ぱっぴぷっぺぽん
カラフルさが絵本全体に溢れます!可愛い、色とりどりな丸たちがいっぱい集まって、いろんなかたちになったり、移動したり…楽しい気持ちになってきます。小さいお子さんにもピッタリ!
☆3つのおすすめポイント
- 箱の中から女の子が出てきたかと思いきや、カラフルな色の丸たちがたくさん登場してきます!ころころ…、ととっても可愛い!
- 可愛い丸たち、ぐるぐる…と大風に巻き込まれてしまいます。いったいどうなるのでしょう!?場面の雰囲気が変わってドキドキ・ワクワクな展開が広がります!
- いろんな表情の丸たち。お話の世界に入って行くうちに、色とお友達になれたようなかんじがします。
☆あらすじ
『ぱっ ぴっ ぷっ ぺっ ぽ~ん』の合図とともに、キレイな色の丸たちが箱から溢れだしました!
みんなそれぞれ目、口、足が描かれていて生き物のようです。
変身ごっこに出かけます!ぱっぴ ぷっぺ ぽん、の合図で整列です。箱から一緒に出てきた女の子が先頭に立ちます。
キレイに整列した丸たちが、そのままくねくね動きます!まるでいもむしのよう。
今度はお馬さんのかたちに並び、女の子を乗せて走り出します。
自動車にも変身しますよ。坂道もすいすい!
お山のてっぺんに着きました。やっほー、と呼んでみます。すると、大きな風が吹きました。風に吹かれた丸たち。ぐるぐるぐる~と、大きな渦の中を回っていきます。
ぐるぐる…、と姿が見えなくなってしまいました。
しかし、渦の中心からぱっぱっ、ぴっぴっ、ぱっぴぷっぺ、ぱっぴぷっぺ、ぽ~んという声とともに、ページいっぱいのカラフルな丸たちが飛び出してきました!とってもにぎやか!
女の子を中心にして、丸たちは羽の部分に並び、蝶々になって飛んでいきます。
そして、またはじまりのときの言葉と同じように、『ぱっ ぴっ ぷっ ぺっ ぽ~ん』と、箱に戻っていきました。
☆際立った特徴
まるで、カラフルなビックリ箱!可愛い、色とりどりな丸たちが、ページいっぱい彩ります。
生きているような表情豊かな丸たちがとっても可愛い!何に変化するのかな、このあとどうなるんだろう、とワクワクが止まりません。
絵本の大きさは縦が28㎝、横が22㎝と大きめの絵本のサイズとなっています。明るい色が印象的で、読んでいると自然と元気になれるような絵本です。お話も簡単で、ぱっ・ぴっなどの音が楽しく、小さいお子さんから楽しめます。
☆書店員の感想
●箱の中から女の子が出てきたかと思いきや、カラフルな色の丸たちがたくさん登場してきます!ころころ…、ととっても可愛い!
表紙をめくった内側から、『ぱっ』『ぴっ』『ぷっ』『ぺっ』と順番に、箱がだんだんと開いていきます。その中から、女の子が一人ちょっとずつ出てきて、箱から片足も出しました。このページでは、箱は水色、女の子の服は薄い黄色なので色はあまりないのですが、次のページに進むと、箱の中から女の子と丸たちがぽ~んと思いっきり飛び出してきます!14色くらいあるように見えますが、赤や黄色、緑に紫などいろんな色がたくさんあって、カラフルで楽しい描写に感じます。箱からワクワクが溢れてきます!
また、丸たちには目と口、足があります。手はないのですが、生き物のキャラクターのようで、とっても愛らしい!女の子の合図に合わせて整列しているときも、前に並んでいる子から足がピン!と並んでいて愛嬌があります。(笑)芋虫のように並んでいるときも、丸たちの足が芋虫の足のようになっていて、本物のようです。馬のたてがみにもなっていますし、車のタイヤでも車輪のような役割をしていて、足も含めて変身しているものになりきっているようです。
丸たちは馬のようなかたちに集まって女の子を上に乗せて走ったり、自動車のかたちに集まって女の子を運転席に乗せて走っています。丸がたくさん集まって何かのかたちに変身する、というのが、どんなかたちに変身するのかな、と楽しみになってきます。
●可愛い丸たち、ぐるぐる…と大風に巻き込まれてしまいます。いったいどうなるのでしょう!?場面の雰囲気が変わってドキドキ・ワクワクな展開が広がります!
可愛い丸たちは、女の子といつも一緒に集まっています。山の上からやっほーと同じ顔をして声を出していますが、それにつられたのかちょっとこわそうな・不思議な雰囲気の顔が近づいてきました…。
その顔が横向きになって、女の子たちに近づいて口から息を吹きかけました。するとその息が大きな風になり、丸たちが吹き飛ばされていきます。丸たちは絵の具で描かれたような絵で色がハッキリしてますが、女の子の輪郭や髪の毛、大風を起こした不思議な人のような生き物は、鉛筆でさらっと描かれています。それがまた色を引き立たせ、風の描写やぐるぐると回っていくようすをうまく表現されているように思いました。ページ1面真っ暗になったところも、左のページの中心の白い丸以外は暗く塗りつぶされていますが、色鉛筆の濃淡で暗いところとぐるぐると渦が巻かれているところとが描き分けられていて渦の中心に向かっていくようすが感じられます。そして、次のページにはページいっぱいのいろいろな色の丸たちと女の子が!ページをめくるとガラッと雰囲気が変わってとってもカラフル!暗い気持ちがパッと晴れるような、元気になれるような気持ちにもさせてくれるようにも感じました。ページで絵の雰囲気がガラリと変わり、読み進めていくごとに楽しさが広がります。丸たちが女の子と同じようなニッコリスマイルなのもとっても可愛いです。
最後には丸たちが羽のかたちに集まって蝶になり、女の子と一緒に飛んでいきます。丸たちが最初の数よりぐんと増え、細かくぎゅっと集まって羽のかたちになっています。これだけ集まっていれば、ちょっとやそっとの風ではびくともしない、風に乗って飛んでいくよ!というようすにも感じられて、安心感があるようです。
●いろんな表情の丸たち。お話の世界に入って行くうちに、色とお友達になれたようなかんじがします。
丸たちが最初に登場してきたとき、整列しているときはそれぞれいろんな表情をしていますが、芋虫にみんなで変身した時は口を一の字にして同じ顔をしています。馬のかたちに変身しているときは、女の子と同じように口を縦に伸ばしたような元気いっぱいの顔、車のかたちになって女の子が運転しているときは、口を尖らせ目を閉じている表情です。タイヤの中心の子はぐるぐる回って大変なのか目を回しています。車のライトの位置にあたる子は、目をしっかりと開けて前を見ていて、同じようで違う子もいる表情をひとつひとつじっくり見るのも面白いです。風に吹かれてぐるぐる回っているときはバッテンの目をしていますが、ぱっぱっ、ぴっぴっ、…ぽ~ん、とみんなでページいっぱいに登場してきたときはニッコリとしていて笑顔がぎっしり!丸たちの表情が、見ていてとても明るい気持ちにさせてくれます。最後はみんな箱の中に戻っていきます。ぱっぴ ぷっぺ ぽん、の合図でまた箱から飛び出してくるかもしれないな、本の最初に戻って箱からまた飛び出してきてほしいな、と感じさせるラストシーンだなと思いました。
色たちが楽しそうに遊んでいる姿、変身していく姿、大風に吹かれても負けずに蝶に変身して女の子を守る様子など…が楽しくて、見ているうちに一緒に遊んでいるような、いろんな色と友達になっていくようなそんな感じに思えてきました。
また、ぱっ、ぴっ、など半濁音の響きが弾むようで耳に入って来る音も楽しく感じます。小さいお子さんや、赤ちゃんのころからでも、カラフルな色と音が楽しめる絵本のように思いました。