くすのきだんちは10かいだて
くすのきだんちに沢山の動物達が仲良く、協力し合いながら住んでいます。引っ越しシーズンや4月の進級の時期の読み聞かせにピッタリ!赤ちゃんも生まれるよー!!
☆3つのおすすめポイント
- くすのきだんちには、音楽家・大工さん・看護師・料理人・・・様々な仕事をする、色んな考えを持った人が住んでいます。
- ある日、かけすが空き部屋に引っ越してきました。そしてお嫁さんも!すぐにたまごを産んだお嫁さん。みんな、多賑わいで、大喜びです!
- たまごを狙ったヘビがやってきて、力を合わせて追い払います。そして、たまごからかえった赤ちゃんをみんなが喜びます。
☆際立った特徴
「くすのきだんち」シリーズの第一弾!野原にそびえる10階だてのくすのきだんち。7・8階以外には住人が暮らしています。ある日、かけすが団地をたずねてきて…たまごが生まれて…なんと狙ったヘビが団地に来ます・・・。管理人のモグはどうするのかな!?赤ちゃんを守ってあげられるのかな。
「くすのきだんち」ほど、住みよい住まいはありません。良い風が吹き、住人の誰もがお互いを思い合って、いざとなればたちまち協力して事に当たる素晴らしい仲間たちがここには住んでいるのです。
本書の中に作者、武鹿悦子さんの言葉が書かれていました。『大工さんも看護師さんも料理人も、音楽家もいます。みんなが違う。でも、誰ひとり違う事を憎みません。違う事を認め合うから活かしあえるのです。良い環境は、ひとりひとりの心次第で出現します。』
☆あらすじ
むぐらのもぐは、くすのき団地の管理人です。風と光に包まれて、野原にそびえる10階建て。もぐの部屋はその1階のもひとつ下です。
1階は若い音楽家のきつねが住んでいます。2階3階は仲良しのうさぎの看護師さん、4階はサルの大工さんが住んでいて、どこかの窓が壊れたりドアがきしむと直してくれます。
5階6階は展望台付きリスのレストラン「くるみてい」です。
7階8階は、今空き家です。「早く誰か入居してくれないかなぁ」もぐは眺めて思います。
9階にはふくろうが、10階にはモモンガが、ずっと昔から住んでいます。
ある日、「部屋を見せてもらえませんか」と、かけすが団地を訪ねてきました。広い部屋を探しているかけすは、中を見せてもらい、8階より広い7階を選びました。
ずいぶん荷物の多いかけすのお引越しを、サルの大工さんともぐが手伝います。かけすの引っ越してすぐに、かけすにお嫁さんが来ました。もぐはみんなと庭で賑やかにおめでとうパーティーを開きました。
かけすのお嫁さんが卵を4つ産みました。嬉しいな、嬉しいね。可愛い赤ちゃんが生まれよ!みんな大喜びでお花を持ってお祝いに行きました。
そんなある日のことです。かけすのたまごが生まれたのを聞きつけたヘビが、8階の空き部屋を見に来ました。かけすのたまごを狙っているのです。もぐはリスのコックさんにこっそりと・・・先回りして部屋にバケツで水をまくように言いました。あまりにもひどい7階の部屋を見てヘビはビックリして怒って逃げました。よかった、よかった!赤ちゃんを守ってあげられた!
かけすのたまごがかえりました。朝から赤ちゃんの賑やかなこと・・・。でも、誰も文句は言いません。気難し屋のきつねだって。
みんなみんな、風と光に包まれたくすのきだんちが、どこよりも気に入っています。
☆書店員の感想
くすのきだんちには、音楽家・大工さん・看護師・料理人・・・様々な仕事をする、色んな考えを持った人が住んでいます。
1階に住むきつね。気難し屋だけど、毎朝落ち葉掃きの仕事をしているモグにバイオリンの音色を聞かせてれます。モグも嬉しい気持ちで仕事が出来ているようです。2・3階には仲良しのうさぎの看護師さんが住んでいて窓際に可愛らしい花を飾っています。4階のサルは大工さんで窓が壊れたりドアがきしむと直してくれ、今日も、うさぎさんの部屋の窓を直してくれているようです。5・6階は展望台付きのレストラン「くるみてい」。お客さんを迎える準備中のようです。リスの旦那さんが作る美味しい料理の仕込みの香りが団地中を包み、奥さんは外のテーブルに白いテーブルクロスをかけます。
9階はフクロウ、10階はももんがが暮らしています。2人とも夜に起きて活動したり、外に出掛けますが、みんなは気にしません。7・8階は空き家です。。
「誰か早く入ってくれないかなぁ」
ある日、かけすが空き部屋に引っ越してきました。そしてお嫁さんも!すぐにたまごを産んだお嫁さん。みんな、多賑わいで、大喜びです!
空き部屋を見に来た”かけす”。8階より広い7階に決めました。そして、引っ越しの日サルとモグが荷物入れの手伝いをしますが、何だか荷物が多いなぁ。すると、かけすにお嫁さんがきました。引っ越しと、結婚のおめでとうパーティーを開く住人は、「これからきっと賑やかになるなぁ♩」と喜んでいます。もちろんパーティーの食べ物や飲み物は「くるみてい」の二人が作ってくれたようですよ。愛情やお祝いの気持ちが詰まったパーティー。喜ぶ2人は、もうすっかりみんなにも慣れて、住人の1員になりました。
たまごを狙ったヘビがやってきて、力を合わせて追い払います。そして、たまごからかえった赤ちゃんをみんなが喜びます。
かけすのお嫁さんがたまごを4つ産みました。住人のみんなも自分の事のように喜び、お祝いに集まります。たまごがかえるのが楽しみ!早く赤ちゃんの顔が見たいですね。しかし、雨降りの日、たまごが産まれた事を聞きつけたヘビが、団地にやってきました。かけすの部屋の1つ上の8階が空いています。でも、嫌な予感・・・。ヘビがたまごを狙っているようです。なんとか入居を断りたいモグは、ひらめきました!!
通りかかったリスのコックさんに内緒でひそひそ・・・と話しました。それを聞いたリスは8階へバケツを持って先回りし、部屋中に水を掛けました。びちゃびちゃな部屋にやってきたヘビは、『雨漏りひどいですけどいいですか?』とモグに案内され、「こりゃひどい!」と怒って帰っていきました。作戦大成功!!ヘビを追い払うことが出来ました。赤ちゃんを守ってあげられたのです。
さあ、かけすのたまごが無事にかえりました。生まれたばかりの赤ちゃんは泣くのが仕事ですからね、朝から賑やかなこと。でも、誰も文句は言いません。逆に赤ちゃんの鳴き声を聞くために6階のレストランに集まっちゃう程、赤ちゃんの誕生を喜んで見守っています。
みんな、風と光に包まれたくすのきだんちが、どこよりも、どこよりも気に入っています。
きっと空き部屋もすぐにうまることでしょう。どんな仲間が引っ越して来るのかな?今後が楽しみですね♩
- 作品名:くすのきだんちは 10かいだて
- 著者名:作 武鹿悦子 絵 末崎茂樹
- 出版社:ひかりのくに