ゆっくとすっく と やだやだおばけ

ゆっくとすっくとやだやだおばけ 表紙

「やだやだ!」「イヤイヤ」の時期にピッタリ!『やだやだおばけ飛んでいけ!!』と、親子で一緒に明るくポジティブに乗り切りましょう!

☆3つのおすすめポイント

  1. 今日のゆっくとすっくはいつもと違います。お友達におもちゃを貸したり順番を代わるののを嫌がります。よーくみると”やだやだおばけ”が二人についていました。あら大変!
  2. 「やだやだ」言ってしまう自分は嫌!おばけなんていなくなれ!みんなと遊びたいんだ!と、強い思いをおばけにぶつけます。さあ、お友達と元通りの関係に戻れるかな?
  3. ゆっくとすっくは幼児期の子ども。お友達との関りを通してお友達との関わり方や・遊ぶ時のルールが描かれています。相手の気持ちを考えたり、ルールを教える時にも役立ちます。

☆際立った特徴

「あまりキャラクター化しすぎないようにと心がけながら、幼児期の子どものかわいらしさを強調して、2.5頭身ぐらいの感じで描きました。」と、作者さこももみさんはインタビューで話されています。

「ゆっくとすっく」シリーズでは、生活習慣やのお友達との関わり方、遊ぶ時のルールなどを、小さな子にも分かりやすいように描いています。

その中でも本書は、子どもなら、必ず一度は経験する、何でも「いやいや」な気持ちについて、ゆっくとすっくを通して、読者の子ども達に「イヤイヤ」な気持ちにならずに、お友達と仲良くできるた方がいいよね。親切にできると嬉しいね。と伝えるストーリーです。

参考文献】 KUMONがうた・よみきかせを応援[ミーテ] 絵本作家さこももみさんインタビュー

☆あらすじと書店員の感想

今日のゆっくとすっくはいつもと違います。お友達におもちゃを貸したり順番を代わるののを嫌がります。よーくみると”やだやだおばけ”が二人についていました。あら大変!

いつも仲良しのゆっくとすっくの様子がいつもと違います。お友達におもちゃを貸してあげるのは「やだ!」、借りたおもちゃを返すのも「やだ!」。滑り台で遊ぶ時も順番守るのも「やだ!」だし、ブランコを代わってあげるのも「やだ!」なのです。

周りのお友達はみな困ってしまいます。これじゃみんなで一緒に遊べないよね。ゆっくとすっくばかり遊んで自分たちは遊べなくてつまんない!と怒ってしまう子もいます。

『それにしても、こんなにいつもと違うなんて・・・なんだか変だね。』

二人は自分がいつもと違っていることを全く自覚していませんが、お友達が気がつきます。

よーく見てみると・・・。二人の影の中に目と口がついています。ニッコリ笑ってゆっくとすっくを見ています。「ぎゃぁー!!!おばけになってるー!!」と驚いた一同。

走って逃げてもついて来るし、お友達に助けてもらおうとしたけど、みんなも怖がってゆっくとすっくの側から逃げていきます。

「どうしよう!どうしよう!誰か助けてよ。」と、涙を浮かべた二人です。

「やだやだ」言ってしまう自分は嫌!おばけなんていなくなれ!みんなと遊びたいんだ!と、強い思いをおばけにぶつけます。さあ、お友達と元通りの関係に戻れるかな?

ゆっくとすっくは、気がついたのかもしれません。このままではお友達と一緒に遊べない事を。そして、「やだやだ」言ってしまう自分がこのおばけを呼んでしまったことを。

二人は勇気を出します。そして今まで怖がっていたやだやだおばけに対して、泣きながら怒って気持ちをぶつけます。

『やだやだおばけは飛んでいけ!!お空の向こうへ飛んでいけ!!』

やだやだおばけはビックリ!!まさかこんな事言われるとは思ってもみなかった!といった表情です。

そしてそれを見ていた神様の力なのか、急に強い風が吹いて、やだやだおばけを吹き飛ばしてくれました。はあ良かったね。と読者はひと安心する場面です。

しかし、これで一件落着ではありません。やだやだおばけがいなくなっても、ゆっくとすっくが今までお友達に「やだやだ」言って困らせていた事は事実。どうしよう。みんな許してくれるかな?と不安そうな顔をしています。でもみんなと遊びたいんです。みんなと一緒がいいんです。勇気を出してお友達に言いました。

「ねぇ、また遊んでくれる?」

もちろんだよ!とお友達はニッコリ笑顔で二人を歓迎。良かったね!良かったね!と感じるラストシーンでした。

ゆっくとすっくとやだやだおばけ 裏表紙

ゆっくとすっくは幼児期の子ども。お友達との関りを通してお友達との関わり方や・遊ぶ時のルールが描かれています。相手の気持ちを考えたり、ルールを教える時にも役立ちます。

本書の二人ように今まさに我が家の4歳の娘が、「あれがいい!これがいい!」「それはやだ!」など、ワガママをよく言っています。ワガママブームです。

「また言っているよ」と割り切れる時と、こちらもイライラしてしまう時があります。そんな時には、本書のように『やだやだおばけがついているのかな?』『やだやだばかり言ってると、ママも遊びたくないよって言うよ!』と声を掛けてみるのも、いいアイデアだなと思いました。

何でも「やだやだ」言ってしまうのは、本心ではないよね。きっとおばけがついているからだね!そんなおばけは風さんに頼んでどこかへ運んでもらおう!と、ポジティブに明るい気持ちで、このワガママブームを乗り切れるかなと思いました。

他にも、ブランコの乗り方や、お友達におもちゃを貸してあげるなど、お友達との関わり方を本書を読みながら話したり、教えたりするのに役立つと思いました。

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。