ひでよーし

幼児から小学生にもおすすめ!豊臣秀吉が絵本になりました☆面白おかしく、かっこよく、歴史の世界にタイムスリップしたような楽しさです。名古屋弁もステキ!

☆際立った特徴

  • 歴史上の人物が絵本になっているところが珍しい!
  • ギャグ満載、名古屋弁もでーら おんもしろい!
  • 天狗や風神雷神、おおなまず、大仏様も登場します。
  • 幼児くらいのお子さんから、歴史に興味を持ち始める小学生くらいのお子さんにも、幅広く楽しめる!

☆読み聞かせのポイント

  • 「ひでよーし」の韻を踏んだ文章が面白い!そして名古屋弁で話しています。ぜひ、声に出して読んでみてください。
  • 秀吉が困りごとを解決していきます。どうやって解決していくのかな?親子で話しながら読むと、お話が広がります。
  • 秀吉ってどんな人?昔のようすはこんな感じだったの?など、だんだん歴史に詳しくなれるかもしれません☆
ひでよーし 表紙

☆あらすじ

豊臣秀吉が主人公。

早起きして、身支度をします。そして、このごろ仲の良い天狗と見回りに出発します。

天狗と一緒に、白い馬に乗って空を飛び、見回りを始めました。

大仏様のところに行くと、大仏様は足がしびれてしまっています。大変ですね…、どうしたらいいでしょうか?

すると、秀吉は代わりの大仏様を連れてきてくれました。

その間、大仏様は一休みでしょうか。

空では、風神雷神がけんかをしています。雷と雨がひどくて、農家の人も困ってしまっています。どうしましょう…。

すると、さきほどの大仏様がぬっと現れ、風神雷神のケンカを止めてくれました。

大仏様は、仏の顔で穏やかそうですが、怒るとこわいようです。

つぎに、おおなまずのところへやってきました。

おおなまずは名前のとおり大きくて、湖がぎゅうぎゅうに狭くなってしまっています。

もしおおなまずが暴れてしまったら、大地震になりかねません。

そこで、大仏様や風神雷神たちも協力して、湖のまわりを大きく掘り始めました。掘ったところに風神から水が送られ、さらに大きな湖となり、おおなまずも広々とすいすい泳ぎ始めました。そのほかの大仏様や風神雷神たちもそれぞれ自由に過ごしています。

町のひとたちもどんどん集まってきて…

最後はとっても和やかに、にぎやかに、みんなで楽しみました。

☆書店員の感想

ちょっぴり珍しい、歴史上の人物・豊臣秀吉が主役の絵本!幼児から小学生まで幅広く楽しめます。

タイトルは「ひでよーし」ですね。歴史って、なんとなく堅苦しいとか、難しいイメージが(私の中には)あるのですが、このタイトルからはそんなイメージは全く感じられません。むしろパッと見たとき、「ひでよーしって、何だろう!?」とちょっぴり考えました。そして表紙のちょんまげの男の人のようすを見て、「あ、豊臣秀吉かな?」と分かりました。

ですので、まず表紙を見た時点から、お子さんに「ひでよーしってなに!?」と聞かれ、「豊臣秀吉だよ」「豊臣秀吉って誰!?」という会話が始まりそうだなとイメージが膨らみました。

また、表紙の秀吉はこちらをむいてピースサインをしています。ここからも、お話のユニークさが伝わってくるように感じます。うしろに天狗もいて、小さい天狗もピースしているし、なんだか気になる…と、読まずにはいられない雰囲気の表紙だなと思いました。

さらに、お話を読んでいくと、大仏様や風神雷神が出てきたり、おおなまずがいたりと、身近にはいない登場人物ばかりなので、小さいお子さんも小学生くらいのお子さんも、どちらの視点からも楽しめるように思いました。

また、文章もすべてひらがなで読みやすく、「ひでよーし 〇〇よーし」とテンポよく進んでいくのでどんどん読み進めたくなります。

名古屋弁で進むお話。声に出して読むと、面白さが増していきます。秀吉になりきって読んでみましょう。

名古屋弁について、実はあまり知らなかったというのと、都会なので方言がないと思っていたのですが、こちらの絵本を読んで名古屋弁に初めて身近に触れることができました。

「いこみゃー」や「どうしたら えーかしゃん」、「こわゃー」などなど書かれていますが

、「こわゃー」なんてどう発音したらいいのかしら?とちょっと迷ってみたりしましたが、自分の思う感じで話してみたらいいのかもしれません。身近に名古屋弁を話す人がいたらぜひ聞いてみてくださいね。

また、「ひでよーし」は秀吉がみんなに話しかけている言葉でお話が進んでいくので、自分も秀吉になった気持ちで名古屋弁を声に出して読んでみるとより楽しめそうです。話し言葉なので、より日常の名古屋弁に近いような感じもしました。

さらに、自分たちの住む地域の言葉だったらどう言うかな?と、親子で話してみても面白いかもしれません。方言も親世代と子どもたちとでは違っているところもあるように思うので、なんて言うのかなと言い合うと、お互いに新たな発見につながりそうです。

ひでよーし 裏表紙

ひでよーしってなに?から歴史が深まります。子どもの新たな世界の扉が開かれるかもしれません。

この絵本に出会ったとき、私と同様に、「ひでよーし」って一体!?と思うお子さんも多いかもしれません。まだ「歴史」という世界に出会ったことのないお子さんもたくさんいるでしょう。恐竜の世界よりずっとあと。けれど、いま私たちが住んでいる世界よりずっと昔の、お侍さんがいた世の中…。

天狗はいたのかな?風神雷神って、鬼がいたの!?など、はじめての出会いもあるかもしれません。それって何?から興味が広がり、この絵本の登場人物を知るきっかけになると、お子さんの新たな世界が広がって、知るという楽しみが増しますね。

「ひでよーし」の「よーし」の韻を踏んで、ギャグっぽく進んでいくお話で、ユニークさがクセになるようなお話です。お子さんとぜひ秀吉の時代にタイムスリップして、名古屋弁とともに楽しんでみてくださいね。

にむさん
  • にむさん
  • 現在4年生と年長の男の子、1歳の娘の育児に奮闘中です。
    兄が弟に、さらに最近では弟が妹に絵本の読み聞かせをしてくれるようになりました。子どもたちの姿から学ぶことも多い日々です。
    短大で介護の勉強をし、介護福祉士の資格を持っています。