おとどけものでーす

宅配便の荷物になったなったつもりで、宅配便屋さんの車乗って春を届けに行きましょう!旅行に行きたい時にピッタリ!春が待ち遠しい季節の読み聞かせにもピッタリ!

☆3つのおすすめポイント

  1. 宅配便屋さんがトラックに積み込んだ薄緑色の沢山の箱。山の峠をこえて、届けに行きます。山を登っていく景色が美しい!車から見える海辺に訪れた春の景色を楽しみましょう!
  2. 峠の向こうは、まだ雪が積もる冬景色。山に住んでいる子ども達に、宅配便屋さんが届けた薄緑色の箱。何が入っているのでしょうか。春を待ちわびるかおりちゃんの家にも届くかな。
  3. 読んでいる子ども達にも、驚きや喜びをプレゼントしてくれているみたいなしかけが沢山あります。

☆あらすじ

ここは、海辺の町です。宅配便屋さんがせっせと薄緑色の箱の荷物を車に積み込みます。ブルルル ルンルン。出発した宅配便の車。菜の花畑に囲まれた道を山に向かって走っていきます。この車は、山の峠のむこう側まで配達に向かうそうです。トンネルをくぐり、どんどん山を上がっていきます。だんだん川が下に見えてきました。「峠の茶屋」というお店もあります。まだまだ登ります。そして二つ目のトンネルを抜けると、そこはまだ雪が残る山中の村でした。「さあ、この村で荷物を配るぞ!」宅配便屋さんは今度は峠の道を少し下り村へ入っていきました。

山の村に住んでいるかおりちゃん、「早く春がこないかな。みんなと遊びたいな。」とため息をついて窓を眺めていました。

その頃,宅配便屋さんは、村の子供達に薄緑色の箱を届けています。「しげるくん、たくはいびんですよー!」と村中の子どもに届ける声が、かおりちゃんにも聞こえてきました。「私の所にも来るのかな?」かおりちゃんは、ワクワクしています。その時、ピンポーン!とインターホンが鳴りました。かおりちゃんは急いでハンコを持って、飛び出しました。お届け物はまるで風船みたいにフワフワと軽い薄緑色の箱でした。

かおりちゃんは、ドキドキしながら箱を開けました。

いつの間にか辺りの雪が溶けて緑の草や花が咲いています。ちょうちょやてんとう虫も元気に飛び回ります。「わーい、春がやってきた!」

春を運ぶ宅配便屋さんは、まだまだ寒い所へ向かって、走り続けています。

おとどけものでーす 表紙

☆際立った特徴

トンネルがくりぬかれていたり、プレゼントが真ん中から左右に開けることが出来るめくるしかけになっています。そして、郵便屋さんが山を登るシーンでは、貢をめくるとどんどん登っているような景色になるのですが、それに合わせて隣に見える山の景色も変わります。山の峠から見える海辺の街や、桜の花がキレイに見えています。

春を届ける宅配便屋さんの”ちょうちょうびん”。本でいるあなたも一緒に春を届けに行きましょう!

☆書店員の感想

宅配便屋さんの積み込んだ薄緑色の沢山の箱。山の峠をこえて、届けに行きます。山を登っていく景色が美しい!車から見える海辺に訪れた春の景色を楽しみましょう!

宅配便屋さんが物語の初めに薄緑色の箱を車につんだ場所は海が見える運送会社でした。ちょうちょがひらひらと舞う、菜の花のじゅたんが一面に広がる畑を横目に、宅配便の車は山道を登っていきます。そこはもう春が訪れていて、桜の花も満開で、菜の花畑で写真を撮ったり、ピクニックや散歩を楽しみながら花を見上げている家族も見えます。

貢をめくり1つ目のトンネルを抜けるました。山の中間ほどの高さまで登ってきています。宅配便の車から遠くに太陽の照り返しで白っぽく光る海が見えます。真下には、川が流れていて川をボートで下るヒトや、釣りを楽しむ人も見えます。春を満喫している人達や景色を見ていると、待ち遠しいと思っていた春の訪れを喜ぶ、とことん楽しんでいるのが伝わります。

峠の向こうは、まだ雪が積もる冬景色。山に住んでいる子ども達に、宅配便屋さんが届けた薄緑色の箱。何が入っているのでしょうか。春を待ちわびるかおりちゃんの家にも届くかな。

一方で、トンネルの向こうはまだ冬です。道の横にも屋根の上にも沢山の雪が残っています。山の村は、町に比べて雪解けが遅く、そこに住む子ども達は、雪が溶けないと元気に外で遊べないから、「早く春になれ!」と願っています。

そんな子ども達に宅配便屋さんが薄緑色の箱を届けて回ります。

手渡しで届けられた箱。さて、中身は?見開きで開くしかけになっています。開けるとびっくり!!目の前に桜や梅の花。菜の花やスイセン、そして、蝶や蜂、てんとう虫などが飛び出てきました。不思議な魔法が掛かったように、箱を開いた場所から、周りの雪が溶けて、花が咲き始めました。あちこちで箱が開き、どんどん村中に春が広がっていきます。

村に住む大人子どもも、みんなが窓を開けて春の訪れを喜んでいます。

読んでいる子ども達にも、驚きや喜びをプレゼントしてくれているみたいなしかけが沢山あります。

作者間瀬なおかたさんの作品はしかけが多くて、沢山の喜びを感じさせてくれるのですが、本書はその中でも、特にしかけのレパートリーが多いと思います。峠から見える海辺の街の景色も好きなのですが、特に、薄緑色の箱を開くしかけは、感動しました。宅配便屋さんがまるで読んでいる私にもプレゼントをくれたみたいです。箱を開けたら春が広がっていくということは、箱を開いたあなたも、かおりちゃんの住む村に春を届けた一員というわけです。

そして読者にも、驚きや喜びを間瀬さんがプレゼントしてくれているようです。

2020年の春は、春の訪れとともに自粛期間が始まり、行楽地へ行ったり、旅行へ行ったりなど、毎年恒例の春の楽しみ方は出来ませんでした。

そのかわり、私の家は田舎なので、菜の花が咲いている田んぼ道を歩き桜が咲いている公園まで散歩へ毎日行きました。そこには梅の木もあり、梅の実が実って大きく育っていくのを観察することも出来ました。人間は自粛で自由に動き回れないのに、花や虫などの自然は当たり前の春を自由に過ごしている事の不自然さを感じたり、美しい景色に救われるような気持ちにもなりました。こんなにゆっくり春を感じれたことは贅沢だったし、私にすれば2020年の春は特別で、自然に感謝する期間でした。

本書はその特別な春と少し似ている感覚を与えてくれる絵本だと思いました。ゆっくり景色を楽しんで、春の訪れを肌で感じる事ができるなんて、とっても贅沢であり、子ども達にも伝えたい”自然のありがたさ”のようなに思います。本を開けば春がいつでも目の前に広がるだなんて、とっても素敵でしょ?

春に読むのはもちろん、春に逆戻りしてほしい真夏に読むのも、北風が吹いてそろそろ冬かなって思う秋に読むのも、雪が深々と積もって春の訪れを心待ちにしている真冬に読むのも・・・どんな季節でもオススメです。

おとどけものでーす 裏表紙
よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。
     
    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭としての感想などご紹介出来たらと思っています。