おとうさん!おとうさん!

親子のふれあいタイムにピッタリな遊びが満載!様々なポップで紙が重なって楽しい雰囲気が溢れだしています♩

☆際立った特徴

  • お父さんが娘に「こうなって!」と言われたものに(なったつもり)変身!
  • ワニ・馬・キリン・滑り台・ブランコ・飛行機になって、ふれあい遊び。
  • お父さんと子どもの遊び時間がテーマの絵本。
  • 色を作った後に切り取って貼り付け。他にも様々な異質の紙をコラージュ。ポップで明るく立体的なデザイン。

※コラージュとは

通常の描画法によってではなく、ありとあらゆる性質とロジックのばらばらの素材(新聞の切り抜き、壁紙、書類、雑多な物体など)を組み合わせることで、例えば壁画のような造形作品を構成する芸術的な創作技法。

おとうさん!おとうさん! 表紙

☆読み聞かせのポイント

  • 同じように遊んじゃいましょう!お父さんだけじゃなくて、お母さんもおじいちゃんおばあちゃんもしてあげれる遊びもありますよ!体を壊さないようにだけは注意!!
  • 様々な素材を重ねて1つの絵にしています。よく見て見てください!工作のヒントになるかもしれませんよ。
  • 疲れたら一緒にゴローンタイムもふれあい遊びの1つです!!そんな時間も子ども達は大好きですよ。

☆あらすじ

「おとうさんおとうさん!ワニになって!」

「今度はお馬さんになって!」

女の子がお父さんの背中に乗って、可愛いお願い。

お父さんは「いいよ!遊ぼうか!」と、ワニみたいにゴロンと寝そべって体を回転!

馬みたいに四つん這いになって「パッパカパッパカ」

キリンになって女の子をおんぶ。高い所にある物だって取れちゃうよ!

お父さんの肩からスルルーと滑り台がしたくなった女の子は、

「滑り台がやりたいな!滑っていい?」

お父さんはもちろん「いいよ!」

その後は両腕を持って、女の子が体を揺らしてブランコ。

最後は飛行機だぞー!と肩車。

速い速い!世界中を旅しているみたい。

「そろそろ着陸だよー!」あー楽しかったね。一緒にお昼寝しよう★

お父さん、ありがとう!大好きだよ!

☆書店員の感想

お父さんと女の子のダイナミックなふれあい遊びを描いています。「あれもして!これもして!」お父さんと楽しい遊び時間。二人はノビノビとノリノリで遊びます!

お父さんと言えばダイナミック遊び!!最初の「おとうさん!おとうさん!」とお父さんを呼んでいる姿を描いている目次ページを見ただけで、「今日はいっぱいお父さんに遊んでもらうぞー!」と女の子からワクワクした気持ちが伝わってきます。

お父さんもすぐに「いいよ!」と返事をし、遊び開始です!その時のお父さんの表情を見ると、もしかしてお父さんの方が「まだかなー?」と待っていたのかも?と思ってしまいました。楽しい楽しい遊びが繰り広げられた後は、二人とも疲れてお昼寝です♩

二人はきっと川の字で寝ながら幸せだなーと感じている事でしょう★

ラストシーンで「お父さん、大好きだよ!」と、寝ている女の子の心の声が聞こえてきます。

きっと昨日より、さっきより、今の方がもーっと、大好き!!という事なんでしょうね。

色の使い方・描き方・重ね方に注目!親子の楽しさを最大に引き立たせる作風です。

表紙を見てください!よくみると女の子もお父さんも、色を塗った紙をカットして重ねてパーツを作ってあるように見えますね。洋服は本物の布をカットして貼ってあるようです。

これは、コラージュと言う技法で、ありとあらゆる性質とロジックのばらばらの素材(新聞の切り抜き、壁紙、書類、雑多な物体など)を組み合わせることで、作品を構成する芸術的な創作技法なんだそうです。

パッと見では見過ごしてしまうような、細かな場所にも作者ミスミヨシコさんのこだわりが見えてきます。

中は表紙よりも、もっと様々な組み合わせを見ることが出来ます。例えば外国の地図が使われていたり、靴下部分は本物の靴下を使ったんじゃないか!?と勘違いしちゃうようなニット生地のプリントが使われています。メガネの奥・ブランコのチェーンまで、こだわり抜かれた模様です。

しかし、注目していないと見過ごしてしまうかもしれません。それほど自然なんです!!

様々な素材の組み合わせでありながら、何一つゴチャゴチャしておらず、絵に一体感があります。

私は、全体からHAPPYが溢れ出ているように感じたし、読者を家族の愛情で包み込むような、そんなパワーがある絵だと思いました。

おとうさん!おとうさん! 裏表紙

短い言葉のやり取りの中から、愛情が伝わってきます!

本書の注目ポイントの一つに、女の子の話し言葉があります。例えば寝ているお父さんの背中によじ登った女の子が甘えた様子で「おとうさん。ワニなのね。」と言います。これは、「あなたはワニさんだったのね」という、お父さんをワニに見立てた表現にも聞こえるし、「お父さんワニさんしてよ。」と言っているようにも聞こえます。

この後も「おんまなのね」「滑り台なのね」とお父さんに甘える女の子。もしかしたら女の子は、まだ言葉が未熟な2歳頃の子なのかもしれませんね。

そんな女の子の言いたいことがすぐに分かっちゃうお父さん。「いいよ!」と女の子のリクエストに次から次に応えます。

甘えられる存在のお父さん。どんどんリクエストをして「もっともっと!」と嬉しい表情の女の子。読み進めるごとに親子の愛情を感じますよ。

※お母さん・おばあちゃんおじいちゃんにもおススメの遊び方です。本書の遊びを参考に自分風にアレンジしても◎だと思います。

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。