いろいろおてがみ

いろいろおてがみ 表紙

”お手紙”に興味がでた頃にピッタリ!親子で動物さんのあてっこ遊びを楽しめる絵本です。

☆3つのおすすめポイント

  1. 特徴的なお手紙が届きます。誰から届いたのかな?親子で一緒にあてっこ遊びを楽しむことが出来る絵本です。
  2. お手紙って嬉しい!お手紙大好き!という女の子の気持ちが、よく伝わってきます。本書を読み終わったら、きっとあなたもお手紙が書きたくなりますよ。
  3. 届くお手紙が全部個性的でとっても可愛いです。差出人を当てる時のヒントになっているのですが、1つ1つ心を込めて書いて、送ってくれたんでしょね。(こんな封筒と便箋があったら欲しいです!)

☆あらすじ

はなちゃんはお手紙が大好き。今日も誰かからお手紙くるかなー?とポストを覗きます。

ありました。牛柄の封筒に牛乳シール。誰からかな?

「もーもー うしのもうた君でした。」

またポストを覗きます。すると今度は白黒のしましま模様ににんじんのシール。誰からかな?

「おんおん しまうまのしまお君でした。」

また届きます。白いもこもこフワフワの便箋に毛糸のシール。誰からかな?

「めぇめぇひつじのめえこちゃんでした。」

ポストに入り切らない大きなお手紙が届きました。さて誰からでょう。りんごが並ぶように描かれたマスキングテープで封がしてあります。

「ぱおーん、ぞうさんのぞうた君でした。」

便箋にはみんな同じことが書かれています。【はなちゃんへ 今度いっしょに遊ぼうよ】嬉しい誘いが続きます。

てんとう虫のお手紙は虫眼鏡が必要な大きさです。

最後は、ももちゃんから花柄の便箋でお手紙が届きました。【はなちゃんへ あしたみんなで遊びましょう!】またまた素敵なお誘いのお手紙です。

明日はみんなで何をして遊ぼうかな。ピクニックがいいかな?

次の日は、みんなで公園で遊びました。楽しい1日はすぐ終わってしまったけど、今度は、はなちゃんからみんなに向けて。「お手紙書くね」

☆際立った特徴

水彩画で描かれた優しいタッチの絵本です。表紙を見ただけでポストに一生懸命お手紙を入れようとする女の子の可愛らしさに癒やされます。

表紙に描かれた後ろ姿から、どんな事を思ってポストに入れているのかな?きっとウキウキとしながら、相手を想いながらお手紙を送るんだろうなと、色々想像させてくれます。

きっとこれは、本書の物語の続きのお話があるのではないかしら・・・。もしかしたら逆に、物語より前の話かも??

はなちゃんに、お友達や動物達からお手紙が届くのですが、名前を見なくても差出人が想像出来ちゃう素敵な特徴が、どのお手紙にもあります。

牛さんなら牛柄の便箋に牛乳シール。シマウマさんならしましま模様ににんじんシールの便箋。羊さんは羊の毛で織ったのかな?と思わせるモッコモコな白い便箋。毛糸のシール付きです。ぞうさんはとっても大きいビックサイズ便箋にりんごのマスキングテープ。大きいから、大きい紙のほうが書きやすうよねって優しい気持ちで見守ってあげれちゃいます。

作者えがしらみちこさんが、子どもにもわかりやすく、丁寧に、優しく描いてくださっているのが伝わってきます。

ページ毎に「お手紙がきたよ。だれかな?だれかな?」とお子さんと一緒に差出人を”あてっこ遊び”を楽しむことが出来ます。登場する動物たちはほっこり可愛い、そして、とっても服装がオシャレです。「かわいいなー」と見とれてしまいます。

いろいろおてがみ 裏表紙

☆ストーリーをもっと深堀り

はなちゃんはお手紙が大好き!

はなちゃんのお家のポスト、淡い青緑の可愛いポスト。「くるかな くるかな」お手紙を心待ちにしているはなちゃん。今日もお手紙が入っていましたよ。黒い模様のお手紙です。

誰からかな?封筒を開けると、白い便箋に水玉模様と黄色のたんぽぽが2本、【はなちゃんへ こんどいっしょに あそぼうよ。もうた】と書かれています。かわいい青のサロペットを着た、もーもー うしのもうた君からでした。胸のピンクのポケットがかわいいね。

「くるかな くるかな おてがみ くるかな」はなちゃんのお家のポストにまた、お手紙が入っています。次はしましま模様。人参のシールで封がしてありますよ。誰からかな?

便箋には可愛いシマウマのイラストと、赤いリボン。【はなちゃんへ こんどいっしょに あそぼうよ】と書かれています。赤と白のしましま蝶ネクタイがよく似合う、おん おん しまうまのしまお君からでした。赤いパンツも似合ってハンサムです。

「くるかな くるかな おてがみ くるかな」もこもこふわふわのお手紙がポストに入っていました。白のもこもこの封筒にピンクの毛糸のシールで封がしてありますよ。誰からかな?もこもこで丸みのある便箋の真ん中に、またまたフワフワな羊の絵。【はなちゃんへ こんどいっしょに あそぼうよ】黄緑色のかぼちゃパンツに黄色の水玉がキュートなひつじのめえこちゃんでした。

まだまだ届きます。大きなピンクの封筒に、りんごのマスキングテープで封がしてあります。誰からかな?ヒントは耳の大きいりんごが大好きな・・・ぞうのぞうた君でした。ぞうたくんはりんごを3つ描いてくれました。「はなちゃんに1つあげるね」って言ってくれているみたいなイラスト付きです。可愛いお手紙ありがとう!りんごもどうもありがとう。

またある日、お手紙来たかな〜って、はなちゃんが覗き込みました。少しポストが揺れてしまったのかな、ポストの中から青虫さんがポンッと落ちてきました。

中にはちいさなちいさな赤い封筒。5mm程の便箋だけど、誰からかな?ねずみさんかな?「ううん、ちがうよ。」って首を振って答えてくれてる。よーく見てみて!むしめがねで、はなちゃんが確かめると、なんと封筒が赤くて水玉模様。誰からのお手紙でしょうか。中の便箋はなんとクローバーの葉っぱですよ。ぷーん 【はなちゃんへ こんどいっしょに あそぼうよ】羽が赤に黒のドット柄のてんとう虫のてんこちゃんでした。

仲良しのももちゃんからもお手紙が届きました。どんな封筒でしょうか。ももちゃんだから・・・やっぱり桃色のもものシールが貼ってあります。すこしお姉さんっぽい花がらの封筒でした。【あしたみんなで あそびましょ】嬉しいお誘いが来ましたね。

みんなで楽しくピクニック♬楽しいね。牛のもうた君としまうまのしまお君が手を繋いで「何しようか〜?」とお話してるよ。「私達は何する〜?何して遊ぼうか?」広い公園です。お花もいっぱい咲いています。「今日はいっぱい遊ぼうね!」あの時のイモムシ君かな?ちょうちょもヒラヒラ飛んでいます。

帰ってからさっそく、今度ははなちゃんが手紙を書いています。【つぎは はなちゃんが みんなに おてがみかくね・・★】今度はどんなお手紙かくのかな?みんなもきっとポストの前で待っていますね。

☆書店員の感想

最近3歳の娘がお手紙をくれます。まだ字が書けないので、代わりに絵が描いてあったり、シールが貼ってあります。ある日、折った新聞紙に、保育園の先生に「おかあさん大好き」と書いてもらって私にくれたのですが、それを知らずに迎えに行くと一目散に私のところにやってきて、「お母さん、どおぞ!」とニッコリ笑顔でくれたました。「ありがとー♥」私にあげたいと思ってくれた気持ちがとっても嬉しかったです。娘がとっても愛おしくてたまりませんでした。見た目は適当にただ折ってある新聞紙だけど、私の宝物です。大事に飾っています。

本書の主人公の”はなちゃん”もお手紙が大好きな女の子。ポストの前で「まだかなー?こないかなー?」と待っているのでしょうね。届いたお手紙の全ては、一通ずつが動物たちの気持ちがいっぱい詰まっているように思いました。一生懸命はなちゃんに伝わるように書いたんでしょうね。

●てんとう虫のお手紙が届いた時、あおむしがポストからぽんっと落っこちて出てきました。実はそのあおむしは、またポストに登ってサナギになって、とまっています。そのサナギからちょうちょが誕生して、ひらひら・・・と飛んでいます。作者えがしらみちこさんの遊び心が、話の中にそっと描かれています。

ちょうちょもきっとお手紙を書きたかったのかな。もしかして、てんとう虫のお手紙と一緒にだそうとしたけど、赤ちゃん過ぎて書けなかったのかな。などと考えていくうちにもしかして・・・と裏表紙をもう一度見てみたら、ポストにちょうちょが止まっています。大人になったから、もうお手紙書けるのかな。今からはなちゃんに書くのかもしれません。こんなふうに考えて、どんどん優しい気持ちになっていく自分がいました。

この本を読んで、なんだかお手紙が書きたくなりました。娘にまずはお返事を書こうかな★ちょうちょさんはどんなお手紙書くのかな?見せてみせて♬

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。