はじめてのぼうけん1 ぴょーん
元気いっぱい!体を動かして遊びたい子にピッタリ!みんなのジャンプを見ていたら、きっと大きく高くジャンプしたくなります!膝に力を溜めて、せーの、「ぴよーん」!
☆際立った特徴
- 自然科学のイラストを数多く描く作者松岡達英さん。
- 生き物の急なジャンプへの驚きと、その姿の面白さ。
- 正確な生き物のフォルム。デフォルメされた模様や仕草。
- 生き物を可愛らしく、力強く描いている。
☆読み聞かせのポイント
- 「ぴよーん」は、抑揚をつけたり声色を変化させて。(キャラクターの雰囲気や、書かれている文字のニュアンスに合わせて勢いよくしたり、声を裏返らせたり。)
- ジャンプする生き物の面白さや、模様・仕草を観察しながら気づきを話そう!
- 「君は大きくジャンプできるかな?」
【好書好日】で作者松岡達英さんは、本書「ぴょーん」について話しています。
「どの動物も真剣に、一生懸命に見ているでしょう。本の中の動物に見られていることで、本の枠を超えて、自分がストーリーのなかに入っていける。それでいて、跳んでいる姿はユーモラス。そのギャップが読者を惹きつけるのかもしれないね。」
☆あらすじと書店員の感想
ページ中央に登場する生き物が、貢をめくると高くジャンプします。体を大きく広げて高く飛ぶ姿は、どの生き物からも生きる力強さを感じます。
私が本書の中で一番気に入ったジャンプは、バッタです。
最初に登場した時、睨みつけるようにこちらを見ているように感じました。そして、全身に力が入っている様子です。もしかして、私に対して威嚇している?!と感じました。
そして貢をめくると、全身を大きく広げ、高く高く飛び跳ねています。手足だけでなく羽も広げて、自分を大きく見せているようにも見えます。相手に負けるまいとする、とても力強い生命力のようなものを感じて、私は「怖いな」と思ってしまいました。
ヒヨコとニワトリもジャンプします。もともと飛べない鳥の一種ですが、驚いた時や慌てている時に、少し飛びあげって駆け出す姿を見たことがあります。本書では一生懸命羽をバタバタさせてジャンプをする姿が描かれています。
親子で一緒にぴよーん!とジャンプ出来て、なんだか親子は嬉しそうです。
ジャンプを表現している「ぴよーん」の文字がその生き物の性格やジャンプの様子を物語っているよう。ただのジャンプだけど、個性的であり、とてもユーモラスに感じます。読んだとは、親子で兄弟で、一緒にぴよーんとジャンプしましょう!
どの生き物も、ジャンプする音を「ぴょーん!」と表現しているのですが、その言葉の表記が「ぴょーん」もあれば、「ぴよよよよーん」「ぴよ~~~ん」もあります。ただ単にまっすぐ上にジャンプしているだけじゃないんだなと気がつきます。
そして、ジャンプした生き物たちの足物にはジャンプした時の勢いを表現する線が描かれています。それがとても生き物の特徴を表しているようで、個性的に見えます。バッタのように激しさや勢いを感じるジャンプもあれば、ウサギはフワッと飛んでいるような感じがします。
そんな中、登場したカタツムリ。みんなジャンプが出来るんだから、カタツムリも出来るかも?と期待しますが…カタツムリは地面に足がピッタリとついているから、やっぱりダメだったか。と諦めている様子もあります。
もともとジャンプが得意な子もいれば、出来ない子もいる。敵に体を大きく見せるよに飛ぶ子もいれば、水の中から飛び跳ねるようにジャンプする子もいる。
じゃあ、私はどうだろうか。上手に高くジャンプ出来るかな?やってみようかな?と、読者もチャレンジしたくなります。
「僕も出来るよ!」「手足を広げたジャンプ、チャレンジしてみようかな」「もっと高く飛んでみたいな」と、本書を読んだ後、親子で、兄弟で会話も膨らむことでしょう。
さあ、膝に力をためて、思いっきり、晴れた空に向かってジャンプしてみましょう!
- 作品名:はじめてのぼうけん1 ぴょーん
- 著者名:まつおかたつひで 【ミーテ】インタビュー「絵本をきっかけに地球をもっと知ってほしい」
- 出版社:ポプラ社