やまねこせんせい おおいそがし
食べるの大好き!な子にピッタリ!今日はやまねこ先生にとってハプニングだらけの一日です。
☆際立った特徴
表紙・裏表紙を1枚めくると、なんとやまねこ先生の一日のルーティーンが漫画調にコマになって描かれています。そのページを見るだけで、優秀で・人気のある先生なんだろうなと感じることが出来ます。困った人がいたら助けてずにはいられない、誘われたらお人好しで断れない、ちょっぴり食いしん坊・・・とっても魅力的なやまねこ先生です。
☆あらすじと書店員の感想
やまねこ先生の往診は速いのが自慢。みみちゃんの所へ急ぎたいのですが、途中で色々とハプニングに合ってしまい、なかなか行けないようです。
お腹が痛いみみちゃんのお家に早く行ってあげたいのに、道端でケガをしているたぬきのポコやブタのブーくんをほっておくことが出来ないやまねこ先生。持っている応急セットで手当してあげています。なんて素敵な先生なんでしょうね!
そして川に落ちたコンタです。それまでもかなり時間が経っていてみみちゃんの家へ早く行かないと!と焦っていたでしょうが、川に落ちたら一大事です‼
助けられたコンタが泣き止まない気持ちも分かりますね。そして家まで送ってあげて早く安心させてあげたいと、先生も思ったのでしょうね。
家まで送ってあげると、お礼にとケーキやシチューをごちそうになって・・・。食べ過ぎでお腹が痛くなったのはやまねこ先生。
「歩けない」と泣く子ども達を家まで送ってあげました。親としたら先生にすごく感謝ですよね。なんとか家にあるものでお礼を伝えたいのが親心です。特にコンタのお父さんは、やまねこ先生が急いでいるといっても座るまで腕を離しません。それだけ息子の命の恩人に感謝しているという事なのでしょう。そんな感謝の気持ちを、出されたものを美味しく食べて”受け取る”のもまたやまねこ先生の優しさです。
もともと食いしん坊だったのかもしれませんが、お腹が痛くなるまで出されたものを食べるやまねこ先生は、やっぱりとても素晴らしい先生だと思いました。
簡単なしかけもあり、楽しみながら読めるし、ハプニングもあって楽しく、最後のオチが面白い作品。
たぬきのポコやブタのブーくんが泣いていた森の中は実は木と木の間がくり抜かれた仕掛けになっていて、誰が泣いているのかなー?と想像して楽しめるようになっています。キツネのコンタが川に落ちる場面では、走っているやまねこ先生が、その落ちる瞬間を見てしまったのを表現しているようです。キツネ君の顔と手が見えるようにページの一部分が切り取られています。
思わず「え!?キツネ君が落ちてるよ!」と読者も貢をめくった瞬間驚く事でしょう!
みみちゃんの家にようやく着いたやまねこ先生。みみちゃんの腹痛は治っていたけど、今度は先生が腹痛で苦しんでいます。美味しい食べ物の食べすぎもあったでしょうが、みみちゃんが無事で安心して、沢山のハプニングで疲れたのが重なってしまったのかもしれませんね。
早く元気になってね★やまねこ先生!
- 作品名:やまねこせんせい おおいそがし
- 著者名:末崎茂樹
- 出版社:ひさかたチャイルド