にんじんとごぼうとだいこん

ユーチューブ動画で保育士書店員が詳しく解説しています

お風呂の前の1冊にピッタリ!野菜がちょっぴり苦手な子にもオススメ!だいこんとにんじんとごぼうの色が違う理由知ってるー?

☆3つのおすすめポイント

  1. 自分たちでお湯を沸かしてお風呂に入るのですが、それぞれ入り方に個性があります。性格の違い・好みの違いはあるけれど、みんな仲の良い畑仲間なのです。
  2. 土の中にいる時は、みんな同じ真っ黒な土色の体で描かれています。どれが誰だか分からないような描き方。しかしお風呂に入った後は一変します。そのギャップが面白さに繋がります。
  3. 昔使われていた桶風呂、そして薪でお風呂を沸かす様子は、現代の子ども達には新鮮な光景。今とは生活用具の違いがあって珍しくて面白い!

あらすじ

昔むかし、にんじんとごぼうと大根は、仲良く畑に土の中に入って暮らしておった。

美味しい水とお日様の光をたっぷりもらって、すくすく育っておった。

ある日の事です。

だいぶ大きくなったので、にんじんとごぼうとだいこんは、みんなで風呂に入ることにしたんだと。

土から「よっこら ひょっこら どっこいしょ」と出てきた3人は、手分けして風呂に水をはって、薪で火をたいて、湯を沸かしたんだと。

にんじんが真っ先に飛び込んだ。が、まだ湯は少しぬるかった。

にんじんは、じーっとつかっておった。

次第に、だんだん熱くなってきたけど、じーっと我慢して入っておったので、にんじんはとうとう真っ赤になってしまったんだと。

次に、ごぼうはじゃぶーんと飛び込んだ。しかし・・・

暑がりのごぼうは、汚れが落ちる前にさっさと、お風呂から出てしまい、にんじんとだいこんに体を洗うように言われたけど、さっさと帰って行ったと。

最後に、だいこんは入る前に風呂のお湯を水で薄めてから入り、ゆっくりのんびりつかった。それから、ごっしごっしと体中よーく洗ったので、ピッカピカの真っ白になったと。

こんなわけで、にんじんは赤く、ごぼうは黒く、だいこんは白いんだって。

にんじんと ごぼうと だいこん 表紙

☆際立った特徴

鈴木出版のお話絵本シリーズの中の1冊。

にんじんが赤いのはなぜでしょう?ごぼうが黒いのは?大根が白いのは?考えた事ありますか?

昔から語り継がれるとってもユニークで愉快な話に、和歌山静子さんの絵が、野菜達に軽快な動きや温かみ、個性を加えています。お風呂に入る前の姿は、真っ黒いボディーに目と手足がついているので、これは本当に野菜!?!?と思えるほどの描き方。なんだか妖怪にさえ見えてしまいます。でも、お風呂に入った後は、真逆で、とっても可愛らしく、見慣れた野菜だと分かります。その前と後でギャップが大きい所が、本書の面白さです!そして話を盛り上げてくれるポイントです。

【参考文献】・「メルヘンハウス」インタビュー

・「KUMONがうた・読み聞かせを応援ミーテ」 絵本作家和歌山静子さんインタビュー 『絵本は心を育てる大切な栄養素』

☆書店員の感想

自分たちでお湯を沸かしてお風呂に入るのですが、それぞれ入り方に個性があります。性格の違い・好みの違いはあるけれど、みんな仲の良い畑仲間なのです。

3本のお風呂の入り方は、それぞれに個性があります。

あわてんぼうな人参は、まだぬるいうちから入ってしまい、じーっとつかっていたら、上がり時が分からなくなってしまい、のぼせるまで入ってしまったため、体が真っ赤になってしまいました。なんてお茶目な人参でしょう。

次に入ったのはごぼうです。熱いままのお湯に急に飛び込んだごぼう。体が細いのもあってその熱さにビックリ!!すぐに上がってしまいました。そーっと入ったら、もしかしたらもっと湯につかれたのかもしれなかったのに残念ですね。しかし体はまだ真っ黒!「体を洗わないと!」と人参や大根に声をかけられましたが、『いいの!いいの!お先に!』と帰って行ってしまいました。なんてせっかちで自由なごぼう。

最後にさし水をしてからお風呂に入ったのは、慎重派の大根です。少しぬるくなったお湯の中に、ゆっくり入って、しっかり体をゴシゴシと磨きます。ゴシゴシしているとどんどん土が流れて、つるつるでピッカピカの真っ白い体になりました。

3人の性格はバラバラ。でも畑で長い間、隣同士で成長してきた3人は、やっぱりとっても仲がよいのです。 

土の中にいる時は、みんな同じ真っ黒な土色の体で描かれています。どれが誰だか分からないような描き方。しかしお風呂に入った後は一変します。そのギャップが面白さに繋がります。

土の中で暮らしていた人参とごぼうと大根。土から少し出ている根っこの部分に目が描かれています。3人は並んで植えられています。土の中で沢山の水分とお日様の光をたっぷり吸収して、すくすくと育ちました。3人の表情はニコニコとしています。そして葉っぱが大きく青々と伸びています。きっと目の下の部分(根っこの部分)も大きく育ったのだろうなと期待してしまうような成長です。

ある日のこと、3人は相談して風呂に入ることにしました。

土の中から両手をニョキニョキと出して、体をぐーっと土から出しました。体も両足も出て自分たちで自由に動くことが出来るようになりました。

なんだかちょっと、妖怪のようにも見えてしまう風貌です。「えっ!?なに?何が動いているの?」と心配になってしまう子もいるかもしれませんね。

しかし、お風呂で土を流した後の姿は、とっても愉快で可愛らしく見えてきます。

人参や大根は、なんと気持ちよさそうな表情でしょう。ごぼうは、なんてせっかちなんでしょう。そんな3人の描き方のギャップが大きい所が、この物語をより面白くさせていると思いました。

個性的な3人の性格ゆえの、お風呂の入り方。それに伴った体の色だったんだなんて・・・なんて驚きの展開。

そして、なんとなくその結果に納得してしまう面白さがあります。

昔使われていた桶風呂、そして薪でお風呂を沸かす様子は、現代の子ども達には新鮮な光景。昔から語り継がれる昔話だからこそ、今とは生活用具の違いがあって珍しくて面白い!

風呂桶に水を入れ、薪を集め、湯を沸かします。3人の息の合った風呂準備です。こんな様子を目にするのは初めて!という子ども達もきっと多いと思います。

現代のお風呂は指一本でボタンを押したらお湯が沸くものが主流になってきていますから、きっと薪で湯を沸かすなんて想像すらつかない物ではないでしょうか。

きっと子ども達は「どうして木を集めているの?」「これは何をしているの?」と不思議がいっぱいなのではないでしょうか。

ぜひ、こんな時代があったのだと教えてあげて欲しいと思いました。昔の暮らしを知れる所も民話・昔話のとても面白くて良い所だと思いました。

野菜が主人公の本書は、お野菜がちょっぴり苦手な子にオススメです。土の中でたっぷり美味しく成長して、お風呂に入ってキレイになった野菜達に、きっと興味が出ることでしょう★

にんじんと ごぼうと だいこん裏表紙
よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭としての感想などご紹介出来たらと思っています。