1から100までのえほん
1から100までの数を覚える練習にピッタリ!元気な絵と数えやすい配色で楽しく数が学べます。
☆3つのおすすめポイント
- 1から100までの数字がストーリーの中に組み込まれている楽しい展開です。文章もテンポよく、読み進めやすい。
- 大きい絵本には理由があります。なんと言っても、絵の細かさ!80、90、100個だってちゃんと描かれています。きれいに色分けされていて色鮮やか。圧巻ですよ。
- 数を数える練習にぴったり。数が大きくなっても数えやすい工夫がされています。
☆あらすじ
スタートは、まず1匹のコアラから。もう1匹増えて、2匹でヨットに乗ります。さらに増え、亀も増え…ヨットには7匹、超満員です。
そんなに乗って大丈夫…!?
わー、波をかぶって沈没です!ヘリコプター、救急車に運ばれて、病院へ。コアラと亀は、病院で入院することになりました。
その後、入院したコアラと亀のところへ、つぎつぎとお見舞いにやって来る動物たち。タコやリス、青虫、鳥も来てくれました。
外へ散歩にでたコアラたち。空からねずみがスカイダイビングしてきたり、70匹のカエルがいたり、楽しそうです。
コアラと亀もいよいよ退院します。最後に100の数字で迎えてくれたのは誰でしょう。数え甲斐がありますよ。

☆際立ったポイント
この本は、「戸田デザインの美しい知育絵本」シリーズです。
本の大きさが、縦30㎝×横26.5㎝で他の本と比べて大きめです。テーブルなどにおいて、1ページずつじっくり読むのに適しています。
大きく、広いページ1枚1枚には、だんだんと増える数に合わせて登場する動物や植物が、細かく描かれています。色も数えやすく塗り分けされているので、大きい数でもごちゃごちゃせず美しく見え、数えやすいです。
子どもが好きな動物、生き物、植物がかわいいイラストで描かれ、お話の進むテンポもリズミカルで面白く、つぎつぎと読み進められます。
☆書店員の感想
●1から100までの数字がストーリーの中に組み込まれ、お話の展開が楽しい!文章もテンポよく、読み進めやすい。
コアラが1匹いました。つぎにコアラが2匹になり、一緒にヨットに乗り海で遊びます。
楽しい時間はあっという間、3、4、5匹…とつぎつぎとコアラと亀が増えると、いよいよヨットが沈没してしまいました!
コアラと亀は救急車で病院に搬送されます。全部で7匹だけど、12台の救急車、ちょっと多いかな?何台多いか数えてみてもいいですね。みんな入院することになってしましました。
病院のベッドで寝ている7匹。看護婦さんやお医者さんも登場です。
コアラと亀のところにたくさんのお見舞い客が来てくれました。
花束を持った16匹のタコや、ボールを鼻に乗せた17頭のオットセイ…。動物や生き物が出てきますが、それ単体ではなく、何か手に持っている、何かプラスアルファーがあるので、絵の美しさ、細かさが増しています。
いよいよ退院です。楽しみがいっぱいですね。
コアラたちの楽しみは尽きることはなさそうです。
コアラたちの日に日に元気になっていくようす、看護婦さんたちの懸命な看護の表情、見守ってくれている太陽…。どの絵もユーモアに溢れ、水彩画で細かく色分けし塗られています。お話に沿った風景の絵も、90や100描かれているキャラクターの絵を引き立たせているような、でも脇役になりすぎないふんわりとした優しく温かい絵や背景に、お話の世界にワクワク入っていってしまいます。
文章も声に出して読んでみるとテンポが良く、つぎつぎ読み進められます。
●大きい絵本。それには理由があります。なんと言っても、絵の細かさ!80、90、100の生き物だって一つずつちゃんと描かれています。
本の大きさは縦30㎝×横26.5㎝で、よくある絵本より大きめです。その分たくさんのキャラクターが描かれています。細かいところまで見応え充分ですので、テーブルなどに置いてじっくりと読み、絵を見たり、数を数えたり…と活用できます。
はじめは1からですが、だんだんと10…20…30…、と数字が増えていきます。その数字に合わせて、20なら20匹というように生き物が描かれます。
1〜7までは、コアラや亀が1匹ずつ増えるのと一緒に、まわりにいるカニや海の生き物、うしろの島の木も一緒に増えているので、そこにも注目です。細かいところまで、丹念に描かれています。
とても細かく、たくさんの生き物が描かれているのですが、一つ一つの表情が丁寧に描かれていて、同じものは二つとしてありません。「19」のリスたちも元気に動き回っていますし、「20」の鳥の群れもさくらんぼをくわえて、地面の緑との組み合わせがきれいです。
「70」のカエルは、飛び込むカエル、上に向かって飛ぶカエル、水で遊ぶカエル、葉っぱの上で寝そべるカエルなど…、同じようで同じじゃないカエルたち。1匹ずつカエルをじっくり見たくなるような、個性や愛嬌を感じました。
「80」のときは、コアラたちは退院後の夢を膨らませています。80個の楽しみが浮かんでいて、子どもの夢が詰まっているようで、うきうきさせてくれます。
また、「90」のトンボたちのお行儀のいいこと。こんなにたくさんのトンボの行列が空に飛んでいたら、夢中で追いかけてしまいそうです。
たくさん数はありますが、どのページも隅のほうまで、すべて手書きで描かれているので、どこを見ても、この本の温かみを感じ見飽きません。
最後に、「100」です。「100」は、なんと海の生き物たち。沈んでゆく太陽が海を染める中、紫や赤の魚、イカやヒラメがおうちへ帰ろうとしています。退院した亀も魚たちと一緒に海へ帰っていきます。
色様々、とってもにぎやかな海で、圧倒されます。100匹描くのって、どれだけ根気がいるんだろうな…と感じました。(笑)

●数を数える練習にぴったり。数が大きくなっても数えやすい工夫がされています。
長男はこの絵本が大好きで、数字がまだ全然分からない2歳頃から毎日読んでと言い、夫と交代で夜に読み聞かせをしていました。
3歳になり、だんだんと数が理解できてくると、表紙の裏に描いてある、1から10階建てのビルのイラストを、飽きずに数えて楽しんでいました。
1は平屋。2は2階建て、3は3階建て…と増えていき、ビルごとに違う動物が入っています。縦長ビルがまるで算数セットのブロックのようです。数の増え方を目で見て、自然と学ぶことができます。
ページをめくるごとに数字が増えていきます。
「13」のページはベッドの並ぶ病室です。1から5のベッドが赤、6から10のベッドが青、残りの3つのベッドは緑と、5個の単位で色分けされていて、数のまとまりの理解に繋がります。
「50」のページはお花畑です。花壇に10ずつ花が咲いています。十の足し算にも使えますし、掛け算にも応用できそうですので、小学生になるまで長く活用できそうです。
1から100まで、子どもたちが喜んで数えたくなるアイテムが、続々と現れます。
読んでいくうちに、どんどん新たな発見があるでしょう。読めば読むほど発見、数字に強くなる知育絵本のように感じました。
これを読んだおかげなのかわかりませんが、長男は算数が好きだと言っております。(2年生なので、まだまだこれからですが…)
かわいいイラストと美しい色使い、楽しいテンポのお話で、数を楽しく学べる、数字が好きになる絵本です。
- 作品名:1から100までのえほん
- 著者名:たむら たいへい
- 出版社:戸田デザイン研究所

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