三びきのやぎのがらがらどん🐐ノルウェーの昔話 福音館の絵本 マーシャブラウン 絵 せたていじ訳

三びきのやぎのがらがらどん 表紙

三匹のやぎのがらがらどんたちが山に向かう途中で、とてもこわいトロルと出会います。がらがらどんたちは無事に山へたどり着けるのでしょうか。迫力満点のお話で、スリルを楽しみながら読むのにピッタリ!

☆3つのおすすめポイント

  1. 三匹のやぎのがらがらどんたちが山へ向かいます。しかし、橋の下にはなんとトロルが待ち受けていたのでした…。ピンチをどう切り抜けるのか、みんな山へ行くことができるのかドキドキします!
  2. 絵の描写や背景の絵も勢いや迫力を感じます!トロルもこわい雰囲気ですが、存在感が強く印象的で、三匹のやぎのがらがらどんたちも個性が出ています。
  3. ノルウェーの昔話で、日本でも1965年から読み続けられている絵本です。時代が変わっても感じるものがたくさん詰まっているようです。
三びきのやぎのがらがらどんは、保育士試験の課題にもなってます。

☆あらすじ

昔、名前がみんな『がらがらどん』という、三びきのやぎがいました。

ある日、三びきは山の草が生えているところでたくさん食べて太ろうと思い、三びきは山へのぼっていきました。

山にのぼる途中の谷川に橋がかかっていて、そこを渡らなければなりませんでした。

しかし、その橋の下には気味の悪い、大きな『トロル』というものが住んでいたのです。グリグリの目玉に突き出た鼻。橋の下で膝を抱えて座っています。

そこへ、まず一番小さいやぎのがらがらどんが橋を渡っていきました。かたこと、と橋が音をたてました。

すると、大きなトロルが怒鳴りました!

トロルは、一番小さいがらがらどんに「貴様を一飲みにしてやる!」と言いました。

このあとぼくより大きな2番目のやぎが来ます。ぼくより大きいですよと言い、一番小さいやぎは通ることができました。

しばらくして、2番目のやぎのがらがらどんがやってきました。今度は橋ががたごと、と音をたてます。

トロルは、「お前を一飲みにしてやるぞ」と言い、顔や手を橋にかけて姿を現しています。

ところが、2番目やぎも言いました。少し待てば、ぼくよりうんと大きなやぎのがらがらどんがやってくるよ。トロルは「そうか」と言い2番目やぎを食べませんでした。

と、そのとき。すぐに大きいやぎのがらがらどんがやってきました。とても大きいので、橋は「がたん、ごとん」とうなったり、きしんだりしています。

一番大きながらがらどんはトロルにとびかかると、角で目玉をくし刺しに、ひづめで体中木っ端みじんにして谷川へ突き落としました。

そのあと、3番目のがらがらどんも山へのぼっていきました。

やぎたちはうちへ歩いて帰るのも大変なほどたくさん草を食べ、太ることができました。

☆際立った特徴

3匹のやぎのがらがらどんたちと、トロルのやり取りがドキドキする展開の迫力のあるお話です。お話も絵の雰囲気もこわいような、けれどもっと見てみたくなるようなそんな描写です。ノルウェーの昔話で、日本では1965年に発行され、長く読み継がれている絵本です。

絵本の大きさは26×21㎝で、大人の両手を横に並べたくらいの大きさです。

☆書店員の感想

●三匹のやぎのがらがらどんたちが山へ向かいます。しかし、橋の下にはなんとトロルが待ち受けていたのでした…。ピンチをどう切り抜けるのか、みんな山へ行くことができるのかドキドキします!

三匹のやぎのがらがらどんがいました。三匹いますが、どれも名前は同じです。

「がらがらどん」という名前の響きが覚えやすく、耳に印象的に残る感じがしました。三匹は並んで山のほうを向いて、山へ草を食べに行くのを楽しみにしているような表情に見えます。山へ行く途中の橋の下には、大きな気味の悪いトロルが体を小さくして隠れています。この橋の下で隠れていて、通る動物たちを獲物にして食べようとしているのかもしれません。

はじめに通った一番小さいやぎのがらがらどんが、トロルに怒鳴られました。一飲みにして食べてやる、と言われますが、このあとぼくより大きいやぎが来るからぼくは食べないで、と言うとトロルに食べられず橋を渡ることができました。

そして二番目のやぎも、同じように言い橋を渡り切り、三番目のやぎが来ました。

三番目のやぎは大きくつのもあり、トロルをやっつけることができましたが、これは三匹の作戦だったのでしょうか。小さいやぎから山へ向かい、トロルは大きいやぎが食べたい欲望から小さいやぎを見逃してくれた。そして、大きいやぎは力に自信があったから、トロルをやっつけられると確信していたのか…。

真相は分かりませんが、小さいやぎたちは無理に戦うことはせず、一番の安全策を取ったようにも思いました。また、小さいやぎが子ども、二番目やぎがお母さん、三番目のやぎがお父さんのような存在・力関係にも見えてきて、父の偉大さ・たくましさを感じるようにも思えました。読む人によってはいろんな見方があるとは思いますが、兄弟のような、親子のような、そんな結びつきが強い関係性で、信頼し合っているようすも伝わってきます。

●絵の描写や背景の絵も勢いや迫力を感じます!トロルもこわい雰囲気ですが、存在感が強く印象的で、三匹のやぎのがらがらどんたちも個性が出ています。

絵の色は青色、黄色、茶色、黒色、緑色が主ですが、線の描写が躍動感と勢いを感じさせます。色は少ないですが重ねて塗っているところもあり、色同士の組み合わせで表現は豊かな感じがします。やぎも名前はみんな一緒ですが、体の大きさ、つのの有無などかたちが違っていて、それぞれ雰囲気が変わっています。小さいやぎは子ヤギといった感じで、トロルに出会った時も大丈夫かな、と心配になってくる小柄さです。二番目やぎは小さいやぎより少し大きいのですが、三番目になると迫力がまるで違います!トロルと向かい合っているとき、大きな声で叫んでいるとき、さらににらみ合っているときなど、姿勢や目つきが鋭く、いまにも襲い掛かりそうな雰囲気です。大きく鼻息を出して、体のまわりに黄色のいきり立った鼻息がもくもくとあがっている姿も迫力満点です。

そしてトロルはこっぱみじんになってしまいました。

しかし、このトロルもこわさの描写では負けていません。この絵本は我が家に長男が小さいときからあった絵本なのですが、物心がついたころから「読んで」と言いよく持ってきていました。この絵本が好きなんだな~と思って見ていたのですが、ふと絵本を見ると、キレイにトロルの部分がちぎり取られてしまっていました。ほかのページのトロルの部分も裂けてしまっているものもあって、やはりトロルはこわい存在なのかな…、何度も読んでいてもこわいものはこわいのかな、と、そんな子ども心を可愛らしく思いました。けれど、こわいもの見たさに何度も読んでいました。

●ノルウェーの昔話で、日本でも1965年から読み続けられている絵本です。時代が変わっても感じるものがたくさん詰まっているようです。

ノルウェーの昔話で、昔から語り継がれている絵本のようですね。日本でも55年くらい前に発行され読まれ続けているので、もしかしたら三世代でこの絵本知っているよ、という方もいるかもしれません。

わたしもこの絵本は記憶の片隅に少しあって、小さいときになんとなく読んだことがあるような気がしました。この絵本は長男が小さいときにいただいたのですが、自分自身大人になって読むと、ただこわいだけではなく、ストーリーや絵からなど子どものときに読んだときに感じたこと以外の面白さを絵本から感じることができました。

こわいトロルとのかけひき、山場へみんな無事に行けるかというハラハラ感、三匹のやぎの関係性や姿、背景の自然の雰囲気など、大人も子どもも、読む人ごとにこの世界観に引かれていくように思います。

また、トロルのもとに順番にやっていくやぎの声が順番に大きくなり、三番目は大きい上にひどく「しゃがれた」声になっているので、それを表現しながら読むことで、聞いている子どもはやぎの違いを感じ、楽しめるようにも感じました。なかなか「しゃがれた」声が難しかったのですが、抑揚をつけて読むと楽しめると思います。トロルの声もどんな声がいいかなぁ、など想像しながら読み聞かせていました。(笑) ぜひみなさんそれぞれの名作の楽しみ方で、この絵本の世界を味わっていただきたいと思います。

三びきのやぎのがらがらどん 裏表紙

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にむさん
  • にむさん
  • 現在8歳と3歳の男児の育児に奮闘中です。
    兄が弟に絵本の読み聞かせをしてくれることもあり、そこから学ぶことも多い日々です。
    短大で介護の勉強をし、介護福祉士を持っています。