ぐりとぐらとすみれちゃん

冒険が好きな子・お料理が好きな子にピッタリ!大きなスミレかぼちゃをどうやって割ったのかな?!美味しいかぼちゃ料理を囲んでピクニックを楽しみますよ★

☆3つのおすすめポイント

  1. かぼちゃを割ろうとするすみれちゃん。地面に落として割ろうとするのですが、なかなか割れません。思いっきり力を込めたら空高く跳ねあがったかぼちゃ。それを見た動物達が集まりますよ。
  2. 畑仕事を頑張り、野菜を育てているぐりとぐらの様子や、食事をキレイに全部食べる姿は、食べ物のありがたみや、大切さを伝えます。
  3. 真っ白い背景の中に登場人物や周りの草木など描かれています。小さな子でも気持ちが散らないように、登場人物達にピンポイントで目が行きやすいように工夫されたデザインです。
ぐりとぐらとすみれちゃん 表紙

☆あらすじ

のねずみのぐりとぐらは朝起きると、二羽の畑に行きました。

ふたりはにんじんといんげんを育てていて、それぞれが大きく育つように世話もします。

ぐりとぐらは一仕事をした後に、朝ごはんの支度をはじめました。

今日の朝ご飯はにんじんの葉っぱが沢山入ったオムレツです。

「僕たちの畑は大したもんだね。もう立派なお百姓さんだね。」と話します。

そして、「今度はほくほくの甘いかぼちゃを育てよう!」とはりきりました。

食後ぐりとぐらはさっそくかぼちゃについて調べていました。すると玄関を叩く音がします。

『こんにちは。甘くてほくほくのかぼちゃですよー』と、可愛い声がします。

玄関を開けると、女の子が大きく膨らんだリュックサックをしょった女の子が立っていました。女の子の名前はすみれちゃん。ずーっと向こうのかぼちゃ畑から来たと言います。

沢山歩いてきたというすみれちゃんにぐりとぐらは、水と汗拭きのタオルも持ってきました。

「ありがとう」とすみれちゃんは言うと、リュックサックからよいしょ!と大きなかぼちゃを出しました。

ぐりとぐらは目を丸くして驚きました。そして、とても喜びました。

二人は撫でたり、さすったり、叩いたり、匂いを嗅いで何の種類なのか調べます。そして、

『わかった!!これは世界に一つしかないスミレかぼちゃだ!』と言いました。

すみれちゃんは、「あたり!」と言いました。

それにしても大きなスミレかぼちゃ。とても固くて包丁でもノコギリでも、切ることが出来ません。

そこですみれちゃんは、いつもお母さんがやっている方法をやってみる事にしました。うーんと持ち上げて、「えいっ!」と地面に落とします。

しかし、何度やってもなかなか割れません。

そこですみれちゃんは、足を踏ん張って、かぼちゃを力いっぱい落としました。するとスミレかぼちゃは、落ちた拍子に高く跳ね上がりました。すると跳ね上がって落ちた拍子にピーンとかぼちゃにヒビが入り、半分に割れました。

パチパチパチと、森の動物達から拍手がおこりました。空に飛びあがったかぼちゃを見て、集まって来たのです。

さあ、かぼちゃのお料理会の始まりです。

出来上がったのは、かぼちゃの煮物におやき、プリン・かりんとう・コロッケ・ドーナツ・蒸しパン・せんべいです。

どれも美味しくてたまりません。みんなはお腹がいっぱいになる程、沢山食べて夕方にはすっかりなくなってしまいました。

すみれちゃんは空になったリュックサックをしょって「さようなら!」と帰って行きました。ぐりとぐらは、畑にスミレかぼちゃの種を蒔きました。

☆際立った特徴

子ども達に愛され続けている、大人気の「ぐりとぐら」シリーズの1冊です。20㎝×27㎝の横長の絵本です。

真っ白い背景の中に登場人物や周りの草木などが描かれている所が、ぐりとぐらの特徴的な部分です。背景に多くの情報を描かない事で、お話の本筋部分をしっかり伝えることが出来るように工夫されたデザインです。

背景に多くの情報が描かれていない分、自分で景色を想像をしながら読むことで、さらにお話を楽しむことが出来ます。

福音館書店 特集ページ (ぐりとぐらの誕生秘話やシリーズの登場人物・塗り絵ページもあります♪)

☆書店員の感想

かぼちゃを割ろうとするすみれちゃん。地面に落として割ろうとするのですが、なかなか割れません。思いっきり力を込めたら空高く跳ねあがったかぼちゃ。それを見た動物達が集まりますよ。

本書の1番のポイント!かぼちゃを割るシーンですが、かぼちゃを地面に落として割る方法は、「えっ!?落としちゃうの?」と大胆でユニークすぎる方法で驚くのですが、スミレかぼちゃを割るには、ぐりとぐらでは力が足りないし、すみれちゃんはまだ幼い女の子。一見食べ物を大切にしてないのでは?と思ってしまうシーンではありましたが、実はそうではありませんでした。

すみれちゃんは、お母さんの割っていた方法を思い出し、地面に落として割ろうとします。お母さんから教わった方法だったのです。大きくて固いから、この方法が1番良い方法という事なのでしょうね。

なかなか割れないかぼちゃを「よし、こんどこそ!」と力いっぱい落としました。そしてその反動で、高く跳ね上がって地面に落ち、ようやく割ることが出来ました。しかもその跳ね上がったかぼちゃを見た動物達が集まって来ましたよ。

なんだかさらにワイワイと、楽しい時間が始まるような予感がしてきませんか?

美味しそうなかぼちゃと、沢山の集まった友達とで、クッキングが始まります♩

ぐりとぐらとすみれちゃん 裏表紙

畑仕事を頑張り、野菜を育てているぐりとぐらの様子や、食事をキレイに全部食べる姿は、食べ物のありがたみや、大切さを伝えます。

ぐりとぐらは、朝起きてすぐの畑仕事を日課にしています。そして作った野菜を無駄にしないように大切に調理して美味しく食べます。そして話の後半ではスミレかぼちゃを使って数々の料理を作り、みんなでワイワイお話しながら食べました。夕方までゆっくりとピクニックは続き、帰る頃には、全てキレイに食べ終わり、みんなのお腹はいっぱいになりました。そして、持ち帰ったスミレかぼちゃの種をぐりとぐらは畑に持ち帰り、植えました。

種を植えれば、また芽が出て、大きく育って、みんなでまた美味しい料理を食べることが出来ますね。

食べ物に感謝すること。そして無駄なく全てを大切に頂く事の素晴らしさを感じるお話でした。

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。