いろいろおんせん
温泉が好きな子、動物が好きな子におすすめです。動物が温泉に浸かり、いろいろな色に変身します。カラフルで楽しい温泉です!
☆3つのおすすめポイント
- いろんな色の温泉に、いろんな種類の動物たち。色でとことん楽しめます。
- 全身の色があっという間に変わる動物たちの変化にビックリ!いつもの動物のイメージとガラリと変わります。
- 色使い、筆使いが斬新。それぞれの色を大胆に使い、インパクトが大きく、色の名前を覚える学びにもつながります。
☆あらすじ
いろんな色の温泉があります。黄色、ピンク、赤、緑、青…。
誰が入りに来るでしょうか。
1番目に、茶色のゴリラがやってきました。青い温泉に入ります。
不思議なことに、茶色から、青色のゴリラになりました。
つぎに、真っ白なうさぎがやってきました。黄色い温泉に入ります。
真っ白なうさぎが、黄色いうさぎになっちゃいました。
黒と白のしまうまがやってきて、緑色の温泉に入りました。
なんと、黒色の線の部分が緑になって、緑色と白色のしまうまになりました。
今度は、真っ黒なカラスがやってきて、可愛いピンクの温泉へ。
入ると、あらまあ不思議。ピンクのカラスになっちゃいました!
しろくろのパンダ、赤い温泉に入ります。
黒い部分が赤くなり、赤色と白色の、紅白パンダになりました!
そして、裸の子どもがやってきて、虹色温泉に入ります。すると…
虹色の噴水が飛び出しました!とっても鮮やかです。
いろんな色の楽しい温泉に、みんな色とりどり楽しく浸かりました。
☆際立った特徴
表紙からとてもカラフルに描かれています。
いろいろな色の温泉に、いろんな動物たち。動物たちがいつもとは違う色に変化するようすが、いつもの動物から変身するようで楽しくなります。
絵の具の勢いある描かれ方も躍動感があり、ページをめくるごとにいろんなカラーが飛び込んできて、つぎつぎ新しい世界観が広がるようです。
動物の名前や色の名前を自然と覚えることにもつながるようで、文章も韻を踏んでいるような、繰り返しのある文章で読みやすいです。
いろいろ温泉、いろんな色の世界に浸かってみると、カラフルで世界の色がより素敵に見えてきます。
☆書店員の感想
●いろんな色の温泉に、いろんな種類の動物たち。色でとことん楽しめます。
いろんな色の温泉、ちょっと気になります。自宅で入浴剤を使って湯船のお湯の色を変えた時、子どもたちはとても喜んでいました。いろんな効能もあるかもしれませんね。
表紙のいろいろおんせんのタイトルは1字ずつ色が変わっていて、タイトルからも色の豊富さを感じます。
「ゆ」ののれんは黄緑色、色の温泉は全部で5色と、虹色が1つの計6種類あります。
動物も、茶色から青色、白色から黄色、白黒から緑色と白色、黒色からピンク、白黒から紅白、最後に7色の虹の噴水が出てきて、ページをめくるごとにいろんな色に変化し、登場してきます。ページごとに主役のカラーがあり、動物とそれぞれの色がとても目立っています。
色が2色しか使われていないページもあり、その色に対する認識がしやすく、インパクトも大きいです。
●色が変わっていく動物たちの変化にビックリ!いつもの動物のイメージとガラリと変わります。
動物たちはそれぞれ、自分で色を選んで入浴したのでしょうか。
真っ青になったゴリラ、黄色になったうさぎ。斬新な色合いですが、可愛くて新しいキャラクターのようで可愛く思いました。
シマウマはどう変身するのかと思いきや黒のシマの部分だけ色が変わり白は白のまま、緑と白のシマシマで、その発想力と意外性にビックリしました。
カラスは、黒色から全身ピンク色になり、もう何の鳥か分かりません。けれど、可愛さが増した感じがしました。
紅白になったパンダも、なんだかおめでたい感じで、愛されキャラになりそうだなと思いました。ちょっとおとぼけた顔がまた愛嬌があります。
最後の男の子と一緒に、虹色温泉に入ってみたいですが、虹色噴水を浴びたら、もしかしたら全身虹色になっちゃうかも…!?そのあとどうしよう!?など、楽しみなような、心配なような不思議な妄想をしてしまいますが、一度冒険してみたいです。
●色使い、筆使いが斬新。それぞれの色を大胆に使い、インパクトが大きく、色の名前を覚える学びにもつながります。
色の温泉から、いい湯加減を感じる白い湯気が出ています。
動物が温泉から出てくるとき、気持ちよくて元気になったのか、水しぶきを上げて出てきていて、そのようすも水しぶきの描写と合わさり勢いがあります。
うさぎのシーンでは、温泉に入る前は白いウサギの背景は黄色でしたが、温泉に入るとウサギが黄色で背景が白色になり、配色が逆転しているところも面白いです。
しまうまの筆使い、緑色になったしまうまも筆で力強く描かれていて、存在感があります。
カラスの全身も黒のベタッとした塗り方ではなく、筆のかすれのような表現も生かされ、カラスの羽の光沢も感じます。
全身ピンクになったカラス、ページいっぱいにピンクで、筆で勢いよく描かれたような、バッと両羽を広げた大胆なポーズがインパクト大で、圧倒されました。少し濃いピンクで影がつけられ、躍動感が増しています。
また、男の子の裸の姿。我が子の後ろ姿と重なる部分があり、とっても可愛いです。プリン、もつもつっとした体つきがなんとも子供らしくて、見入ってしまいました。
虹色温泉に入ると、虹色の噴水が吹き出しました。これは、華やかでたまりませんね。
子どもも大喜びです。何色あるかな、何色があるかなとお話したくなります。
次男は、この絵本にしばらくハマっていて、好きな動物が出てくるのと、色がパッと鮮やかなところが気に入っているようでした。
絵本を開き、「カラスはピンクがだ〜いすき、ピンクのお風呂に入りま〜す!」「キャー、ピンクになっちゃった!」など、自分でお話を作って、動物の名前と色の名前を楽しそうに話していました。1匹の動物に対して、1色の色使いなので、分かりやすいのかもしれません。
また、最後にいろいろおんせんの歌がついています。このページを見て、歌が書いてあると認識したようで、これも自分で作って歌っていました。内容はその都度変わりますが…。(笑)
歌は実際には絵本のお話の文章がそのまま歌の歌詞になっていて、6番目まであります。
歌をお子さんと覚えたら、歌に合わせてお話を読み進めていっても楽しそうです。歌の歌詞に合わせて歌いながら進めていったら、より色や動物の名前も楽しく覚えやすくなるかもしれません。
動物や色に興味を持ったお子さんに、ぜひおすすめです。
ページいっぱいにドーン!と単色で描かれた動物たちのインパクトが面白く、印象強いです。