ごはん ごはん

ユーチューブで絵本専門書店員が詳しく解説しています

ごはんが大好きな子にピッタリ!!ほかほかごはんの美味しい食べ方が、本物のような絵でたくさん描かれています!においまでただよってきそうな、仕掛け絵本です。

☆3つのおすすめポイント

  1. とっても美味しそうなごはんのバリエーションが盛りだくさん!なにを食べようかな?季節感を感じられるものもあり、ほかほか炊き立てごはんが恋しくなります。
  2. ごはんのリアルさもさることながら、器やランチョンマット、箸、箸置きも毎回違っていて、細かく質感を大切に描かれています。テーブルコーディネートも参考になります。
  3. どのごはんが好きですか?わたしはやっぱり…。夕飯に真似してみようかな、というアイディアだったり、子どもの好みを聞いてみるのもいいかもしれませんね。

☆あらすじ

ごはんの上に梅干しがのっています。温かな大根とうす揚げの味噌汁に、いんげん。梅干し、すっぱいかな、すっぱくないかな、…やっぱりすっぱい!

つぎは豆ごはん。キャベツのお味噌汁と卵焼きで、春らしいです。

さらにつぎは、ごはんのお供といえば、そう納豆です。アスパラガスが入ったお味噌汁と、色どり鮮やかなピクルスが素敵!

今度はふりかけごはん。わかめのお味噌汁とおくらのおひたしが食欲をそそります。ふりかけをかけると、ごはんがパッと明るくなりますね。

つぎは鶏そぼろごはん。ヤングコーンの入ったスープに、ブロッコリーとゆで卵の入ったサラダが美味しそう。取っ手のついたお茶碗にスプーンが添えられていて、小さな子どものごはんかな?ぱくぱく食べましょう。

おつぎは黄色がかわいいコーンごはん。小さなお麩が入ったお味噌汁に、かぼちゃの煮つけです。色どりと夏の季節感を感じます。

つぎはしゃけ茶漬けです。熱いお茶をかけていただきます!付け合わせのきのこも美味しそう。

そして、食欲の秋といえばサツマイモ!サツマイモごはんがほくほく、ゴマが映えています。根菜の味噌汁とたらこも一緒に食べましょう。

たきたてごはん、どうやって食べましょうか。おかわりもどうぞ。

冬は土鍋のごはんも素敵ですね。

ごはん ごはん 表紙

☆際立った特徴

表紙から、とっても美味しそうなごはんが描かれています。

手書きで描かれた絵ですが、写真?本物?と思わせるような卵のツヤ感、ごはん一粒一粒のふっくら美味しそうなようす、箸の質感や箸置きの陶器の感じまで、忠実に描かれています。中のごはんも見れば見るほどお腹がなってきそうなくらい、どれも食べたくなるような描写です。

季節感も感じられ、食べることにより興味を持つようになる絵本です。

また、仕掛け絵本としてページがめくれるようになっているところもあり、ごはんの立体感がより感じられます。

絵本の大きさは19,8㎝×19㎝で、1歳くらいから大人と一緒に読むのにおすすめと絵本のほうでも紹介されていて、長く楽しめる絵本です。大人もきっととりこになりますよ。

☆書店員の感想

●とっても美味しそうなごはんのバリエーションが盛りだくさん!なにを食べようかな?季節感を感じられるものもあり、ほかほか炊き立てごはんが恋しくなります。

表紙の卵かけご飯を見た時から、衝撃でした。写真?いや、よく見ると、手書きだ…。そこから、目が離せなくなってしまいました。卵の黄身と白身の輝き、ほかほかふっくらとしたごはん、中をめくるときゅうりの漬物と醤油が描かれていて、この醤油をたらりとかけて、いますぐかきこみたい!そう思わせるようなリアル感です。

タイトル通り、ごはん、ごはん、と、ごはんが主役の内容ですが、つけ合わせのおかずや味噌汁も立派なメニューです。ごはんを引き立たせているようで、ごはんと一緒だからより美味しさを味わえる、そんな気もします。

梅干しは、そのページが仕掛けになっているのですが、めくると絵がさらに大きく描かれていて、ごはんや味噌汁が、ドーン!と目の前に現れたようです。見れば見るほどすっぱさで口の中がつばでいっぱいになるようです。温かくて優しい味の大根の味噌汁も仕掛けをめくると大きくなり、出来立てのにおいが漂ってくるようです。

豆ごはんの豆ひとつひとつの丁寧なツヤと色合い、卵焼きの焼き色もたまりません。味噌汁はきっと春キャベツでしょうか、卵焼きの黄色も相まって、春らしさが生まれています。

納豆ご飯も、とってもねばねばしているんだろうなと想像が膨らみます。箸でちょっとつまんでみたいです。

コーンごはんでは、文章にも夏のつぶつぶ、とあるくらいに夏の元気さが現れていて、かぼちゃの煮つけや、スイカの箸置きも季節感を感じられます。

秋はサツマイモ、冬はかまどのごはんもいいね…、と、春から順番にごはんのメニューから季節の変化もあり、お子さんにも自然とそういった感覚を感じて覚えてもらうことにつながるように思いました。

また、文章も声に出して読んでみると、キャッチフレーズのようにリズミカルで、楽しくテンポよく読むことができます。いくらごはんを「宝石ごはん」と言っているところにも惹かれました。言葉のチョイスも素敵です。

●ごはんのリアルさもさることながら、器やランチョンマット、箸、箸置きも毎回違っていて、細かく質感を大切に描かれています。テーブルコーディネートも参考になります。

ごはんや、おかずが美味しそうに描かれているのですが、それを盛り付けている器や、ランチョンマット、箸などもごはんの美味しさを引き立たせているように感じます。醤油さしの透明感、箸や味噌汁椀の木の柔らかな質感、箸置きの陶器のツヤっとしているものやマットな感触のものまで、どれも忠実に描かれています。色鉛筆で描かれているようですが、どのように塗っているのかな、と気になって見れば見るほど、写真のように見えてきたりして、不思議な感覚に陥る時がありました。土鍋の下の鍋敷きの藁のような縄のようなものも、ほかのものとはやはり違う質感で描かれていて、素材の雰囲気が丁寧に表されているように思いました。

また、本の最後に絵を描かれた内山さんの言葉が書かれているのですが、「お米が主役の本で、鮮やかに描くように心がけたけれど毎回苦戦した」、と書かれています。そして、一番難しかったのは布の柄で、下書きを怠り端から書き出すとズレが生じてしまうそうです。また、陶器の質感は色鉛筆を擦り込むように塗っていくことで出てくるそうです。そういった視点から絵を見てみると、新たな楽しみや発見、感動があるかもしれません。

毎ページ違う食器、ランチョンマット、同じとするものはありませんので、隅々まで目で見て楽しめます。

●どのごはんが好きですか?わたしはやっぱり…。夕飯に真似してみようかな、というアイディアだったり、子どもの好みを聞いてみるのもいいかもしれませんね。

青いリンゴの絵が描かれた子どもの器に、鶏そぼろごはんが盛られています。

我が家の子どもたちも大好きなメニューで、このごはんの日はあっという間に完食してしまいます。ヤングコーンのスープはとても参考になりました。

どのページを見ても、「食べてみたい!」という気持ちが湧きたってくるように思いました。お子さんが苦手な具材でも、この絵のように描かれていたらいつも見ているものと違って見えて、美味しそうに目にうつるかもしれません。

どれが食べてみたい?今度作ってみようか、と、親子のコミュニケーションが生まれそうですね。

また、裏表紙には箸について描かれています。手の大きさにピッタリのお箸の長さの説明があります。手の親指と人差し指を90°に開いた長さを「ひとあた」と言い、これを1,5倍にした長さがピッタリのお箸の長さだそうです。そして6種類の長さのお箸が描かれていますので、実際に手に合わせてピッタリな長さのお箸を探してみるのも良さそうです。

お箸の練習も、慣れるまで子どもも大人も大変ですが、手に合ったサイズで気に入ったデザインのお箸などがあると、楽しく行えるかもしれませんね。もうすぐ4歳の次男はまだまだ格闘中ですが、家族みんなと同じように使えるようになりたいと思っているような感じがします。成長のひとつですね。

炊きたてのごはんを、素敵な器やお気に入りのお箸で食べる。季節の美味しさも取り入れながら、絵本を通じて味わってみてはいかがでしょうか。

ごはん ごはん 裏表紙
にむさん
  • にむさん
  • 現在4年生と年長の男の子、1歳の娘の育児に奮闘中です。
    兄が弟に、さらに最近では弟が妹に絵本の読み聞かせをしてくれるようになりました。子どもたちの姿から学ぶことも多い日々です。
    短大で介護の勉強をし、介護福祉士の資格を持っています。