ぎゅうぎゅうでんしゃ
仲良くみんなでお祭りに行くにはどうする?お祭りはみんなが揃ったほうがいいよね!
☆3つのおすすめポイント
- 今日は森の夏祭りです。大勢の乗客がお祭り行きの電車に乗って会場に向かいます。最終電車はぎゅうぎゅう詰め。でも乗れないお友達がいます。みんなで少しずつ詰めて乗せてあげましょう!
- 電車は絵本の仕掛けになっていて、乗れないお友達をページをめくると乗せてあげることが出来ます。乗客がぎゅうぎゅうな表情になっていきますが、なんだか楽しそう。
- お祭りは大賑わい!大きな打ち上げ花火が、夜空を彩ります。電車にみんなで乗れたから、お祭りの楽しさは倍増!!素敵な夏の1日です。
☆あらすじ
今日は、森のお祭りです。お祭り行きの特別電車がたくさん走って、お客さんを運びます。
ここ、【まちのひろば】駅には数え切れないほどのお客さんが、電車に乗ってお祭りに行こうと待っています。【まちのひろば】の駅長さんは、お客さんが安全に乗車出来るように誘導していきます。次の電車も、次の電車もお客さんでいっぱい、とうとうお祭り行きの電車が最後になってしまいましたが・・・これも満員。詰めて乗ってもらったけど、乗れないお友達がまだいます。乗れないかな・・・と、しょんぼり顔のブタ君。駅員さんもどうしたものかと悩んでいたら、中の乗客から声がしました。「つめて!つめて!乗せてあげよう!」優しいお客さん達、ブタ君も乗れましたよ。良かったね!
でも、乗れないお友達がまだいます。大きな体のキリン君。さすがに乗れないかな?!と思ったけど、「つめてつめて!乗せてあげよう!」みんなで少しずつ詰めてあげます。キリン君もなんとか長い首を曲げて乗れました。
あらら・・・乗れないお友達がまたまた1人残っています。大きなタテガミのライオン君です。またまたみんなで「つめて乗せてあげよう!」と一致団結。ライオン君はフサフサな髪をゴムで縛って乗車。縛ったタテガミの上におさるの子ども達も乗れました。良かった良かった、これでみんな残らず乗れたね。
『行ってらっしゃい!』ぎゅうぎゅう電車出発シンコー!と駅長さんは手を振って見送ります・・・ところが。「もうひとりいるよ!つめてつめて、乗せてあげよう!」中から声がします。あれ、まだいたかな。どこだろう??ホームにお客さんは見当たりませんよ。
あれ?と思ったら、ゾウさんの鼻が駅長さんに伸びて・・・「駅長さんもいっしょに行こう!」ぞうさんの長い鼻の上に乗せてもらい、駅長さんも乗車出来ました。
電車の中はぎゅうぎゅうでの満員電車。だけど、みんな嬉しそう♬みんなが揃ったほうがより一層楽しいよ★良かったね、駅長さん。みんなで仲良く、お祭りに行きましょう!
☆際立った特徴
「薫くみこ と かとうようこ の あかいでんしゃシリーズ」の4部作の内の1作品です。森の【まちのひろば】駅に停まる、あかい電車が舞台です。
赤い電車は仕掛けになっていて、しかけのページを開くと乗れていないお友達を電車に乗せてあげる事ができます。もともとぎゅうぎゅうに乗っている乗客が、さらに詰めてあげて、乗れないお友達を乗せてあげたものだから、もっとぎゅうぎゅうで・もっと苦しい体制になっています。だけど、乗せてあげた方が、乗客達の表情は楽しそうに見えます。”ぎゅうぎゅう”を楽しんでいるのかな。1人でも乗れない人がいたら寂しいですもんね。みんなでお祭りに行くほうが楽しさも倍増していくのでしょう。
☆書店員の感想
お祭りに向かう動物たちが、みんな安全に向かえるように、駅長さんは丁寧に誘導します。一人だって乗れない人が出たらかわいそう!電車の乗客も、駅員さんに協力します。ぎゅうぎゅうだけど、もっと詰めて詰めて、みんなで乗車出来るように一歩ずつ中に入ってスペースが出来るように頑張ります。乗客の優しさが読者としても応援したくなるし、嬉しくなります。行けない子がいたら可愛そうだし、つまらない。全員揃ったほうが、うんと楽しいお祭になる★と思ったんでしょうね。
さらに、頑張ってる駅員さんも一緒にいこうよ!と乗せてくれる動物たちの優しさが、素敵です。1番頑張ってくれている駅員さんも乗せてあげる乗客達の心が、最高に粋だと思いました。駅員さん、みんなに愛されていますね。駅員さんの嬉しい気持ちが伝わります。
「なかよし ぎゅうぎゅう。にこにこ ぎゅうぎゅう」嬉しい気持ちで向かう森のお祭りは、乗客みんなにとって、さらに楽しく嬉しく最高なお祭りになることでしょう!
会場いっぱいに大きな打ち上げ花火が素敵に夜空を彩ります。こんな素敵な住人のいる夏祭りに私も行ってみたいな!ぎゅうぎゅう電車にも乗ってみたいな。
一緒にぎゅーぎゅーになって笑いたいな・・・
- 作品名:ぎゅうぎゅうでんしゃ
- 著者名:作 薫くみこ 絵 かとうようこ
- 出版社:ひさかたチャイルド