3じのおちゃにきてください
お友達とお茶を楽しみに出掛けませんか?お話し好き・お料理好きにピッタリ!
☆3つのおすすめポイント
- 「みどりのみどり」さんからのお手紙。誰からかわからないお誘いに乗って、会いに行くまりちゃんです。”3時のお茶”と言えば、美味しいお茶と甘いおやつが浮かびます。まりちゃんが途中で出会ったお友達も、きっと楽しいお茶会をイメージしてついてきます。
- 「みどりのみどり」と書いた家で待っていたのはカエルちゃん。おっとっとっ!カエルちゃんが用意したケーキをひっくり返してしまいました。どうしようか・・・みんなで考えます。
- ちょうどみんなで持ち寄っていた材料で、パンケーキを作る事にしました。出来上がった大きいパンケーキにみんな笑顔でいただきまーす!!みんなで作ったから更に美味しさが倍増します!
☆あらすじ
まりちゃんが小川の傍でレンゲを積んでいると、流れてきた笹船に緑色のクレヨンで書いた手紙が結んでありました。手紙には【3じのおちゃにきてください。ともだちをつれてきてください。けーきをつくってまってます。みどりのみどりより★】と書かれています。「みどりのみどりって誰かしら?でも、ケーキがあるんだもの、行かなくちゃ!」
まりちゃんが小川にかかる橋を超えると、友達のゆきと君に会いました。『みどりのみどりって誰だろうね?僕も行っていい?』一緒に行くことにしました。
まりちゃんとゆきと君が坂道を上っていると10ぴきのありが砂糖を抱えて歩いています。手紙の話をすると『ケーキ!ケーキ!僕たちケーキ大好物!』一緒に行くことになりました。
まりちゃんとゆきと君とアリがポプラの木の下に来ると、リスがくるみを食べていました。『僕も仲間にいれておくれよ。おみやげにクルミを持っていくから。』一緒に行くことにしました。
井戸のところまで来るとアヒルがシーツをカゴに取り込んでいます。『私もお供させていただくわ』。水車場まで来るとロバが粉の袋を背中に乗せてやってきました。『わしもいかせてもらおうかな」。まきばのそばまで来ると、牛が牛乳の缶を運んでいました。『わしも仲間入りしようかね』。そういって、アヒルもロバも牛も、一緒に行くことになりました。
みんなが小川にそってどんどん歩いていくと、とんがり屋根の小さな家がありました。【みどりのみどり】とドアに緑色のペンキで書かれていました。
ドアが開いて、緑色のカエルが出てきました。”みどりのみどり”というお名前のカエルだったのです。「私達3時のおちゃに来たんだけど」するとカエルはぴょんぴょん跳ねて「まあ、こんなに沢山のお友達!」と喜びました。
でも、ケーキは足りるでしょうか。まりちゃんが心配していますが、かえるは得意になって「大丈夫大丈夫!」と家へ入っていきました。
やがて戸口から大きなケーキをカエルが運んできました。あっちへふらふら・・・こっちへふらふら・・・あら、あら、あらら、すってーーーん!!!みんなはため息をつきました。
しかしまりちゃんは思いつきました!「そうだ、みんなで持ってきたものでケーキを作りましょう!」みんなで協力してケーキ作りを始めました。フライパンで焼いた何枚ものけーきを重ねてシロップをかけ、クルミをのせると、ほら美味しそうなケーキが出来ました。
「さあ、お茶にしましょう!」みんなでカップをもって『かんぱーい!!』
その時、家の時計がぼーん ぼーん ぼーん と3つ鳴りました。
☆際立った特徴
川から流れてきたお手紙を見て、誰だかわからない”みどりのみどり”さんからのお手紙。まりちゃんがそれに書かれた場所までお茶をしに行きます。途中で出会うお友達も一緒になって向かい、そこで待っていたのは、”みどりのみどり”という名前のカエルさんでした。
ケーキを作って待っていてくれたのですが・・・。さて、みんなで3時のお茶を楽しむことができるでしょうか。
初版が1977年。少し古風な絵の中に、穏やかな雰囲気を感じることが出来ます。今まで穏やかだったのに、カエルが、用意していたケーキをおっとっと!すってーん!!と、転んでひっくり返してしまいます。急にコミカルな展開です。さて、お茶会を楽しむにはどうする??みんなで知恵を出し合います。
☆書店員の感想
「みどりのみどり」さんからのお手紙。誰だかわからないお誘いに乗って、会いに行くまりちゃんです。
笹船に乗って届いたお手紙、素敵ですね!書かれていたのは、【3時のお茶のお誘いと、地図。友達を連れてきてください。】でした。とっても素敵なお誘いですよね!誰からなのか分からないけど、行ってみたいな、会ってみたいな!と、まりちゃんは思った事でしょう。
せっかく誘ってくれたお茶会です。手土産が必要ですよね。実は、ピンク色のレンゲ畑で花摘みをしていたまりちゃん、カゴいっぱいに花を積んで持って行っています。「お誘いありがとう!」とみどりのみどりさんへ渡そうと思っているのかな?
”3時のお茶”と言えば、美味しいお茶と甘いおやつが浮かびます。まりちゃんが途中で出会ったお友達も、きっと楽しいお茶会をイメージして着いてくることにしたのかな?
途中で買い物のお手伝い中のゆきと君に出会いました。”みどりのみどりさん”からお手紙を受け取って会いに行くと聞いたゆきと君は、一緒に行くことにしました。そして、道中で出会ったアリさん達、牛さん、ロバさん、アヒルさん、リスさんもまりちゃんから話を聞き、”みどりのみどりさん”のお茶会に行くことにしたのです。
でも手ぶらでは行けません。それぞれ、その時に持っていた卵や砂糖や小麦粉、牛乳を持ってまりちゃんについて行きました。
さて、手紙を受け取ったまりちゃんはともかく、他のみんなはどうしてついて来ることにしたのでしょうか。
「3時のお茶って楽しそう!」「美味しいケーキをいただけるかもしれない」と思ったのでしょうか。それとも「みどりもみどりさんに会ってお友達になりたかった」からでしょうか。私は、両方のような気がします。
だって、会ったことのないお友達が、お茶に誘ってくれているんですもの。そしてまりちゃんやゆきと君、動物のお友達もいます。ケーキも作って待っているみどりちゃんに、これは会いに行くしかない!。そしてみんなでお友達になって楽しくお茶を楽しみたい♬
きっと、そう思ったのではないでしょうか。
ちょうどみんなで持ち寄っていた材料で、ケーキを作る事にしました。出来上がった大きいケーキにみんな笑顔でいただきまーす!!
小川にそってどんどん行くと、小さな橋の向こうに、とんがり屋根の小さな家がありました。ドアに、”みどりのみどり”と書かれています。まりちゃんがドアの鈴を鳴らすと、中からカエルが飛び出てきました。
「3じのおちゃに来たんだけど」
まりちゃんが言うと、カエルは「こんなに沢山のお友達!」と喜びます。まさか、私が書いたお手紙を拾ってこんな沢山のお友達がわざわざ来てくれるとは、夢にも思っていなかったのでしょうね。
しかし、せっかくカエルがお茶のおやつに準備していたケーキを、おっとっとっ!!と、転んで落としてしまいました。はりきって準備したのに・・・と、カエルもガッカリ。そして、みんなも「あーあ」とため息・・・なんだかお互いに・・・気の毒な光景です。
しかし、みんなは気持ちを切り替えて、改めてお茶会の準備を始めます。みんなが持ち寄った角砂糖にミルク、小麦粉、クルミ、卵で、パンケーキを作ることにしたのです。
アヒルが持って来た白いシーツをテーブルクロスにして、まりちゃんが持っていたピンク色のお花を飾ります。みんなで共同作業で作った大きなパンケーキと、温かいお茶。テーブルを囲んで賑やかなお茶会の始まりです!みんなの笑い声が、お茶会を楽しく、そしてパンケーキも美味しく感じさせたのでした。
さて、食べ終わったテーブルに残ってまだ食べているアリさんがいますよ。あらあら・・・みんなはもう居ませんよ。まだまだお腹が空いているのかな?(笑)
- 作品名:3じの おちゃに きてください
- 著者名:作 こだまともこ 絵 なかのひろたか
- 出版社:福音館書店