とけいのほん①
時計を意識し始めた頃にピッタリ!時間・半(30分)の読み方を時計の針たちが教えてくれます。お花や風船の時計って素敵!お散歩しながら遊びながら、時計と触れ合いましょう♩
☆際立った特徴
時計の短い針は”ちび”、長い針は”のっぽ”と名づけられています。可愛いキャラクターとして登場して、時計の読み方を教えて欲しいと思っているどんぐり達や、光の坊や達に教えていきます。〇〇時という読み方と、〇時半という読み方を一緒に習っていきましょう!
絵本を楽しむ中で、子ども達の理解に繋がっていきます。デジタル時計が最近では主流にはなっているかもしれませんが、アナログの読み方を身につける事は生きていく中で大切なスキルです!本書を見ながら、保護者が教えたり説明をするというよりは、まずは一緒に物語を楽しんでいき、何度も繰り返し読んであげて、そのうちに自然と読めるかなとリラックスして待つスタイルで、ぜひ、小さなお子さんには読んであげましょう!
保護者にとっても、「長い針が12の所にきたら、お散歩に出掛けようね!」「短い針が3で、長い針が12になったら”3時”だね。おやつにしようね!」と、生活の中で時計を取り入れる工夫も知ることができます。
参考文献)KUMONがうた・読み聞かせを応援【ミーテ】「とけいのほん①」ちびとのっぽと一緒に時計を読んでみよう(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.288)
☆あらすじと書店員の感想
ちびとのっぽの時計の針が登場します。どんぐり坊や達が時計の読み方を教えてー!とやってきます。まずは、時計の事を知っておこうね!どんな風に数字や針は動くかな?
時計の針のちびとのっぽ。彼らは散歩に出掛けた時に、荷物を持っていました。ちびは数字の入った荷車を、のっぽはブロックのような積み木のような物を入れた荷車を、引いて出掛けます。さあ、どこに散歩へいくのかな?しかし、途中黄色いお花が咲く場所でどんぐり坊やが通せんぼします。どうしてそんなイジワルするの?と驚く展開。
でもね、イジワルじゃなさそうです。「今、何時か教えてくれたら通してあげる!」とどんぐり坊は言うのですが、なんだか遊んで欲しいのかな?と思わせるようなドングリ達の表情です。時計の針たちに甘えているのかな?
『いいよ!教えてあげるよ。だから通してね。』そして、調度良い場所に咲いていたお花に協力してもらい、その上に数字を並べていきました。ちびが引いて運んでいた荷車の中の数字が登場です!
一番上が12で、右回りに数字を1から並べていきます。一番下には6が来るようにならべて、その先も続けて12まで並べます。『こんな風に時計って数字が並んでいるんだよ』と時計の針たちが、どんぐり坊やにまずは教えます。
実際に読み方を教えてくれます。どんぐり坊やには「7時」「8時」の読み方を、光の坊やには「2時半」「3時半」の読み方を。
そして、次は長い針と短い針の読み方です。『ちびはどこにいる?』『のっぽはどこにいる?』その針の場所によって読み方が決まるんだという時計の法則を、どんぐり坊や達に分かりやすく伝えています。そして、「7時」「8時」という「〇〇時」の読み方を教えます。
その後どんぐり達とは離れて、次は光の坊や達が登場し、同じように時計を教えます。”光の坊や達”は、ちょっと時計に慣れた頃の子ども達を比喩しているのかもしれません。「2時半」「3時半」という〇〇半という読み方を教えています。
実は・・・本書は、読んでいる子ども達にむけて、語りかけるような言葉で書かれています。もちろん、ストーリーの中ではどんぐり達と光の坊や達に教えているのですが、不思議と本書を読んでいると、自分に教えてくれているような感覚になります。
最後は夜になり、光の坊や達が帰ってしまいました。「道が見えないよー」と困った時計の針たちです。ページがもう残り少ないし、ハッピーエンドで終わらないのかな??と、心配になってしまうラストシーンなのですが・・・安心してください。どうやら、このお散歩は途中で一旦おしまいなだけのようですよ。
続きが別冊であります。「〇〇時」「〇〇時半」が読めるようになってきたら、ぜひ、【とけいのほん②】で、先に進んでくださいね!きっとハッピーエンドが待っていることでしょう。
のっぽの針が引いていた荷車の中身のブロックが、まだ本書では活躍しませんでいたので、おそらく次回に登場するのかな?楽しみですね♩
どんぐり坊やと光の坊やは何を意味しているのかな・・・?と考えた時、私は比喩しているのかもしれないと感じました。本書は時計を教える事より、読んで遊んであげる事を第一にしましょう!
私は時計に興味が出てきて、時計で遊んでみたくなった幼い子ども達をどんぐり坊やで表現しているのではないかと考えました。そうすると合点がいくんです。どんぐり坊や達は、まだ幼い子ども達のようです。疲れたら「ああくたびれた。もう一緒に行くの嫌だーい!」と急に帰っちゃいました。そのお別れは、『こんなにいっぱい遊んで、どんぐり達も喜んでいたのにー急に!?』と驚く急展開でした。
でも、実は幼い子どもってよくある光景ではありませんか?飽きたり疲れたら、急に「ばいばーい!」と帰っちゃう。きっとどんぐり達はそんな年頃の子どもを表しているのではないかと思いました。
本書を見せて読んであげる時って、大人なら「この本で時計を教えてあげられるな・・・」と下心がでちゃいますよね。もちろん間違ってはいませんよ。
しかし、私は、本書を子どもに見せてあげる時に、気を付けたいと思った事があります。それは、【時計を無理やり教えない事】だなと思いました。読み聞かせながら教えたりするのではなく、【楽しく読んであげる】が、良いのではないかと思ったのです。
作者のまついのりこさんも、教える為というよりも、楽しく時計と遊ぶ中で、興味が出たり意欲がでたらいいなという、気持ちを込めて本書を作られたのではないかと感じます。
ひらがなや数字や時計など、色んな知育絵本で同じことが言えるのですが、少し興味が出てきたからと教えようとすると逆効果な時があります。幼い子どもはとても敏感です。「難しそう・疲れた」と思うとなかなか集中できなかったり、あまりに嫌な思い出となってしまうと、その本が嫌いになったり、教えられることそのものが嫌いになったりします。
本書で描かれたどんぐり坊や達のように、子どもって疲れたら「ばいばーい!」と逃げちゃうものです。それが自然だと思います。
なので、せっかく興味が出てきたら、楽しく生活の中に取り入れると良いのではないかと思います。
本書は、時計の読み方について、自然と遊びの中の1つに取り入れるにピッタリの絵本だと思いました。楽しく読んであげていくうちに、少しずつ理解して、自分から家の中の時計と見比べたり、針を実際に読んでみたりすることに繋がっていくかもしれませんよ。
時計を意識し始めた頃にピッタリ!時間・半(30分)の読み方を時計の針たちが教えてくれます。お花や風船の時計って素敵!お散歩しながら遊びながら、時計と触れ合いましょう♩