はいてほしいくつしたのおはなし

はいてほしいくつしたのおはなし表紙

古くなった靴下は用済み?いえいえ、ちゃんと活躍する時がやってきます!自分で洋服を選べるようになった3歳頃からオススメ!

☆特徴

  • 靴下の気持ちが分かる。
  • まあちゃんが履いてくれないなら、と、他の物に履いてもらうという面白さ。
  • 古い靴下だからこそ活躍できる日があります!
  • 毎日お世話になっている靴下にピックアップ!縁の下の力持ち!毎日ありがとう!感謝するきっかけに。

☆読み聞かせのポイント

  • 新しい物があると、ついそればかり履きたくなるのは、不思議なことに子どもも大人も一緒。でも、古い物も捨てずに取っておけば、絶対役立つ時があるんです!!そんなお話をしてあげると◎
  • 靴下を他の物に履かせてみるとどうなるかな?実際にやってみたら面白いかも?(食べ物は新しい靴下でする方が安心)
  • 実は毎日お世話になっている靴下。ポーンと脱ぎ捨ててある時ありますよね・・・。そんな時には本書を読んであげましょう!!大事にしようよ!と伝わるはず。

☆あらすじ

白くて赤のラインが入った靴下。

彼らはまあちゃんの靴下。

まあちゃんに履いてもらえるととっても嬉しいんだけど、

最近、まあちゃんが選ぶのは新しい靴下ばかり・・・。

僕たちもう履いてもらえないのかな・・・。そんなの嫌だよ。

それなら、他の誰かに履いてもらおう!

ハンガーはどうかな?

バナナは?

おたまやコップやサボテンなんてどう?

どれもシックリこないね・・・。

スイカなんてどうだろう?だめだめ!生地が伸びちゃうよ!

やっぱり僕たち、まあちゃんに履いてもらいたいな。僕たちの事忘れちゃったの?

今日は、何の靴下を選ぶのかな?

あ!?僕たちの出番だ!

やったー!今日は運動会だ!!

泥んこになったけど、僕たちとっても嬉しいよ!

だって僕たちは、まあちゃんの靴下だからね♬

☆書店員の感想

左右ペアの靴下。「僕たちはまあちゃんの靴下なんだ!」ということに誇りを持っています。まあちゃんに履いてもらえるだけでとっても嬉しい靴下達なのですが・・・最近出番が少なくなって・・・。

今までしょっちゅう出番があった主人公の靴下達。しかし新しい靴下がタンスに仲間入りした途端、まあちゃんは新しい靴下ばかり履くようになり、なかなか出番が来なくなってしまい、とっても悲しい気持ちです。

そんな靴下達は誰かに履いて欲しくて、家にある色んなものに履いてもらう事にしました。「バナナはどうかな?ジュースが入ったコップはどうかな?サボテンなんてどうかな?」

しかし、やはり人間の足用に作られた靴下はどの形にも合いません。かぶせる事は出来ても靴下自身が「なんか違うな・・・」とシックリこない事に気がつくのです。

もう・・・このまままあちゃんにも履いてもらえず、他に履いてもらえる物も無く、捨てられてしまうのでしょうか。不安でいっぱいの靴下達・・・。

本当は古い靴下には感謝しないといけないと思う・・私(母)です。

靴下は、新しい物を買うとついついそればかり履いてしまいます。そんな気持ち、私も持っています。なんか新しい物を身につけると気持ちが良いというか。

かといって、古い靴下をすぐに捨てるかというとそうでもありません。だって履き心地がいいんですもん。いつか必要な出番が来るだろうと思って、とって置いています。

なんだか本書の靴下君達を見ていると、私のその古い靴下の事を言っているように思えてなりません・・・。

もしかして「今日履いてもらえるかな?」と期待して待ってくれているかもしれませんね。

我が家の子ども達の靴下の話をすると、TPOに合わせて、靴下をストックしています。

キレイな靴下と、普段学校に履いていく靴下と、学校行事で絶対泥んこになる時に履く用の靴下です。(靴下だけでなく洋服も同じように分けてとって置いてあるのですが・・・と、その話は置いておいて。)

本書の主人公の靴下たちは、運動会の日に履いてもらえてとっても喜んでくれています。それが泥んこになる運動会だとわかっていても、出番が来る事がとても嬉しいのです。

出番が来たら「よーし!泥んこになってもいいよ!頑張って!」と、靴下達がまあちゃんにパワーを送っているようにも感じさせます。そんな描き方です。

素敵ですね。普段出番は少ないけど、汚れても大丈夫な服や靴下は、母にとっても助かる存在です。だから本当は、「いつも汚れてくれてありがとうね」と感謝しないといけないのかもしれませんね。笑

泥んこになった靴下達の選択されて干されている顔は、とっても清々しい!!

靴下達は、履いてもらう事が仕事であり生きがい。そんな事が伝わってくるお話でした。

まあちゃんに運動会で履いてもらっている時も洗濯されて干されている時も、嬉しい気持ちでいるようでしたし「まあちゃん頑張れー!」といつもエールを送っているように感じました。

そしてラストシーンは、洗濯された運動服と靴下達がキレイに畳まれて、後は片付けられるだけ!という状態が描かれています。

仕事をして満足げな表情にも見える靴下達。最後にそっと呟きます。

「まあちゃん、また履いてね!」

なんだか、とっても可愛らしくて健気な靴下達だなと、私はこのラストシーンでジーンと来ました。運動会の1等賞のメダルと同じくらい、一生懸命まあちゃんを応援した靴下達や体操服や帽子にも、【頑張ってまあちゃんを応援したで賞】を送ってあげたくなりました。

はいてほしいくつしたのおはなし 裏表紙

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。