あいうえおのうみで

あいうえおのうみで 表紙

文字に興味を持ち始めた子、これから始める子にもピッタリ!楽しいお話に沿った内容が、あいうえお順で進んで行きます。リズミカルに楽しい絵本です。

☆3つのおすすめポイント

  1. ポチを追いかけるこうたの、夏の思い出の1日がぎゅっとつまっています。お話に出てくる登場人物たちは生き生きとしていて、見ているこちらまで元気になってきます。
  2. お父さんとお母さんと、はぐれてしまいましたが、無事に目的地にたどり着くことができるでしょうか?こうたの夏の大冒険が始まります。
  3. お話の内容に沿って、五十音順に始まる文章で話が進みます。うまく考えられているなぁ…と、子どもだけではなく、大人も楽しめます。

☆あらすじ

お父さん、お母さん、こうた、赤ちゃんと子犬のポチ。4人と1匹で電車に乗ってお出かけです。どこに向かうのでしょうか。

駅に着くなり、ポチが逃げ出してしまいました。赤ちゃんは泣き出しています。こうたは必死でポチを追いかけます。

そのうちに、川に着きました。カブトムシを見ていると、こうたが履いていたサンダルが川に流されてしまいました。

かたっぽがないまま、さらにポチを追いかけます。

雨が降ってきましたが、上がると虹が出てきて、その下にはぬれた猫が。

さらに追いかけていくと、川からこうたのサンダルに乗ったカエルが流れていました。

声をかけ、犬も吠えると、カエルはサンダルを返してくれ、川を泳いで行きました。そのあとは三つ子の女の子に会ったり、道端でヤギに会ったり…。

こうたはポチを、無事に捕まえられたのでしょうか。

お父さんとお母さん、赤ちゃんに会えたのでしょうか…。

いろんなハプニングが続き、テンポよく面白いお話が進んでいきます。

☆際立った特徴

お父さん、お母さん、こうた、赤ちゃんの4人家族と子犬が、電車の窓に映っている表紙から始まります。

一緒に来ていた子犬のポチが逃げ出し、さぁ大変!

捕まえて、目的地につくまでのストーリーがあいうえお、の五十音順になっていて、文字を覚え始めた子も、これからという子も文字に楽しく触れながら、お話を楽しむことができます。

お話に出てくる人や生き物たちには、生き生きとした躍動感があり、ページをめくるたびに、数多くの出会いがあってどんどん読み進めたくなります。

表紙の裏が地図になっているので、こうたが辿った道をなぞってみることができます。

☆書店員の感想

●ポチをおいかけるこうたの、夏の思い出の1日がぎゅっとつまっています。お話に出てくる登場人物たちも生き生きとしていて、見ているこちらまで元気になってきます。

夏の暑く、天気のいい日に、こうたは家族で電車に乗ってでかけます。

お出かけってわくわくしますね。表紙のお母さんは日頃の疲れからか眠ってしまっていますが、子どもたちは元気いっぱい、子犬のポチも一緒にワクワクした顔で車窓を眺めています。

駅につきました。駅についた途端、ポチがかごから飛び出しました。

ポチはその勢いのまま、駅にいた大きなブルドッグに体当たりをしてしまいます!

びっくりして、面白い顔になってしまったブルドッグ。ポチに体当たりされ、びっくりして変顔、大きい体がぴょ〜んと投げ出されていてインパクトがあります。飼い主と犬は怒ってしまい、お父さんとお母さんは謝っています。赤ちゃんは大泣きでてんてこまい…

そんな騒動の中、こうたはポチを追いかけて駅から走り出しました。

ポチはどんどん走っていきます。

川にたどり着き、真ん中でカブトムシとクワガタが喧嘩をしています。男の子にとってはたまらない、夏の光景かもしれませんね。どっちが勝つでしょうか…!

捕まえようとしたこうたは、サンダルが片足脱げて、サンダルはそのまま川に流されてしまいました。

木の棒で取ろうとしますが、なかなか取れません。

そのまま桟橋で一休み。しましまの赤い水着を着た男の人たちが、同じ姿勢で桟橋をせっせと掃除しています。向かい側の桟橋には、黄緑色の水着を着た男の人3人が、厳しい表情で何か大物の海の生き物を釣り上げようと必死です。同じ水着に同じ姿勢の男の人達の印象がかなり強く、見入ってしまいました。(笑)

そのうちに雨が降り、虹が出てきました。

今度はぬれた猫がいました。魚をくわえて、絶対離さないぞ!という険しい表情です。雨にぬれて、しずくが滴り落ちています。

ポチが吠えると猫はそのまま逃げていきましたが、川沿いを走っていくと、川になにかが流れてきました。

よく見ると、なんと花柄のカエルが、こうたのサンダルに帆を張って、優雅に川下りをしているではありませんか!帆はお菓子の空袋、小枝を刺してうまくくっつけています。

花柄のカエルは実際には存在しなさそうですが、いたら可愛いかもしれないと思いました。

おでこに手をやり遠くを見つめ、人間さながらです。

ポチが吠えるとカエルは川へ飛び込み、サンダルは無事取り戻すことが出来ました。

今度は森の中で、迷子の三つ子に出会いました。同じ髪型に、ピンク・黄色・水色の色違いのワンピースを着て、手をつないで困った顔をしながら、3人ともバラバラの方向を見て迷っています。地面に小石などで目印はありますが、女の子の破れたポケットからこぼれ出た小石や、カラスが並べた小石や枝でむちゃくちゃになってしまっています。

こうたはうまく見つけ出したようで、三つ子と一緒に森から脱出しました。

●お父さんとお母さんとはぐれてしまいましたが、無事に目的地にたどり着くことができるでしょうか?こうたの夏の大冒険が続きます。

こうたはポチに追いつき、一緒に進み続けます。

お母さんたちとは、はぐれたままなので、きっと心配で探し回っているでしょう。

さっきの森から出ると、今度はなんと、ヤギの郵便配達員さんに出会います。ヤギが上手に民家に郵便物を配達しているようです。

原っぱでは、今度は青の水着を着た男の人6人が、ラインダンスをして面白い風景です。どこで披露するための練習だろう…?と気になってしまいます。しかしヤギは気に留めず、その横もスルリと通り抜けます。

そして、ヤギの郵便屋さんは、次にこうたのおじいちゃん家に配達をします。

こうたもおじいちゃんの姿が見えて声をかけます。

するとヤギは、こうたの手紙に貼ってあった押し花の匂いにつられて、はがきを1口食べてしまいました!

おじいちゃんはびっくり!!ですが、こうたたちが無事にやってきて、安心・嬉しい表情で、ヤギをなでてあげます。

ちょうどそのとき、お父さんとお母さんも到着しました。

こうたとポチがいなくなって必死に探していたよう。大慌てでやってきました。無事見つかって、こうたも無事到着していて良かったですね。お母さんに抱かれる赤ちゃんはハプニングにも動じず、すやすや眠っています…。

●お話の内容に沿って、五十音順に始まる文章でお話が進みます。うまく考えられているなぁ…と、子どもだけではなく、大人も楽しめます。

お話の文章が、あいうえお、の五十音順に、頭文字から始まる言葉遊びになっています。あいうえお、では、「あかいはなの いぬ うみべの えきで おもしろいかお あいうえお」と、言葉の頭文字をあいうえおに揃え、文章にしています。文章自体も全部手書きのようで、ページごとに色が統一されており、ハッキリと書かれているのでとても読みやすい。あいうえお、かきくけこ、…にあたる部分がたてに並んでおり、言葉を覚え始めた子やこれから始めるという子も物語を読みながら文字に馴染めそうです。

絵の縁取りは色鉛筆で、色は水彩画のようです。原色はあまりなく、優しいタッチで塗られています。ハプニング続きの1日のようですが、穏やかな日常を感じます。

描かれている目線も、近くだったり遠く離れてみたりといろんな視点から楽しめ、絵に躍動感があり、見ていて飽きません。

また、表紙、裏表紙の裏にはそれぞれ「あいうえお地図」が書かれています。

あかさたな…と印が順番に書かれているので、こうたがどこに寄ったのかがわかるようになっています。順を追って、ルートを見てみたり、最後のおじいちゃんの家までのルート確認をするのも楽しそうです。

裏表紙のカエルは、新しいサンダルを見つけて、一生懸命によじ登っています。また新たな冒険へ出発、といったようすにも感じます。

夏の日のこうたの大冒険。親からするとドキドキハラハラしますが、我が子にも安全な範囲で思い切って冒険をさせてみたいものです。

こうたにとって、きっといい思い出になったでしょうね。こうたになった気分で冒険を楽しみつつ、リズミカルに文字も覚えられる、とっても楽しめる絵本です。

あいうえおのうみで 裏表紙
にむさん
  • にむさん
  • 現在8歳と3歳の男児の育児に奮闘中です。
    兄が弟に絵本の読み聞かせをしてくれることもあり、そこから学ぶことも多い日々です。
    短大で介護の勉強をし、介護福祉士を持っています。