パパトラ

ユーチューブ動画で保育士書店員が詳しく解説しています

トラの世界には守らないといけない掟があるのです。大切な2人をいつも遠くから見守るパパトラが、コトラのピンチに駆けつけます!オストラの力強さと戦いの迫力に驚きます!!動物好きな子にピッタリ!

☆3つのおすすめポイント

  1. ママトラの事もコトラの事も大切に想っているパパトラは、トラの掟を守るために、二人の側から離れて暮らしています。遠くから美しいママトラと元気に育っていくコトラの様子を見ているだけで、十分嬉しく思っています。
  2. ある日、ママトラを狙うオストラがやってきました。隣にいるコトラが邪魔で仕方がありません。コトラに襲いかかるオストラ。それに気がついたパパトラが駆けつけます。危機せまるような、迫力あるオストラ同士の戦いです。どちらが勝つのか!?
  3. 恐ろしさで震えるコトラの元に駆け寄るパパトラ。そして名乗ってもいないのに、コトラには感じる物がありました。「パパ?パパなの?」 それに対してパパトラの反応は?パパトラにはトラの掟があるんです・・・。

☆あらすじ

前置き)トラのオスは子育てに参加せずにメスのみで子育てをします。オスは広大な縄張りを持ち、いつも単独で守っています。

パパトラには子どもがいます。だから、パパのトラで「パパトラ」なのです。パパトラはママトラとコトラと別れて暮らして、少し離れた丘の上から、そっと二人を見守っています。それが、トラの世界の掟なのです。

パパトラはママトラに出会ってすぐにママトラが好きになりました。心優しく美しいママトラとずっと一緒にいたいと思っていましたが、コトラが生まれて、トラの掟を守るために二人の元を去りました。

生まれたコトラに会いたいけど、側に行くことはできません。だけど、パパトラはいつでも二人を想っています。そして、たとえ遠くからでも、元気に飛び跳ねるコトラの様子を見ているだけで嬉しく思っています。そして、美しいママトラを見ているだけでパパトラは幸せでした。しかし、そんなママトラを見ていたのはパパトラだけではありませんでした・・・。

パパトラの反対側の茂みでママトラを見ていたのは、若いオストラ。「なんて美しいメストラだ。あのメストラを俺のものにしたい。」とニヤリ。しかし、その隣にコトラがいるのが見えると、「ちっ。子どもがいる。邪魔だなあ。まずはあいつをどうにかしないと。」

そして、ママトラが見ていない隙に、オストラはコトラに襲い掛かりました。『やめろ!』そこへ爪を立てて大地を蹴って飛び出したのは、パパトラでした。取っ組み合いのケンカが始まりました。パパトラの体にオストラの爪が食い込み、体がかっと熱くなったパパトラは『がががががーーーーっ!!!」と、吠えました。

勝負はあっという間につきました。オストラは苦しそうに去り、パパトラは静かに見届けました。

コトラはあまりの激しさや怖さで震えていました。そこへパパトラは近づき『おい、大丈夫か?』と声を掛けました。コトラの震えが小さくなり、パパトラの顔を見て、「パパなの?・・・ねぇ、パパなの?」と聞きました。

でも、パパトラは答えずにコトラを振り返りながら、再び去っていきました。後ろから声がします。

「おーい!パパ。ありがとう!!」

小高い丘の上にパパトラがいます。ママトラとコトラが遠くに歩いている様子が見えます。今日も二人を見守っています。

パパトラ表紙

☆際立った特徴

トラの世界には、子育てはメスが行って、オスは参加しない習性があります。子どもが生まれるとメスと子どもの元から離れ、遠くから縄張りを守ります。

パパトラは、側には居られないものの、ママトラの事もコトラの事もいつでも、とても大切に思っています。

本来、動物の世界にはそれぞれで色んな掟があり、習性があり、人間界ではとても考えられない事が実際に起こっています。目を付けたメスをものにするためにコトラを襲うなんて事は、自然の中では当たり前に起こっている事です。

そんなリアルなトラ世界と、子どもを思うパパトラの想いがミックスされています。そして子どもを思うパパの力強さと優しさが、たっぷりと詰めこんだストーリーになっています。

★きむらゆういちさんオフィシャルホームページより、作者からのメッセージ★

KUMONがうた・読み聞かせを応援【ミーテ】 「パパトラ」絵本紹介情報ページ

●平田昌広さんインタビュー 「読み手と聞き手の力を引き出す絵本をつくりたい」

●きむらゆういちさんインタビュー「読み聞かせは十人十色。力まず自然に読んで」

☆書店員の感想

ママトラの事もコトラの事も大切に想っているパパトラは、トラの掟を守るために、二人の側から離れて暮らしています。遠くから美しいママトラと元気に育っていくコトラの様子を見ているだけで、十分嬉しく思っています。

パパトラはママトラとコトラの事を大切に思っています。しかし、そんな大切な二人の元を離れて暮らさなければならないトラの世界の掟がありあます。切ないですね。トラの世界って。しかし、掟を守りながらパパトラには出来ることがあります。遠くから二人を見守り、ママトラの元気にしている様子やコトラの成長を見る事。それだけでパパトラは嬉しくて、幸せも感じています。

ある日、ママトラを狙うオストラがやってきました。隣にいるコトラが邪魔で仕方がありません。コトラに襲いかかるオストラ。それに気がついたパパトラが駆けつけます。危機せまるような、迫力あるオストラ同士の戦いです。どちらが勝つのか!?

美しいママトラです。とても魅力があるんですね。そんなママトラを狙ってオストラが忍び寄ります。そして邪魔なコトラを邪魔に感じています。トラの世界ならではですね。自分のものにする為に、コトラをいきなり襲うのです。大人のトラに襲いかかられては、命の危険を感じますね。一瞬の事でもしかしてコトラは驚く暇もなかったのかもしれません。そんな時に、いつもコトラを見守るパパトラが危険を感じ、急いで助けに来ました。「俺の息子に何するんだー!!やめろーーー!!!」と言っているようにも感じます。爪を立てて牙をむき出しにして、オストラにつかみかかりました。

オストラ同士の戦いです。歳は関係なく、どちらが強いかの世界です。子どもと奥さんを守りたいパパトラと、好きなメストラをものにしたいオストラ。

さあ、どちらの力が強いのか。どちらのパートが強いのか・・・?!オストラとパパトラの取っ組み合いのケンカは、まだ決着がつきません。お互いに爪を立てて相手の背中や肩に食い込ませて、相手に参ったと言わせるために命がけで戦います。そして、パパトラの背中にオストラの爪が食い込んだ時、怒りや痛みでパパトラは大きな声で「がががががーーーーっ!!!」と吠えました。一気に相手を倒し負かした展開となりました。

勝負あった・・・。パパトラの勝利です。オストラはよろよろとその場を立ち去りました。

恐ろしさで震えるコトラの元に駆け寄るパパトラ。そして名乗ってもいないのに、コトラには感じる物がありました。『パパ?パパなの?』 それに対してパパトラの反応は?

勝負が終わった頃、ようやくコトラが震えていることに気が付いたパパトラです。目の前の戦いの恐ろしさや、自分自身が襲われた恐怖で、震えていたのでしょうか。そんなコトラの側に寄り、「大丈夫か!?」と顔を近づけました。

すると、コトラの震えは次第におさまっていきました。この声・この温かさ。覚えがあるな。僕を助けてくれたこのトラって、もしかして・・・『パパ?・・・ねぇパパなの??』

コトラはパパトラに聞きました。

本当は、返事をしてあげたかった事でしょう。抱きしめてやりたかった事でしょう。これからも側で守ってやりたいと強く思った事でしょう。しかし、すぐにコトラから離れなければなりません。子育てはメスがするもの。それがトラの掟なのです。

あえて、自分が何者か名乗らず、その場を去っていきました。コトラをなんども振り返るパパトラです。寂しいでしょう。辛いでしょう。きっと心の中で泣いていたでしょうね。

でも・・・大丈夫です。コトラにはちゃんと伝わっています。パパである事も、仕方なく側にいられないことも、きっと自分を愛してくれている事を。離れていくパパトラに聞こえるように力を込めて叫ぶのです。『おーい!パパ。ありがとう!!』

最後に、今日もパパトラは小高い丘の上から、コトラとママトラをそっと見守っています。本書の裏表紙を見てください。実はね、ママトラとコトラもパパトラをそっと見守っているようですよ。パパトラには気が付かれないようにね。この事は、ここだけの秘密です・・・★

パパトラ裏表紙
よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。
     
    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭としての感想などご紹介出来たらと思っています。