でんにゃ
猫好き・乗り物好きにピッタリ!きっと乗りたくなる”でんにゃ”夢のネコバス”ならぬ”ねこでんしゃ”の【でんにゃ】です。
☆3つのおすすめポイント
- ねこの電車「でんにゃ」の目的地は【ねこじゃらしこうえん】目的地までは、のんびりと寄り道をして向かいます。どんな道を通る電車なのかな?線路ってあるのかな?
- いくら電車の猫でも、ネズミを見れば行き掛けたくなるのが、猫の本能。「電車はこれより特急車になり、ネズミを追いかけます。しっかりつかまっていてくださいね!!」
- 目的地に着いたでんにゃは、車庫に戻っていきます。そこには滑り台が。すべり台の下が乗り換え電車の出発ホームのようです。あれ?猫じゃないよ。誰でしょう?
☆あらすじ
でんにゃはねこの電車です。でんにゃに沢山の猫が乗り込みます。がたんごとん にゃにゃんにゃにゃん。
行き先はねこじゃらし公園。次は魚屋に停まります。でんにゃが魚を食べ終わるまでが、停車時間です。乗客もその間に魚屋に並ぶ魚を狙います。
でんにゃが走り出しました。次は屋根に停まります。でんにゃがお昼寝をするので、しばらく停車します。乗客も一緒に屋根でお昼寝。
次は路地裏に停車します。少し暗いのでご注意を。でんにゃの目のライトが光り進んでいきます。停車した場所には、ネコ達が集まっています。しばらく停車します。集会に参加する方は降りてください。
さあ、出発です。「がたんごとん・・・にゃにゃにゃ!?」停止信号です。しばらくお待ち下さい。目の前にネズミが走っています。「ネズミを発見しました。追いかけるので、このでんにゃは特急に変わります。」にゃにゃにゃにゃーん!!と線路から外れてネズミを追うでんにゃ。振り落とされないように、ご注意ください!
ねずみに逃げられてしまったでんにゃは、線路に戻って トボトボ・・・。
がたんごとん にゃにゃんにゃにゃん 終点のねこじゃらし公園へ着きました。乗客の猫たちが一斉に降りていきます。「お忘れ物がないようにご注意ください。」
乗客が降りると、でんにゃは車庫へ向かいます。ゆっくりゆっくり入って行く先は、3個が重なった水道管の車庫。他のでんにゃも休憩中のようです。
水道管の後ろには滑り台が見えます。”芝生広場”行きの電車がすべり台の下から発車するそうです。
プルルルルル・・・発車のベルが鳴っています。駆け込み乗車はおやめください!とアナウンスが流れています。乗車しているのは、数匹の犬たち・・・?
がたんごとん わわん わわん。 がたんごとん わわん わわん。
☆際立った特徴
でんにゃの走る世界は、現実のようで少し違います。魚屋さんの目の前や人の家の屋根上に駅があるという事だけではなく、道路やコンクリート塀の上、屋根にも線路が繋がっています。魚屋さんでは、魚を食べるでんにゃに、魚屋の大将は気づいていない様子。もしかするとでんにゃは本当は見えない妖精的なものなのか??少し現実離れした雰囲気を、絵本中を彩るショッキングピンクの色が物語っているようでもあります。違和感のある設定の中に、現実が見え隠れしているような。ユーモアあふれる絵本です。
☆書店員の感想
ねこの電車「でんにゃ」の目的地は【ねこじゃらしこうえん】目的地までは、のんびりと寄り道をして向かいます。どんな道を通る電車なのかな?線路ってあるのかな?
とってもマイペースなでんにゃは、客を乗せて入るのだけど、《魚屋駅》へ行って魚を食べたりブロック塀を飛び越えたり、《屋根駅》では昼寝をするなど、自由気まま。乗車中の客も一緒に魚を眺めたり、ブロック塀を飛び越えた時に庭で吠える犬を、「あいつめっちゃ吠えてるなー」「ほんとだー」なんて話しながら見ていたり。《屋根駅》では、屋根の上で一緒にゴロンとお昼寝しています。「暖かくていいきもちーにゃー」とみんなの声が聞こえてきそうです。
いくら電車の猫でも、ネズミを見れば行き掛けたくなるのが、猫の本能。「電車はこれより特急車になり、ネズミを追いかけます。しっかりつかまっていてくださいね!!」
さて、次の駅は《路地裏駅》です。ねこの目は夜になると光りますよね。その習性がでんにゃにも備え付けられているようです。路地裏は日陰になっているので薄暗いです。でんにゃは目のライトをつけて線路を進みます。そこにはねこの集会所がありました。乗客の何匹かは降りて集会に参加します。猫にまぎれて乗っていた1匹の犬は大人しくでんにゃの中で待機しています。さあ、次の目的地に・・・と出発した時です。目の前を横切ったのは、ねずみ!!でんにゃの目がまん丸と大きく見開き、ターゲットを定めます。「みなさま、今からねずみを追いかけるので、この電車は特急に変わります」と乗客へアナウンス。(ここは大変律儀ですね。)そして、線路から外れちゃってるけど、にゃにゃにゃにゃーん!!!と襲いかかっていきました。乗客の猫たちも「いけいけ、やれやれ!!」と応援!
電車のねこだけど、ネズミを見たら追いかけたいという“猫の本性”が完全に出ちゃいましたね! 笑
目的地に着いたでんにゃは、車庫に戻っていきます。そこには滑り台が。すべり台の下が乗り換え電車の出発ホームのようです。あれ?猫じゃないよ。誰でしょう?
最終目的地の【ねこじゃらし公園】へ着いたでんにゃ。ねずみには逃げられてしまうし、もうヘトヘトでしょんぼりした様子。乗客を無事に全員下ろすと、車庫へと戻っていきます。車庫は公園内に積まれた水道管の中。普通の電車が1つの車庫に一台ずつ電車が入るのと同じように、水道管の1箇所の穴に一匹ずつ入って休みます。「はー疲れたー」とでも言っているのでしょうか。他のねこ電車達もゆっくりと休んでいます。
そこに、アナウンスが流れます。「芝生広場行きの電車がすべり台の下から発車します。」
あら?でんにゃは車庫で休んでいるし、滑り台前から発車する電車はどんな電車かな?
駅のホームには数匹の犬たちと猫1匹。乗車した電車は・・・犬の電車!?
「がたんごとん わわんわわん」今度の電車はどんな場所を通る電車なのかな? ワクワク♬
こんなバスがあったらきっとみんなが乗ってみたい!!と誰しもが夢見ることでしょう。乗車出来たら、猫になったような気分になれるんだろうな。そんな気持ちにしてくれる電車の”でんにゃ”です。最後にはイヌの電車も登場します。あなたはイヌ派?でんにゃ派?
- 作品名:でんにゃ
- 著者名:作 大塚健太 絵 柴田ケイコ
- 出版社:パイ インターナショナル