はらぺこしりとり おべんとうばこのなかから
お弁当箱の中から飛び出すのは、楽しい食べ物たち!しりとりで登場!当てっこ遊びが大好きな子にピッタリ!次は誰が出てくるかな?しりとりで想像してみよう!
☆3つのおすすめポイント
- お弁当箱の中から飛び出すのは、誰でしょう?ウインナーの後から出てくるのは、な・な・なす!なすの後から飛び出したのは、す・す・すいか!語尾がしりとりになっているのです。
- 登場する食べ物たちを擬音語・擬態語で表現しています。スイカならスーイスイ!と泳ぐように飛び出して、ナスとウインナーを追いかける様子もスーイスイ!と動きが描かれています。
- ここは、野原のような、サバンナのような広く開けた草原です。大きなお弁当箱が1つ、置いてあります。それに気が付いたキツネさんが、飛び出す食べ物たちの真似を楽しんでいる??
☆あらすじ
野原に、お弁当箱が1つ置いてあります。
その中から飛び出したのは、ウインナーです。 ピョンピョン! それを見ていたきつねもピョンピョン!
ウインナーの後から、ナスが飛び出して、ヒョコタン ヒョコタン!と、ウインナーの後を追いかけていきます。きつねも「ヒョコタン」しています。
なすの後からスイカが、スーイスイ!と飛び出しました。「おーい!どこいくんやー!」とウインナーとナスの後を追いかけていきます。きつねも「スーイスイ」とスイカのまねっこ。
スイカの後から柿がカケッコ!柿の後からきのこがノコノコ!と飛び出てきました。きつねもどんどん真似をたのしみます。スイカときのこも、みんなを追いかけて行ってしまいました。
きのこの後からこんにゃくが、クニャクニャ!こんにゃくの後からクリンクリン!クリの後からリンゴがゴロンゴロン!リンゴの後からごぼうがゴボゴボ!どんどんお弁当箱の中から飛び出してきます。
ごぼうの後から飛び出したのは?!あれ?お弁当箱が空っぽです。ごぼうの後から登場したのはウインナー!ウインナーが一周回って登場したのです。
お弁当箱の中から飛び出した食べ物たちは、大きな輪になりました。
☆際立った特徴
「お弁当箱の中から飛び出したのは・・?」本書を初めて読む人なら、みんなお弁当の具が登場するのを期待するのではないでしょうか?本書はなんと、お弁当の具ではなく、ナスなら採れたての調理する前のナス、スイカならドドンと大きな丸ごとスイカが飛び出してきます。リズミカルな音に合わせてダイナミックに登場するものだから、驚きます。そして、その食べ物に合わせた擬音語・擬態語がユニーク!!きっと真似したくなる言葉と動きです。本書に登場するキツネのようにね♩
本書の最後に「おべんとうばこの なかから」の楽譜付き。著者の中川ひろたかさんによる読み聞かせ動画では、パネルシアターも紹介されています。
参考文献)Ehon Navi [おべんとうばこの なかから]
☆書店員の感想
お弁当箱の中から飛び出すのは、誰でしょう?ウインナーの後から出てくるのは、な・な・なす!なすの後から飛び出したのは、す・す・すいか!語尾がしりとりになっているのです。
最初に飛び出したウインナー!次に登場する、ウインナーの”ナ”から連想する物って何でしょう?ナッツ?なめこ?・・・正解は、なすでした!なすの”す”から連想するものって何でしょう?するめ?酢の物?・・・正解はスイカでした。このように、登場する食べ物の語尾がしりとりになっているので、「次に登場するのは誰だろうね?すいかだから、次は”か”がつくものだよ」とお子さんと考えながら、貢をめくって答え合わせを楽しむと、さらに楽しさが膨らみます。
我が家の娘は3歳で、まだ”しりとり”を理解出来ていないのですが、本書を読みながら「次は何だろうね?”な”がつくものだって!」と聞いてみました。すると、『んー何かなぁ?んー?なっ!』と答えていました。「なっ」ってそのままじゃん・・・と思うのですが、だんだん読み進め、繰り返し読んでいると、『スイカだって!おもしろーい!』と、話していました。”しりとり”という遊びを、本書の中で彼女なりに楽しんでいて、とても嬉しく思いました。これから少しずつ”しりとり”を理解していって、さらに本書のおもしろさを感じるんだろうな。
登場する食べ物たちを擬音語・擬態語で表現しています。スイカならスーイスイ!と泳ぐように飛び出して、ナスとウインナーを追いかける様子もスーイスイ!と動きが描かれています。
登場する音が、食べ物によって違います。なすはヒョコタンヒョコタン!と歩きます。ヒョコタン??と聞いただけじゃ想像が着かないですよね?本書の中にはナスが歩く道がうねる波のような道に描かれています。さらにどんな歩き方?!と思うのですが、そこが面白いポイントです!「ヒョコタン」とどのように歩くのか、想像してみましょう!きっと見る人によって感じ方が違うと思います。私は、ナスはおしりを振るように歩くから足が遅いのかな??と想像しました。その後ろで、キツネが「ヒョコタン」を真似しているようです。盆踊りのような動きをしているように見えますが、一体どんな動き方??とさらに不思議に思えてきます。
本書の最大の不思議、ここはどこで、なぜお弁当箱が??
ここは、野原のような、サバンナのような広く開けた草原です。大きなお弁当箱が1つ、置いてあります。どうしてこんな所にお弁当箱が??と驚いた私は違和感を感じました。
ウインナー・なす・すいか・かき・きのこ・こんにゃく・くり・りんご・ごぼうが登場するのですが、実は最後にお弁当箱の中に戻ります。戻った彼らは、はしゃいで疲れている子もいれば、ワイワイと会話している子もいるし、手を組んで寝ている子もいるように見える子もいます。スイカは入りきっていないようにも見えます。不思議がさらに膨らむエンディングです。だってどうみても蓋が閉じられないんです!
そんな不思議が詰まっているからこそ、本書を読む楽しみが膨らんでいきます。面白くて不思議な世界の中だからこそ、読む子ども達の想像が膨らんで、きっと楽しい想像のお話が出来るのではないでしょうか?
裏表紙はお弁当箱の蓋が開いています。何が飛び出したんでしょうか?お子さんと想像して新たなお弁当箱の中身をしりとりで考えてみませんか?
- 作品名:はらぺこしりとり おべんとうばこのなかから
- 著者名:文 中川ひろたか 絵 岡田よしたか(インタビュー)
- 出版社:世界文化社