きょうの おやつは ーかがみのえほんー
鏡を使った絵本で、立体的な体験を!ホットケーキを作りましょう!おままごとも出来ちゃう♬
☆3つのおすすめポイント
- 鏡を使った絵本の世界。立体的に見えて不思議!ホットケーキを作る工程をリアルに描いています。
- 使用する材料や器具の大きさも実物に近いので、絵本の持ち方を工夫すると実際に作っているように感じられる体験型の絵本です。
- 絵本の世界に入ったかのように、おままごと遊びも出来ます。(我が家では兄妹でおままごととしても楽しんでいます。)
☆あらすじ
今日のおやつの支度を始めよう。まずはボールにたまごを割って「かしゃっ」
あなたと私の二人分だから、たまごは2つ、それから牛乳とお砂糖も入れて・・・さあ混ぜましょう!あっ猫のクロがいい匂いに誘われてテーブルの所まで来てしまいました。「クロ!まだ食べれないよ!」フライパンに じゅっ じゅじゅじゅ
甘い匂いと湯気が ほわほわ ほわわ そろそろひっくり返そう!美味しそうな色に焼き上がりました。
さぁさぁテーブルに準備するよ。あなたとわたしのフォークとナイフを並べて お茶を入れて。仕上げはシロップをたっぷりかけて♬
出来たできた!おいしそうなホットケーキ二人分
クロも一緒におやつにしよう! それではみんなで「いただきまーす!」
☆際立った特徴
本書は、鏡のような紙で出来ています。向かい合った絵が映ることで、一つの絵になります。開きすぎると、絵がうまく映りませんのでそこは注意です。
(本書の表紙の裏にも「かがみのえほん」を楽しむコツが描かれていますので、まずはそこから読んでみてください。)
料理作業の”ボウルに材料を入れる・混ぜる・焼く・ひっくり返す”などの工程をピックアップした内容になっています。立体的であり、読み手が作業しているようなアングルで描かれ、使用する材料や器具の大きさも実物に近いので、絵本の持ち方を工夫すると実際に作っているように感じます。体験型の絵本です。
☆書店員の感想
鏡に写して楽しむ絵本ってなんだろう?と心ウキウキして頁をめくりました。そこには、見開きにすると、半面が鏡のような紙に卵が割れた絵と、もう半面には木の板に灰色のお皿の絵が描かれています。開きすぎない丁度よい開き具合に調整すると、あらビックリ‼お皿じゃなくて立体的なボウルに見えます。そして卵がボウルにトロ~ンと落ちていきます。
半面ずつ見ると立体ではないのに、鏡を利用すると調理器具も材料も立体的になり、さらにリアル感が出て驚きます。
特に材料のホットケーキの液をフライパンに垂らし入れる様子は、本物のようにドローッとした感じが際立っているように思いました。
ホットケーキは、フライパンにお玉でドローッと液を入れる時が、完成後の形を決める最重要工程なのですが、丸く生地が伸びていくようにフライパンに流れていきます。気持ちイイ!!いう感覚になりました。
同様にシロップも出来上がったホットケーキにかけるのですが、とろとろとろーと流れるシロップを見ているだけで、甘い甘い匂いがぷーんと香ってくるようです。
●子ども達のおままごと遊び
「不思議ー!すごーい!おもしろーい♬」私の第一声です。違うことをしていた次男を呼びつけ、「これ見て見て!!おもしろいよー!」と、この驚きをどうしても今すぐ共有したくて、呼びつけてしまいました。次男はおやつ作りに興味がある子なのですが、なぜか自分1人になれる場所に持って行ってしまいました。しばらく1人で読んだり試したり。満足して「お母さん、この本すごいね。おもしろい」と感想を聞かせてくれました。
そして、近づいてきた妹にも読み聞かせを始めたのです。「こうやって使うと上手に見えるよ」とお兄ちゃん風を吹かせて使い方を教える次男。その後は何をするのかと見ていると、本書を体験しながら二人でホットケーキを作り、一緒に食べ、”おままごと”を始めました。鏡の向こうを指して「あっちはお兄ちゃんね、こっちは私ね。いただきまーす!」とホットケーキをフォークで刺して口の中に入れるマネ。私にも一口食べさせてくれました。子どもは面白いです。絵本でもおままごとができるんだなーと、発想の豊かさに驚き嬉しくなりました。
- 作品名:きょうの おやつは ーかがみのえほんー
- 著者名:渡邉 千夏 (インタビュー記事)
- 出版社:福音館書店