

赤ちゃんの成長を楽しく知ることができ、なんだか懐かしく、笑えて、共感できて。赤ちゃんあるあるな姿を、ぜひ読んで楽しんでみてください。

にむさん
  • にむさん
  • 現在4年生と年長の男の子、1歳の娘の育児に奮闘中です。
    兄が弟に、さらに最近では弟が妹に絵本の読み聞かせをしてくれるようになりました。子どもたちの姿から学ぶことも多い日々です。
    短大で介護の勉強をし、介護福祉士の資格を持っています。