ころわんと ふわふわ
春の読み聞かせにピッタリ!タンポポを見つけるとなんだか嬉しくて、綿毛をフーとしたくなります!さあ、勇気を出してジャンプ!
☆3つのおすすめポイント
- ふわふわふわ・・・タンポポの綿毛の中を走り回るころわんとちょろわん。小川の向こうまで行きたいのだけれど、なかなかジャンプ出来ないころわん。勇気を出すことが出来るかな?
- 小川の向こうには、沢山のタンポポの綿毛がありました。二人はその中を駆け回って、思いっきり綿毛を飛ばします。ふわふわふわ・・・野原中に綿毛でいっぱいです!
- 子犬のころわんの何気ない日常の様子が描かれている”ころわんシリーズ”。春のある日の出来事を描いた本作は、体いっぱい春を感じて楽しむ姿が描かれています。
☆際立った特徴
ころわんシリーズの1冊です。タンポポが綿毛になった頃。仲良しのころわんとちょろわんが、綿毛の周りをワンワンと駆け回ります。ふわふわふわ・・・と飛び散る綿毛を体いっぱい楽しむ姿が描かれています。
間所ひさこさんの優しく語りかけるような言葉と、黒井健さんの温かいタッチの絵は、ころわんの何気ない日常の姿を優しい目線で描いています。
☆あらすじ
ころわんのおうちの周りに、タンポポが咲きました。
ころわんが前足でちょんと触ったら、綿毛がぱっと飛び散りました。
おもしろいなー!
そこにお友達のちょろわんが来ました。
この白いふわふわを飛ばしているんだよ。一緒にやろうよ!
二匹は一緒に綿毛で遊びます。ふわふわふわ・・・もっと見つけたいな。見つけに行こう!
とっとこ とっとこ野原へ駆け出した二匹。ふわふわがいっぱいです。
ほら、あそこにいっぱいあるよ。
小川に向こうには綿毛がいっぱいです。
ちょろわんは勢いよく ジャンプ!!
しかしころわんは、足が震えてなかなかジャンプ出来ません。
ちょろわんが応援します。
そこで、ころわんは思い切って・・・
いーち、にーの・・・さーーん!とジャンプ!
ぼてっ。ころわんがジャンプした先には、タンポポの綿毛がいっぱい。
ふわふわふわ・・・と、ころわんのジャンプの勢いで、綿毛が飛び散りました。
ぼく出来たよー!
わんわん わんわん ふわふわふわわ・・・。
ころわんとちょろわんは、野原中の綿毛を思いっきり飛ばして遊びました。
そろそろ夕方です。
たんぽぽも寝る時間です。帰りのジャンプはもう平気。仲良く一緒にジャーンプ!
ばいばい、また明日ね。
ころわんの背中に、綿毛がふわっと乗っていました。
☆書店員の感想
ふわふわふわ・・・タンポポの綿毛の中を走り回るころわんとちょろわん。小川の向こうまで行きたいのだけれど、なかなかジャンプ出来ないころわん。勇気を出すことが出来るかな?
ころわんは、まだ小さな子犬です。ある日お家の周りにタンポポが咲きました。生まれて初めてタンポポの綿毛を触ってみたころわん。真っ白くて丸い形が、急に飛び散ってふわふわ・・・と空に飛び上がっていく様子を見た時、ころわんは、とても面白く感じました。
人間も綿毛がふわふわ・・・と飛び散っていく瞬間って、とっても面白く感じますよね。ついどこへ行くんだろうか?と目で追ってしまいます。
ころわんは遊びに来た友達のちょろわんに、この楽しさや面白さを教えて、ちょろわんにもさせてあげました。そして、「もっと探しに行こうよ!」と二人は出かけることにしたのです。
2匹は野原を駆け抜けていきます。温かくてポカポカした春の野原には、タンポポはそこら中に咲いています。どんどん走っていくと、小川の向こうにもっと沢山のタンポポの綿毛があるのが見えました。2匹はそっちへ行くことにしました。
先にジャンプしたのはちょろわん。上手に向こう側へ行くことが出来ました。しかし、ころわんはジャンプしかかった所でキキキーッとストップしてしまいます。「きゃん・・・お水が冷たいよう。」と怖がっているころわん。
ちょろわんは『大丈夫。大丈夫。いち、にの、さーんで飛んでごらん!』と応援します。とっても的確で素敵な励ましですよね!周りでちょうちょもヒラヒラと飛んで見守っていますよ。勇気がでたころわんは、思いっきり「いち、にの、さーん!」でジャーンプすることが出来ました。
無事に渡れたころわんは、勇気を出せた事や上手に出来た事をとても喜びます。
小川の向こうには、沢山のタンポポの綿毛がありました。二人はその中を駆け回って、思いっきり綿毛を飛ばします。ふわふわふわ・・・野原中に綿毛でいっぱいです!
小川の向こうは辺り一面のタンポポの綿毛です。少し動いただけでふわふわふわ・・・と綿毛が飛んでいきます。その中を駆け回る2匹のとっても嬉しくて楽しそうなこと。空から2匹を見守っているような絵が描かれています。
春の種が空中・世界中に飛び広がっていくんだろうなと想像・期待してしまうような絵になっていて、読者も春を満喫できます。なんだか自分も一緒に駆け回って春の野原をめいっぱい遊んでいるような気分になります。
沢山遊んだ2匹は、夕方になり家に帰ります。帰りにも小川がありますが、もうジャンプは怖くありません。そして2匹はそれぞれの家に向かいます。「ばいばい、また明日ね。」
ころわんの背中には綿毛がフワッと一つついていました。別れ際に、「ここまで持って来てしまったんだね」っと2匹はクスッと笑ってサヨナラしたのかな?
なんだか、ほのぼのと、温かい気持ちになるストーリー☆今日も1つ成長したころわんの、春の日の出来事です。
- 作品名:ころわんと ふわふわ
- 著者名:作 間所ひさこ 絵 黒井健
- 出版社:ひさかたチャイルド