いろいろやさい とこやさん

いろいろやさい とこやさん表紙

野菜嫌いな子にピッタリ!大きく育った野菜が床屋さんでカットします。仕上がりはいかが?そしてお料理もしますよ!野菜達の可愛らしさや親しみを感じます。

☆3つのおすすめポイント

  1. 野菜達が床屋さんへやってきました。もっさりした頭をカットしたり、長く伸びて重たい頭をカット。スッキリさっぱりした野菜達は、どれも生き生きとした表情です!
  2. カットした部分を使って料理をします。どの野菜も美味しそう!そして、「食べて!食べて!」と野菜達は喜びます。その可愛らしさに興味が出て、食べたくなります。
  3. どんなふうに野菜の下ごしらえをすればいいのかな?とお料理に興味が湧きます。お手伝いをしたくなります。一緒にお料理すると楽しいし良い食育になります!

☆際立った特徴

山岡ひかるさんの作風「はり絵」おいしそうな絵は、カッター1本で切り抜いていくという、気の遠くなるような作業によって生み出されています。

とうもろこしの粒を取った時の凸凹した部分を透けさせたり、フサフサしたヒゲ感を異質な紙の素材で合わせたり、色んな食材が組み合わされているスープを立体感で表現したり、様々な工夫があり、絵としての面白味をとても感じます。

野菜達には目口手足が描かれていて擬人化しているのですが、野菜を料理用にカットするのではなく、床屋さんで髪を切ってもらうと例えている所が、何だか不思議で、ユーモアがあります。

さらに出来上がったお料理がどれも美味しそうです。カットされた野菜達が「召し上がれ!」と言っているようで、さらに「僕を食べてくれてとても嬉しいよ」って喜んでいる様に見えます。なんだかその笑顔を見るだけでハッピーな気持ちになり、今まで苦手な物だとしても、興味が出て、食べてみたいなって気持ちにさせてくれます。

☆あらすじと書店員の感想

カットした部分を使って料理をします。どの野菜も美味しそう!そして、「食べて!食べて!」と野菜達は喜びます。その可愛らしさに興味が出て、食べたくなります。

伸びに伸びたもっさりしたブロッコリー、しっかり成長していて美味しそうですね!そこまで伸びたら、床屋さんでカットです。「ちょっきん ちょき」という音が、なんだが木を切っているような音ですが、そこまで立派に育ったという証拠ですね。そしてそんなブロッコリーを料理します。茹でたぷりぷりのエビと柔らかくなったブロッコリーを混ぜ合わせて出来上がったサラダ、ブロッコリーさんも自慢げに腕を組んで「ぜひ食べてみてよ!」と言わんばかりの表情です。

次に登場したとうもろこしさんは、ブツブツした体も長く伸びた頭のひげも気になっています。どうしたらいいか自分では分からないけど、なんとかして下さい!お任せします!と床屋さんにお願いしました。そして、カットされるのですが、登場シーンとカットされた後では表情が一変しています。なんだか困ったようなモジモジした表情から、自信に満ち溢れて若々しさまで感じさせる表情になりました。

「はースッキリした!」と満足したとうもろこしを使った料理は、コーンスープです。甘くて温かいスープはきっとこのとうもろこしの自慢の一品なのでしょうね!「甘くて美味しいわよ!どうぞ、召し上がれ!」そんな風に声が聞こえてきそうです。

その次の長ネギも、トマトも、キャベツも、みんなカットされ、それを使った料理を見せてくれるのですが、みんな嬉しそうです。

私は、体が軽くなった事とカットした部分を使って料理をして、みんなに食べて喜んでもらえる!という野菜達の喜びを感じてました。なんだか「食べて!食べて!」と嬉しそうに読者に話しかけているようです。

もしかしたら本書を読んだ子ども達の中には野菜が苦手な子もいると思いますが、本書を読んでいると親しみが生まれて、だんだん興味がわくのではないかと思いました。苦手だけどなんだか食べてみたいような・・・と少しずつ思えるような。

いろいろやさい とこやさん裏表紙

どんなふうに野菜の下ごしらえをすればいいのかな?とお料理に興味が湧きます。お手伝いをしたくなります。一緒にお料理すると楽しいし良い食育になります!

ミニトマトのヘタをプチンと取るだけで、お手伝いになりますね。キャベツの外側の1~2枚をはいでくれるだけで、お母さんは大助かりです。本書のストーリーで描く”床屋さんで頭をカットする”という事は、実際の料理で言う”下ごしらえ”の作業と言えると思います。本書を読んでいると、ママのお手伝いをしたい気持ちになります。ぜひ、出来る範囲でお手伝いをしてもらいたいものだなと思います。

(ただ、ママの気持ちに余裕がある時がベストなお手伝いチャンスなので、それまでは絵本の中で予習してもらって・・・。)

野菜を見てまずは知ること、そして実際に野菜を手に持って触れてみたり、料理のお手伝いをする事って食育に繋がると思います。

偉そうな事を言いましたが、うちの娘はほとんど野菜を食べません・・・離乳食から全く口をつけない子でした。上の二人はそんな事がなかったので、苦労しました・・・。もうすぐ4歳になりますが、食べれる野菜は少ないです。それでも野菜の登場する絵本や図鑑は大好きです。名前もよく覚えています。焦らずに、いつか好きになればいいかなと長い目で見守ることにしています。そんな娘のように。野菜って少し苦みがあったり酸っぱみがあって苦手だなって思って食べない子って多いと思います。でも、絵本や図鑑などで野菜を知ったり興味を持つことって、いつか好きになって食べれるようになる第一歩だと私は思います。

本書の野菜は、みんな笑顔で可愛いしぐさを見せてくれます。とっても親しみやすいと思います。

野菜って苦手だなって思っている子に、ぜひオススメしたいと思います。

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。