まくらのせんにん そこのあなたの巻

ユーチューブ動画で保育士書店員が詳しく解説しています

笑いたい時にピッタリ!登場する動物達が地面の穴に頭がはまって大変!みんなを助けてあげられるのは『あなた』です!読者参加型絵本。

☆際立った特徴

  • まくらのせんにんと、掛け布団のかけさん、敷布団のしきさんが登場。
  • 次から次へと、頭が地面の穴にはまった状態の動物が登場。まくらのせんにんまで!?
  • 「ふんがー」「ふんげー」と、もがく様子がなんともユーモラス。
  • 助けに呼ばれたのは、この本を読んでいる「あなた」。
  • 読者参加型絵本。
  • 表紙・裏表紙の内側まで楽しめる。(3人には実は奥深い設定が!)
  • 全体的に温かみを感じるような色合いで、ほのぼのとした空気感を持たせて描いている。

まくらのせんにん第一弾の「まくらのせんにん さんぽみちの巻」では、3人の得意技、”温めて人助け”をして周っています。

★今作品は、2009年に急逝された人気絵本作家、かがくいひろしさんの遺作。『まくらのせんにん そこのあなたの巻』は、かがくい先生ご自身が、シリーズ開始以来、発刊を心待ちにしておられた作品だそうです。 

出版社サイト:佼成出版社 まくらのせんにん そこのあなたの巻
書評:好書好日 『乳幼児を笑いに笑わせた「だるまさん」 伝説の絵本作家・かがくいひろしの生涯』

まくらのせんにん そこのあなたの巻 表紙

☆読み聞かせのポイント

  • 穴にはまった動物達。「誰だろう?」と考えてみよう!
  • 子どもが参加しやすいように、「助けて欲しいみたいだよ?どうする?」と声をかけてあげよう!
  • 本を逆さにしたりトントン叩いたり。子どもだけではやりにくい所は一緒に!
  • 「やったー!」と喜ぶ場面は、『良かったね!助けてあげられたね!』と一緒に喜ぼう!
  • 「どうする?助けて欲しいみたいだよ!」と本人にどうしたいか聞いても◎(怖がったり嫌がった場合無理強いしなくても大丈夫。大人が代わりにやって見せると安心して次からしたくなる事も。)
  • 「どうして穴にはまったんだろうね?」と一緒に考えてみるとユニークな答えが出るかも!

☆あらすじと書店員の感想

地面の穴に頭や耳が挟まって困っている動物が登場します。どうして抜けなくなったのでしょう??「ふんがー」「ふんげー」ともがく様子がなんともユーモラス。まくらのせんにんまで穴にはまって抜けなくなってしまいます。クスッと笑ってしまいます。

まくらのせんにんと、しきさんかけさんが散歩をしていると、動物達が、次々に地面の穴に頭がはまって、抜けなくなった姿で登場します。

その姿は、可哀そうでもあるけれど、なんだか笑ってしまう姿。まさか、なぜそんな格好に!?と驚く事でしょう。

しかも、どうして助けようか・・・と悩んでいたまくらのせんにんまで、穴を見すぎて頭から穴にスッポリ入ってしまい、頭が抜けなくなってしまいます。

またまた、どうしてこんな姿に!?・・・と驚く展開です。ゾウさん、キリンさん、うさぎさん、タコさん、そしてまくらのせんにん全員頭が地面にはまった状態で横に並んでいます。

「ふんげー」「ふんがー」「ふんぐー」「ふんぎー」ともがく姿・・・。もうこれは、可哀そうだけど、面白すぎて笑ってしまいます。

まくらのせんにん そこのあなたの巻 裏表紙

助けてあげられるのは、本書を読んでいる『そこのあなた』です。ぜひ力を貸してくださいね。本を逆さにしたりトントン叩いたり、読者参加型のストーリーです。

地面に住んでいるモグラさん達にお願いしようとするのですが、休憩中だったり仕事中で助けてくれません。仕方ない…あの人にお願いするしかない!とまくらのせんにん。

誰を呼ぶのかな?と思ったら、お声をかけたのは、この本を読む『あなた』です!

まさか・・・わたし!?と驚かないでくださいね。

ちゃんとしきさんかけさんが『あなた』のサポートをしますから。『あなた』の手助けが必要なんです。

全体的に温かみを感じるような色合いで、ほのぼのとした空気感を持たせて描いています。

地面の茶色と空のエメラルドグリーン、そしてその間をクリーム色。グラデーションの背景の中に、登場人物が描かれています。

まくらのせんにん、しきさん、かけさんのように、本書そのものから温かさや優しさを感じました。その中に子ども達を楽しませるユニークさや本を逆さにして見るなどの仕掛けを混ぜこんでいます。

「とにかく、子どもたちに楽しんでもらいたい――」という作品づくりの根底にある、かがくいひろしさんのその想いが、たっぷりと詰まった作品だと思いました。

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。