パパぺんぎんとたまご
ぺんぎん夫婦のはじめての育児!パパの奮闘にドキドキ…。平和!?な、意外な結末にビックリ!ツッコミたくなりますが、細かいことは気にしません!リラックス育児にピッタリの絵本です。
☆3つのおすすめポイント
- ぺんぎん夫婦の初めての育児が始まります。パパ、大丈夫かな?初めてって何でも大変ですが、パパとママなりに頑張っています。
- 最後の結末にビックリ…。けれど、動物界ではもしかしたら、自然に起こってしまうこともあるのかも…?夫婦仲良く、これから改めて育児のスタートですね。
- はじめてだから、ちょっとの失敗も気にしない、そんな「リラックス育児のすすめ」の絵本。誰でも、失敗しながら学んでいく…。そんな、ちょっと温かく背中を押してくれる絵本です。
☆あらすじ
パパぺんぎんが居眠りしていると、お尻の下にたまごがひとつ、ふたつ、…みっつ!
ママぺんぎんから、たまごを預かってと頼まれます。
まだ生まれていないけれどパパぺんぎんももう立派なパパです!任せなさいと言わんばかりに、たまごを守り始めました。どこに行くにもいつも一緒です。
魚釣りやスキー、会社へ行くときも、運動のときも大切にしています。
しかしあるとき、パパぺんぎんはどうしてもアイスクリームが食べたくなってしまいます。
ちょっとだけ…と思い、少しの間たまごから離れてしまいました。
アイスクリームを買って帰ると、そこにはたまごがありません!たまごの殻がちょこっと残っているだけ。
パパぺんぎんは慌てて探し始めます。釣り場にも、スキー場にもいません。会社や運動場にもおらず、どんどん心配になっていくパパぺんぎん。
しろくまの山の手前に来ました。看板にはペンギン立ち入り禁止のマークがありますが、そのさらに奥にたまごの殻が落ちているのが見えます!
パパぺんぎんは、立入禁止だけれど、かわいい子どものため立入禁止区域に侵入します。
すると、グレーのもこっとした子どもを3人発見しました!良かったー!パパペンギンはホッとします。
けれど、子どもたちはなんだかくちばしが短い…
… けど、気にしない、気にしない、大したことじゃないよ、といって子どもたちを連れて帰ります。
ママぺんぎんのところへ、子どもたちと一緒に帰りました。
ママぺんぎんも、あら、もうたまごからかえっていたのね!とビックリしますが、なんだか、子どもたちの体が薄い気がする… けれど、気にしない、気にしない。私たちの子ども、そんなこと関係ないわ、といったようすで気にしません。
かわいいペンギン夫婦の子どもたち。よく見ると奥にも他の親子が…。
なんだか、しろくまとペンギンのような気もしますが…
気にしない!我が子が一番かわいいですね!みんな元気で大きくなりますように。
☆際立った特徴
優しい雰囲気のパパぺんぎんと、ママぺんぎん。
はじめての子(たまご)守を任されたパパぺんぎんの奮闘を描きます。
ちょっと目を離した間に起こった、とんでもハプニング。人間の世界ではあまりありえないかもしれませんが、動物の世界ではいろいろあるかもしれません。
子どもにも個性があるから、ちょっと違ったって気にしない、という夫婦の反応に、おおらかな気持ちにもなれます。
意外な結末に、お子さんもきっとビックリ、このあとどうなるの!?と想像が膨らみます。
☆書店員の感想
●パパぺんぎんの初めての育児が始まります。パパ、大丈夫かな?初めてって何でも大変ですが、パパとママなりに頑張っています。
居眠りしているパパぺんぎん。赤いニット帽を被ってちょっとオシャレです。
目が覚めると、たまごが3つありました。パパぺんぎんがパパになり、ママもママになるのですね。大切な我が子、どこへ行くにもいつも一緒です。
赤い布にくるんで出かけたり、魚釣りをするときにはたまごも一緒に釣りをさせています。たまご、池に落ちないかな!?と気になったりもしますが、一緒に釣りをしているすがたはもう親子そのものに感じます。
スキーのときはお腹にたまごをのせて滑っていて、見ていてちょっとドキドキ…!会社ではみんなくっついて寝ているのでしょうか…満員電車?とも思いましたが、きっと仕事の合間なのでしょうね。(笑)たまごもゆっくりしています。
運動のときはダンベルにたまごをのせて、たまごでお手玉みたいに遊んでいるパパの姿も。決して落としたりしません!と宣言していますが、ちょっと見ているこちらがハラハラしてきて、頑張れと応援したくなります。
しかしある日。アイスクリームへの食欲に負けてしまったパパぺんぎん。ちょっとの間、目を離してしまいます。美味しそうなアイスクリームを持って帰ってきますが、そこにはたまごも赤ちゃんの姿もなくなってしまっていたのでした。これはとんでもない大ヒヤリ!!ですね。
猛省するお父さん。けれど、そんな場合じゃない!必死に捜し始めます。
危険で立ち入り禁止の場所にも、体を張って立ち入ります。愛する子どものため、奮闘するお父さん。やっと子どもを見つけます。発見できて、一安心・・・と、思いきや、意外な展開を迎えます。
●最後の結末にビックリ…。けれど、動物界ではもしかしたら、自然に起こってしまうこともあるのかも…?夫婦仲良く、これから改めて育児のスタートですね。
子ども達が見つかりましたが、どう見てもぺんぎんじゃありません。パパもママも自分たちの子だと信じて疑わないかんじですが、これは最後どうなるんだろう…と少し心配になってきます。けれど、自然界では初めて見た生き物を親として認識する本能があるんですよね。きっとこの子ども達が初めて会ったのがパパぺんぎんだったのでしょう。みんな上手にパパについていきます。ママも、ちょっと見た目が違うからって、そんなことは気にしません。いろんな子がいますからね。違いも個性として受け入れる、そんな寛大な心と考え方があると、伸びやかに育児を行えるのかもしれないようにも感じました。
また、最後のページではママぺんぎんのあとに子ども達がついていくシーンなのですが、その奥でしろくまの親が、ぺんぎんの子ども達を連れて歩いています。どちらが先か分かりませんが、ぺんぎんの子ども達もしろくまを親だと認識してついていっているようです。そして、しろくまもぺんぎんのことを我が子だと信じ切っているようで、しろくまを先頭にぺんぎんの子どもたちが並んで歩いています。子どもが入れ替わってしまいました。なんとも不思議な結末ですが、みんな信じ切っているので、本人たちはきっと不思議には思っていないんでしょうね。
子ども達が大きくなったらお互いにビックリしてしまうのかもしれませんが、ここも持ち前の「そんなの気にしない」というかんじで育児をしていくのかなと思いました。
●はじめてだから、ちょっとの失敗も気にしない、そんな「リラックス育児のすすめ」の絵本。誰でも、失敗しながら学んでいく…。そんな、ちょっと温かく背中を押してくれる絵本です。
私も、ちょっと目を離したスキに・・・!!ということは、大なり小なりありました。今も気を抜けませんが。長男がショッピングモールで迷子になったこともありました。家ではいたずらされるし、子どもと一緒に生活していると、気が休まる時がありませんね。なので、パパぺんぎんがちょっとアイスクリームを食べたい、と思う気持ち、わかります。まさかそのタイミングで孵化してしまうとは思わなかったのでしょうね。けれど、子育てって本当にまさかの連続です…。反省することもいろいろありました。けれどそうやって経験していくうちに、だんだん親になっていくのかなぁ、と思うこともあります。
失敗して当たり前、子どものことで謝って、自分のことでも謝って…日々、そんな繰り返しです。(笑)けれど、子どもが笑顔で毎日過ごせていたら万々歳だなとも思います。
この絵本のホームページにも、リラックス育児のすすめの絵本と書かれています。はじめての育児、パパもママも1年生。右も左も分からないことだらけだから、失敗したって大丈夫、肩の力を抜いて育児していきましょう、というメッセージが込められた絵本だそうです。また、子育てはママだけじゃなくパパも積極的に参加しようというメッセージも込められているようにも感じました。ちょっと目を離してしまったパパだけど、いつも大切に一緒に過ごし、いつも子ども達のことを考えているパパ。本当の子ども達と過ごせないのはちょっとさみしいなと個人的には少し思いましたが、このお話はどうなっていくんだろう、子ども達が成長していったらどうなっていくんだろう…とつい気になってしまうラストでした。
新米パパママに贈る、ビックリ衝撃ストーリー。さらに絵が可愛く、どのシーンも楽しめますので、意外なラストも含めお子さんと一緒に楽しめる内容の絵本です。
- 作品名:パパぺんぎんとたまご
- 著者名:作/フランス・クアトロム 絵/ザビエル・ブロンガード 訳/木坂涼
- 出版社:マイクロマガジン社