てっきょう てっちゃん でんしゃ なにかな?

電車好きな子にピッタリ!電車の音で何の電車が来るかわかるかな?

☆3つのおすすめポイント

  1. 鉄橋のてっちゃんに電車が通ります。遠くから聞こえる電車の音で何の電車かわかるかな?
  2. てっちゃんを通る電車達はてっちゃんと仲良し。お話したり、煙をかけて遊んだりスピードを出して風を掛けてあげてたりと、てっちゃんを喜ばせます。
  3. てっちゃんは、誰かに喜ばせてもらうだけでなく、そこに立っているだけで、人を喜ばせる事だって出来ます。さて、どんな風に喜ばせてあげられるかな?

☆あらすじ

さらさらさらさら・・・魚がピョン!と跳ねるような、きれいで川の流れも穏やかな川の上に、大きな鉄橋が立っています。名前は【てっきょうの てっちゃん】ブルーの清々しいペンキで塗られたてっちゃんは、今日も鉄橋を通る電車達を見守ります。

遠くから段々電車が近づいてくるよ。

きこえるきこえる。”ごとごと ぷおーん”てっちゃんを渡るのは 何かな?

急行列車が”ぷおーん ごとごと”ピンクのボディーにお花模様の急行列車♬かわいいね。てっちゃんも本物の花畑に来たみたいな気分♬ハチさんもブーンと飛んできて、「あらっ花畑かと思ったらでんしゃだったのね」なんて思っているのかな。間違えちゃったってビックリしているよ。スピードあげてビューンと通過。

お次は、「きこえるきこえる。ぽっぽー しゅっしゅっ」てっちゃんを渡るのは何かな?

煙をモクモクとはきながら通っていくよ。機関車しゅっしゅっぽっぽー ごとんごとん。カラフルなボディーの蒸気機関車が客車をひっぱって ぽっぽっー!汽笛が響いてカッコいい。てっちゃん、煙がお顔にかかってニッコリ笑顔で喜んでるよ。「雲みたいだぁー!」なんて言ってるのかな。ウサギさんは汽笛の音に少しビックリ!ぴょんぴょんと逃げていっちゃった。

今度は、”ごごごーっ”何だか速そうな音だよ。何かな何かな?

速い速い!新幹線”びゅーん ごごごー!”超特急のスピードで、てっちゃんを通っていくよ。風を切って走っていく。「かっこいー!風が気持ちいいなー!」鳥さんよりも早く遠い場所まで行けちゃうよって新幹線も言ってるみたい。

夜になりました。今日の電車は全部通ったかな?てっきょうてっちゃん、今日もお疲れ様★ゆっくり眠ろうね。おやすみなさい。すやすやすや・・・

おやおや、”ごとごと ごっとん”静かにてっちゃんを渡るのは 何かな何かな?

「ごとごと ごとん ききききーっ」作業用電車が、てっちゃんの上で停まったよ。黒猫さんも何をするのかな?って近づいてきたよ。人が降りてきて てっちゃんにペンキをペタペタ。

朝です。てっちゃん、【ピンクと青と黄色の3色のしましま模様】のオシャレな鉄橋になりました。

爽やかな日差しがてっちゃんを照らします。通勤電車に乗ったお客さんもなんだか嬉しそう★ 

今日も電車がごとん ごとん♬

てっきょう てっちゃん でんしゃ なにかな?表紙

☆際立った特徴

本書で登場する電車は急行列車・機関車・新幹線・作業用電車・通勤電車の5台です。

電車ではなく、”鉄橋”が主人公の絵本です。鉄橋のてっちゃんにも、登場する電車達にも目と口があり、表情豊かです。急行列車は花柄、蒸気機関車はカラフルな荷台を連結させて、新幹線は白いボディに青ラインのN700系風、作業車は黄色に黒ラインの警戒色で安全に作業できるように。TPOに合わせた乗り物でありながら、とっても特徴があって可愛らしいです。

いつも電車を見守っているてっちゃんは、毎日「今から何が通るかなー?」と楽しんでいるようです。そして「おはよー」「今日は暑いね〜」「おつかれさまー」なんて鉄橋を電車が渡るたび、電車とのお話を楽しんでいるのでしょう。それがてっちゃんの楽しみでもあり、お客さんを乗せて働く電車達に気持ちよく通ってもらう為の大事な仕事なのかもしれません。

てっちゃんは初めは清々しいブルーの一色でした。それでも背景に映えて美しかったのですが、最後に可愛らしく3色でしましまにペンキを塗ってもらって、今まで以上にとっても嬉しそうです。表情もニッコニコ♬そんな鉄橋を渡る電車も、乗客も、みんな嬉しそうです。鉄橋のてっちゃんのHAAPYが広がっていくようです。

てっきょう てっちゃん でんしゃ なにかな?裏表紙

☆書店員の感想

電車には色んな種類があり、発する音も様々です。

本書は、鉄橋に近づく電車の音を聞きながら煙をはいて”ぽっぽっ しゅっしゅ”と走る電車なら機関車、高速で近づいてくる”ごごごー!”なら新幹線など、音で電車を想像して楽しむことが出来ます。鉄橋のてっちゃんは、いつも楽しそうで幸せそうな表情の持ち主です。電車にあまり興味がない子でも、「てっちゃんを通るのは何かなー?てっちゃん電車が通ると嬉しそうだなー」と感じ、ストーリーを楽しむことが出来るでしょう。

我が家の娘もクイズに答える事が大好きで、ウキウキして本書を開きます。楽しそうに読んでいる娘を横で見ているだけで、私まで楽しいのでした。

最後の一文に、「今日も電車がごとんごとん」とあります。鳥や蜂がニコニコ笑顔で飛び、魚が跳ね、猫やうさぎがてっちゃんと一緒に電車を見送ります。てっちゃんはしましま模様でHAPPY全開!!

なんだか、これからもずっとこの楽しさや、平和に満ち溢れたこの世界が続いていくように感じる一文だなと思いました。私のお気に入りの一文です。

  • 作品名:てっきょう てっちゃん でんしゃ なにかな?
  • 著者名:作 やまもとしょうぞう 絵 いちはらじゅん
  • 出版社:くもん出版

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。