かくしたの だあれ

探したり、違いを発見するのが好きな子にピッタリ!動物さんや昆虫さんはどこに隠れているのかな?

☆際立った特徴

  • 1977年出版。約半世紀前から愛され続けている絵本。
  • 左のページに日常生活でよく使う物。右のぺージに動物が登場。11種類。
  • 日用品が動物の一部に変身(かくれんぼ)。見つけて遊ぶ絵本。
  • どのページもくすんだ色合いで描かれている。よく見ないと違いを見つけにくい。
  • それぞれの動物の数はページごとに違う。数えて遊ぶのも◎。

☆読み聞かせのポイント

  • じっくりお子さんと時間がある時に読んであげるのにピッタリだと思います。探すのを手伝ったり、一人で見つけるのを見守り待ったりと、お子さんの気持ちに寄り添ってあげると良いと思いました。見つけた時は一緒に「こんな所にあったね。」と一緒に喜びましょう♩
  • 「靴下を隠したのはだあれ?」といった感じで、動物や昆虫の名前は文章にありません。「この動物は何ていうお名前かな?」とクイズを出すのも楽しいですね♩
  • 動物達の数がそれぞれのページで違っているので、数える遊びにもピッタリだと思いました!2匹から12人まであり、配置はバラバラ過ぎず、ちょうど数を覚えたての子でも、数えやすいと思います。
  • 隠し物が見つかったら、他の動物と、どこがどう違うのか聞いてあげるとさらに面白さがアップすると思います。隠し物に注目するだけでなく、動物同士で見比べる事で、「この動物はこんな歯なんだな。」「カマキリって胴体が細長いな」と少しずつ気がつく事でしょう。
  • 逆に帽子や手袋などが、動物の体の一部を隠しているという見方も出来ます。「手袋はニワトリさんの何を隠しているの?」という聞き方をしてあげても面白いです。各ページに何匹か同じ生き物が描かれているので、他との違いをじっくり見比べて楽しみましょう!

☆あらすじ

手袋をニワトリが、歯ブラシをワニが、靴下をタヌキが、ろうそくをキリンが、帽子を鳥が、磁石をカニが、スクーター(三輪車)をカメが、旗を魚が、えんぴつをカマキリが、トランプをちょうちょが、ナイフとフォークを人間の子ども達が隠しています。

●左のページに日常でよく使う物や馴染みのある物(歯ブラシ・靴下・手袋など)が登場し、右のページに動物や昆虫が描かれています。

左のページで”言っている物”が右のページに隠されているという内容になっていて、「隠したのだあれ?」と読者に語りかけます。

物語として最後まで続くのではなく、動物の中に隠れている”物”を探す繰り返しの絵本になっていて、それぞれのページで完結します。

☆書店員の感想

「帽子を隠したのは誰かな?」と読者にクイズを出すような語りで文章が書かれています。

見開き1ページで完結するので、1歳頃のお子さんから遊んで楽しい絵本になっています。

特徴的な部分と言えば、あえて言葉が少ないという事です。動物や昆虫の名前をあえて言わず、「靴下を誰が隠したのかな?」とだけ文があるのです。

きっとそれを聞いた子ども達は、最初は帽子や靴下など文章に登場する物に注目して、探す事でしょう。しかし、文章には「誰が隠したのかな?」とあります。誰が?という事に次は注目して「タヌキさんだね。」「キリンさんだね」「これは何ていう生き物かな?」と考えてくれることでしょう。

ハッキリしない色を使っているからこそ、物が上手く同化して隠れています。

思いもつかない所に隠れていたり、逆に驚くほど単純な場所に描かれているのに同化しすぎて気がつかなかった!なんて事もあるかもしれません。

よーく見ているのに不思議なものです。だからこそ面白い!だからこそ発見が楽しい絵本だと思いました☆

先に「帽子を隠したのは誰かな?」と動物が物を隠していると説明をしましたが、読んでいると違った見え方も出来ることに気がつきました。

例えばワニが出てくるページでは、歯ブラシがワニのずらりと並ぶ歯の上に重なる事で口元を隠しています。歯ブラシのピンク色の持ち手部分を歯茎に、白いブラシ部分を歯に見立てています。

「歯ブラシが、ワニの歯を隠している。」という事になりますよね。

このように一方的な見方だけでなく逆も考えてみるのもオススメな読み方です☆

試しに我が家の5歳の娘に、「歯ブラシを隠したのだあれ?」と聞いた後に、「歯ブラシはワニさんの何を隠しているの?」という聞き方してみました。すると、もう一度絵をじっくりと見回して、「ワニさんの歯が歯ブラシになっているから、歯が見えないから。」と答えてくれました。私は、「そうだね、お口を隠しちゃってるね。」と伝えました。

娘の言葉を聞いて、間違っても言葉足らずでも、自分の発見をそのまま言葉に出来る事ってすごい事だと思ったし、どう答えたら伝わりやすいのかサラッと教えてあげるチャンスになって、言葉の習得に繋がっていくのかもしれなと思いました。

1歳頃なら動物や身近な物を見て名前を覚えたりして楽しみ、2・3歳頃には隠された物を探して、4・5歳なら他の動物との違いを自分なりの言葉でどう違うのか話したりと、成長に合わせて、長い間楽しめる絵本だと思いました。

五味太郎 ANIMATION WORLD(公式) アニメ版も大人気「たべたの だあれ」の姉妹作「かくしたの だあれ」。
五味太郎 ANIMATION WORLD(公式)「かくしたのだあれ」の姉妹本「たべたの だあれ」。
よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。