ノンタンぶらんこのせて

リビング書店の絵本チャンネルで保育士書店員が詳しく解説しています

ブランコをお友達と仲良く乗れますか?公園へ行く前の1冊にピッタリ!みんなで仲良く遊ぼうね☆楽しい魔法の数え歌あり☆

3つのおすすめポイント

  1. ブランコに乗っているノンタン。もっと乗りたいのにお友達が次から次と代わって!と言います。もっともっと乗りたいノンタンは、イジワルをしてしまいます。
  2. 「1から10まで数えたら代わるね!」と約束したノンタン。しかし1から3までしか数えません。お友達はプンプン!実は、ノンタンは3までしか数えられないのです。
  3. みんなで楽しく順番待ちをするにはどうしたらいいかな?みんなで仲良くブランコに交代で乗るにはどうしたらいいかな? 楽しくて素敵な魔法の数え歌あり!

☆際立った特徴

幼い2から4歳程の子どもを描いている〈ノンタンあそぼうシリーズ全22巻〉の中の1冊です。ノンタンがブランコに乗っていると、次から次にお友達がやってきて、代わってと言います。もっと乗りたいノンタンは、「ダメダメ!」と断り、そのうちに欲張って「もっともっと!」と代わろうとしません。ブランコを仲良く順番に乗るにはどうしたら良いかな?一緒に考える絵本です。そして、魔法のように子ども達が楽しく交代できる”数え歌”を紹介しています。乗っているお友達も、数えている順番待ちのお友達も、みんなで楽しい数え歌です♩

ノンタン ぶらんこのせて (ノンタンあそぼうよ①)表紙

☆あらすじと書店員の感想

ブランコに乗っているノンタン。もっと乗りたいのにお友達が次から次と代わって!と言います。もっともっと乗りたいノンタンは、イジワルをしてしまいます。

大きな1本の木にブランコが設置されています。ブランブラン・・・ノンタンが乗っていると、うさぎさんがやってきて「ブランコ乗せてー!」と側に寄ってきました。

でもノンタンはまだまだ乗りたくて『ダメダメ!』と断ります。他のうさぎさんやクマさんが来て「ノンタン代わってよー!」と言ってもノンタンは一向に代わろうとしません。うさぎさん達の表情は何だか不満そう。でも何も言わずにノンタンが代わってくれるのを待っています。その後タヌキさん・ブタさんも、ブランコに乗りたくてやってきました。しかし、ノンタンはまたしても交代せずに乗り続けています。

「ノンタンいい加減にしてー!!」とみんなはいっせいに声を上げました。ノンタンはビックリしたことでしょう。そしてみんなは、「代わってくれないなら、もう遊んであげないんだから!!」と最終手段の言葉をぶつけます。

それじゃあ困るとノンタン。わがまま言いすぎたかな?とちょっぴり反省しつつ、でももう少し乗りたいノンタンは、ある提案をしました。

【1から10まで数えたら代わるね!】

それなら確実に順番を交代してくれるなと分かったみんなは、その提案に乗りました。

「1から10まで数えたら代わるね!」と約束したノンタン。しかし1から3までしか数えません。お友達はプンプン!実は、ノンタンは3までしか数えられないのです。

ノンタンは自分でブランコに乗りながら1・2・3と数えます。しかし『えーっと、1・2・3・・・。えーっと、1・2・3・・・。えーと、えーと・・・』と、10まで数えようとしません。待っていたみんなの顔がどんどん険しくなってきました。きっと、(これは怪しいぞ。ノンタンはわざと3までしか数えていないんじゃないかな・・)と思ったのでしょう。そして

『ノンタンずるいよー!!ちゃんと10まで数えてよ!』と怒りました。

しかし、ノンタンは困ったような恥ずかしい様子で話し始めました。

「実はぼく、3までしか数えられないの・・・」

理由が分かったみんなは、笑顔でノンタンに「それなら数えてあげるよ!」と言いました。

みんなが一緒に数えてくれたら安心ですね。ノンタンはきっと嬉しい気持ちでその後乗れたことでしょう。

きっとイジワルしてブランコに乗っていた時間よりも、みんなが数を数えてくれるこの時間の方が、より楽しい気持ちで遊べたのではないかと思いました。みんなで数えて・順番にブランコに乗っるって、とっても素晴らしい事ですね☆

ノンタン ぶらんこのせて (ノンタンあそぼうよ①)裏表紙

みんなで楽しく順番待ちをするにはどうしたらいいかな?みんなで仲良くブランコに交代で乗るにはどうしたらいいかな? 楽しくて素敵な魔法の数え歌あり!

どうして順番を守らないといけないのでしょうか。どうして交代で遊ばないといけないのでしょうか。考えた事ありますか?

正しい正解は分かりませんが、私は交代した方が、みんなで仲良く遊べるからだと思っています。特に遊具は、1人よりお友達と一緒に遊べた方が、もっと楽しいからです。もちろん1人が好きな子もいれば、大勢が苦手だと思う子もいるでしょう。ムリに大勢の中に入る必要は全くないと思います。しかし、今回の遊具のことで言えば、公共の遊び場・乗り物である限り、やはり【順番に交代で】が楽しく遊ぶためルールとなると思います。

でも、時には自分が最優先になりたい!と思う事もありますよね。

小さければ小さい子ほど、その気持ちは強くあると思います。

そんな時には、順番待ちも楽しいんだと子ども自身が思えると良いですよね!

本書では、「1・2・3…9・10。おまけのおまけのきしゃぽっぽ・・・♩」を紹介しています。

この歌は、遊びの順番を守ったり、お風呂から上がる時によく歌われる歌遊びの1つです。私は、この歌は保育士実習の時に保育園の子ども達から習いました。素直な子ども達は、この歌に合わせて順番を守ったり、交代ができ、まるで魔法のような素敵な歌だと感動しました。しかも面白くてウキウキする歌で、子ども達は誰もこの歌を嫌いませんでした。

この歌は一体なんだろう??と思いながら、その後自分の育児の中で歌ってきましたが・・・まさか本書に描いてあるなんて驚きました!この絵本から、日本中の子ども達に広まった歌なのかもしれないと思った時、とっても感動しました!!

この歌遊びは、自分がブランコに乗っている場合も、待っている側でも、どちらでも楽しくて愉快です。

ノンタンってとっても素直で可愛らしいな。お友達とみんなで仲良くブランコに乗れるようになって良かったな・・・☆と感じるストーリーでした。

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。