はけたよ はけたよ
パンツ、一人で履けるかな?パンツをうまく履けないたつくんと動物たちのかわいいやり取りを応援したくなります。パンツが履けるようになるよう、一緒にがんばりましょう!
☆3つのおすすめポイント
- たつくんは、パンツがまだうまく履けません。なんと、パンツを履かずに外に飛び出して行ったたつくん。大丈夫でしょうか?出かけた先で、動物たちに出会います。
- たつくんは、自分でパンツが履けるようになったでしょうか?衣服の脱ぎ着、小さなお子さんにはまだまだ大変かもしれませんが、たつくんと一緒に頑張ってみましょう。
- 優しいお母さんと、優しい雰囲気の絵。少しずつできるようになればいいんだな、と優しく背中を押して貰えるような気持ちになります。
☆あらすじ
たつくんは、まだパンツがうまく履けません。片足をあげて、パンツに足を通そうとがんばるのですが、どでん!と転んでしまいます。
何回やっても、またどでん!
そのうちにたつくんはだんだん嫌になり、パンツを履かず、外に飛び出してしまいました。
たつくんのお尻は丸見えです。
外を歩いていると、犬、ねずみ、ネコがやってきて、たつくんのお尻をジロジロ見ました。
さらに牛、馬も来ました。そして、たつくんのお尻を見て笑いました。
しっぽがなくて、つるつるのお尻が面白かったようです。
動物たちにお尻のしっぽを見せられて、自慢されたたつくん。
いいやい、いいやい!と、さらに逃げ出して行きました。
たつくんは、田んぼにつきました。
そこには、1本足で立っているサギが。
たつくんは、どうしてサギは上手に1本足で立っていられるのかな…と、不思議に思い、サギの真似をしてみました。すると…
どでん!たつくんは、またしりもちをついてしまって、たつくんのお尻はどろんこになってしまいました。
おうちへ帰ったたつくん。お母さんにお尻をキレイに洗ってもらいました。
めんどくさいなぁ、と思いながらも、たつくんはパンツを履こうと再チャレンジします。
もう、このまま、尻もちついたままパンツ履いちゃえ!と、寝転んでパンツを履いたたつくん。
なんと、履けました!さらに、ズボンまで履けちゃいました!
大喜びのたつくん。さっそく、動物たちにも見せに行きます。
お尻にはしっぽはありませんが、たつくんが履いているズボンは、お母さんが作ってくれたステキなズボンです。動物たちはみんな、いいなぁ、と羨ましそうです。
上手に履けたたつくん。ちょっぴり成長しました。
☆際立った特徴
たつくんが自分でパンツを履けるようになる、成長のお話です。
一生懸命パンツを履こうと頑張るたつくん、お尻丸見えでお外を走るたつくん、パンツが履けるようになって喜んでいるたつくん…どのたつくんも可愛くて、頑張っていて、応援したくなります。
小さいお子さんのお着替えは、なかなか一朝一夕ではうまくいかず、時間をかけて上手になっていくのですね。そんなお子さんの頑張る姿を感じることができます。
そして、それを見守るお母さんの温かい眼差しがとても優しいです。
登場してくる動物たちもにぎやかで楽しく、ほんわかしたイラストで癒やされます。
☆書店員の感想
●たつくんは、パンツがまだうまく履けません。なんと、パンツを履かずに外に飛び出して行ったたつくん。大丈夫でしょうか?出かけた先で、動物たちに出会います。
たつくんはパンツがまだうまく履けません。履こうと頑張りますが、どでん!と転んでしまいます。
我が子たちもでしたが、なかなか片足立ちって難しいですよね。片足で立って、パンツの穴に足を通す…意外と難しいですね。片足立ちで倒れないように何かに手をついて履こうとしても、今度は足がなかなかパンツの足部分に通せないんですね。
自分なりの方法を、自分で試行錯誤して習得していくのかもしれません。
パンツが履けないのが嫌になったたつくん。なんと、パンツを履かずに外に飛び出してしまいました。可愛いお尻が丸見えです。
動物たちに出会い、つるつるのお尻、と笑われてしまいました。
動物たちには立派なしっぽがついていて、人間のたつくんにはしっぽはありませんので、しっぽのないつるつるのお尻が不思議に見えるんですね。
動物たちに笑われたたつくん。さらに逃げてしまします。
子どものつるつるの、むちむちのお尻ってとっても可愛らしいなっていつも思います。次男はちょっと筋肉質なので、きゅっとなっていて、だんだんツルツルぷりぷりではなくなってきたのですが、きゅっとなっているのが羨ましいなと思って、お風呂のときなど見てしまいます。(笑)
確かに、人間にはしっぽがありません。けれど、動物たちについているしっぽも種類ごとに形が違うように、人間にしっぽがない、ということが特徴であり、ステキな個性ですね。けれど、みんなに言われてしまったら逃げ出してしまう気持ち、わかるなぁ…、と思って読み進めました。
●たつくんは、自分でパンツが履けるようになったでしょうか?衣服の脱ぎ着、小さなお子さんにはまだまだ大変かもしれませんが、たつくんと一緒に頑張ってみましょう。
たつくんは、田んぼで鳥のサギに出会い、真似をして、また転んでしまいました。
そして、つるつるのお尻が、どろんこのお尻に。
どうやったら履けるようになるのかな、とたつくんは真剣に考えているように感じます。できなくて悔しい思いもあるのですね。
家に帰って、お母さんにお尻をキレイに洗ってもらい、今度はお尻が汚れないようにパンツを履きます。一生懸命、パンツを履こうと試行錯誤するたつくん。どんな姿勢でも、履けたらオールオッケーですね。尻もちをついたまま、パンツを履いて、なんとズボンも履けたたつくん!できた!!という成功体験がたつくんを大きく成長させてくれるようです。
そして、動物たちに見せに行きました。さらに、ズボンはお母さんの手作りです。動物たちは、手作りのズボンを羨ましがっていました。しっぽもいいけれど、お母さんの温かい手作りのズボンも世界に一つだけ、愛情がいっぱい詰まっていてステキですね。
長男のときはどうやってパンツを履けるようになったか忘れてしまったのですが、次男ははじめ、踏み台にも使っている椅子に座ってパンツを履いていました。そのうちに立って履きたがり、しばらくは私に、履かせて、とお願いする日々が続きました。そしてしばらくたったあと、今では自分で片足で立ってパンツを履いています。毎日パンツを履くという行為が、日々練習になって、子どもたちの毎日は、楽しい発見と生活習慣の練習、できた!の積み重ねのようにも感じました。
●優しいお母さんと、優しい雰囲気の絵。少しずつできるようになればいいんだな、と優しく背中を押して貰えるような気持ちになります。
絵はクレヨンと絵の具を使って描かれています。背景はいろんな色が混じり合っていることが多く、子どもの自由さを感じられるように思いました。動物たちの描写も少し抽象的なタッチのようで、独特の雰囲気と躍動感があります。たつくんのお尻を見て笑っていましたが、みんな楽しい仲間たちということも伝わってきます。そして、お母さんの雰囲気もとても優しく描かれています。子ども目線で、安心できる存在象に描かれているように感じました。
たつくんのお母さんは、たつくんが頑張ってパンツを履いているときも、お尻を泥だらけにして帰ってきたときも、温かい表情で見守って受け入れています。
子どもがお尻を泥だらけにして帰ってきたら、冷静でいられる自信がないな…と思ってしまいました。(笑)
たつくんのお母さんのように、優しく声をかけてあげられたら…と思います。
次男はお風呂上がりにパンツを履かずに走り回り、開放感を楽しんでいるようです。最近はやっとパンツを履いてくれるようになりましたが、それはそれで子供らしくて可愛いようにも思えてきました。可愛い子供時代はあっという間ですもんね。
パンツが自分で上手に履けるまではちょっとめんどうに思うときもあるのかもしれません。
けれど、少しずつ身体機能も高まり、ちょっとずつ成功に近づくといいな、と温かい思いで応援していってあげたいと思いました。