ねぇどっちがすき?
親子と読んだり友達と読むのにピッタリ!「君はどう?」一緒に話してみよう♬
☆際立った特徴
- 各ページに「どちらが好き?」と読者に対して問いかけ。
- 対照的な物の選択。選ぶ楽しさがあります。
- 読者にとって、どちらと選べない物も登場。
- 選んだり悩んだりを楽しめる。
☆読み聞かせのポイント
- 1ページ1ページ、その都度「君ならどうかな?」と聞き、お互いに話しながら進めても楽しいと思います。どうしてそう思う?と膨らませましょう。選べない物があっても◎それも含めて楽しみましょう。

☆あらすじと書店員の感想
「ねぇ?きみは・・・」っと読者に対して話しかけるストーリーです。対照的にも思えるような2つの選択から君はどう思う?と問いかけています。
よく会話の中に「夏と冬だったらどっちが好き?」「山と海ならどっちで遊びたい?」などありますよね。その返事にはハッキリ白黒つけられる物もあれば、んーどっちがいいかな?と悩むものもあります。
そんな悩む楽しさを味わえる絵本だと思いました。
小さな子ども達の中には「夏と冬」だけでは想像がしにくい事があるでしょう。しかし、本書の中では「シンシンと雪がたっぷりあって雪遊びが楽しめる冬と、海で泳いだり、波と遊べる夏」など、想像しやすい言葉と絵があるので、きっと自分が遊ぶならどうかな?と想像がしやすいと思いました。
登場するのは、猫耳帽子をかぶった男の子と、ズボンをはいたキツネ君。二人はどうやらいつでも一緒の仲良しコンビ★
二人はいつも一緒にいて、一緒に遊ぶ仲のようです。表紙をめくり、題名が書かれたページ、すなわち物語の始まりなのですが、「あっちのほうが面白そうだよ!」「こっちのもおもしろそうだよ!」と二人が互いに行きたい場所へ引っ張って連れて行こうとしています。
そして本書を読み進めると、左のページには男の子が遊ぶ様子、左のページにはキツネ君が遊ぶ様子が毎回描かれます。
これをあなたは、どう見ますか?
それぞれ好きな物をそれぞれ1人で楽しんでいるのでしょうか?それとも、描かれていないけど見えない所に相手がいて、一緒に遊んでいるのでしょうか?
私はきっと両方なんだと思いました。
一緒にいる時もあるし、別々な時もある。一緒にいる時は楽しさをその場で共有して、1人の時は「あの子にこんな楽しい事があったと教えてあげよう!」と思っているのではないかと思いました。
二人の心はいつも一緒なんだと感じました。
「君はどっちが好き?」と続く文章。質問ばかりでお話が進むのですが、不思議なことに繰り返し質問をされている中で、私は実は考えもしなかった自分と出会うことが出来ました。
太陽と月はどっちが好きなんだろう?大勢で踊るのと一人で熱唱するのってどっちが好きなんだろう?私にはどちらと決められない物もありました。昔はこっちが好きだったけど、今はこっちが好きかな?と答える物もありました。
でもそれが私。

決められる選択もあれば、どちらと選べない物もあって、それがいつか逆になるかもしれないし、どちらも嫌いと答えるかもしれません。でもそんな私の答えも◎なのではないでしょうか。
きっと本書を読むお子さんや保護者の方にも、同じ事が言えるかもしれません。ぜひ悩んだり選んだり、実際遊んだ時を想像したり、実際のエピソードを話し合ったり、楽しさを膨らませて読んで頂きたい1冊だと思いました。
本書のラストの一言が、きっと作者が1番伝えたい事なのかもしれませんね。質問続きの流れからの、『ラストの言葉』必見です。ぜひ絵本を読んで確かめて見てください★
- 作品名:ねぇ どっちがすき?
- 著者名:文 安江リエ 絵 降矢奈々
- 出版社:福音館書店