まほうのでんしレンジ
魔法の電子レンジが届いたよ。「はらぺこりんりん♬」さあ、何ができるのかな?料理の楽しさと、家族が増えた嬉しさをダブルで楽しめる物語です。
☆際立った特徴
- 読み聞かせに使える歌付き。(ホームページで曲を聴くことが出来る。)ホームページ
- 背表紙を下にして、上から下にめくる読み方。
- 電子レンジから美味しそうな食べ物が登場!
- リズミカルで、楽しい文章。
- 本物サイズで描かれる食べ物は、どれもすごい迫力!読者はきっと腹ペコに!
☆読み聞かせのポイント
- 文章の中に「はらぺこりんりん」の歌詞があるので、ぜひ歌いながら読んでください。そして、「チーン!」と元気にページをめくって、美味しそうな食べ物達が目の前に広がる喜びを一緒に感じましょう。
- 「〇〇ちゃんは、電子レンジで何が出来たら嬉しい?お父さんはね…」とお話して、想像を膨らませてみましょう!きっと素敵なメニューのリクエストがあるかもしれませんよ。
- 「赤ちゃんが生まれたんだね。」「みんな嬉しそうな表情をしているね」と、赤ちゃんの誕生の喜びを話したり、自分が生まれて無事に退院した時の周りの様子はどうだったのか、ぜひ話してあげてください。きっと喜びますよ♬
☆あらすじ
ある日、僕のうちに大きな段ボールの荷物が届いた。
中を開けてみると、中から不思議な電子レンジが出てきた。
お父さんが電子レンジに空っぽのお皿を入れて、
何にしようかなー?ひとまずオムライスにしようかな。と、扉をしめた。
そして急にお父さんが歌い出したんだ。
【はらぺこりんりん♬はらぺこりんりん・・・♬ちーん!♬】
電子レンジの扉を開けると、空っぽのお皿に大きなオムライスが乗っていた。
お父さん、すごい!!次はラーメンがいい!!と、僕はリクエストした。
空っぽのラーメンのどんぶりを電子レンジに入れて、
今度は僕も一緒に歌ったよ。
【はらぺこりんりん・・・♬ちーん!♬】
するとチャーシューがどっさり乗ったラーメンの出来上がり!
その後も二人で沢山作ったんだ。
かつ丼にスパゲティ、おでんにお寿司に、デザートのフルーツパフェ。
でも、こんなに作って食べきれるかな。
するとその時、玄関のチャイムがピンポーン!と鳴った。
あっ!お母さんだ。お母さんが赤ちゃんを連れて帰ってきたよ。
☆書店員の感想
●前半は電子レンジでお料理する楽しさを描いています。
段ボールから取り出した新品の電子レンジ。新しい家電製品が家に着いたらすぐに試したくなりますよね。お父さんはさっそく空のお皿を入れて作ろうとします。
男の子は「なんで空っぽの皿なのかな??」と不思議な気持ちでお父さんを見守ります。すると、チーン!とレンジが鳴り、なにやら出来上がった様子。
レンジの扉を開けると空っぽのお皿の上にホカホカで大盛りのオムライスが乗っているではありませんか!!男の子はビックリ仰天!!
驚きと同時にワクワクした男の子はあれもこれも!!とお父さんにお願いして、今度は一緒に歌い始めました。
次々に出来上がる美味しそうな料理たち。お父さんも男の子も楽しくて嬉しくて仕方ない様子が、表情からも伝わってきます。
●魔法の呪文のような「はらぺこりんりん♬」。読者も歌って読めるように楽譜と歌詞がついているのが嬉しいポイント。ホームページでは音源を聞く事も出来ます!
二人が仲良く電子レンジの前で歌う様子は、なんだかとっても楽しそうで、私は見ているだけで幸せな気持ちになりました。
料理が出来た嬉しさだけでなく、料理を作る途中のワクワクした感情や、早く食べたいな、上手に出来ているかなと想像してドキドキしてしまう感情を、どのお料理を待つ時にも、読者も一緒に味わうことができます。
まさか空っぽのお皿を電子レンジに入れて、「はらぺこりんりん」を歌っただけで美味しい料理が出来るとは…。私もこんな電子レンジが欲しい!!!と強く願ってしまいました。
まさに、「はらぺこりんりん」は魔法の呪文ですね。
嬉しい事に、「はらぺこりんりん」の歌詞と楽譜付きです!!普通に読むだけじゃもったいない!ぜひ歌って読み進めてくださいね。
●本を90度回転させて、背表紙を下にします。そして上のページを下にめくって読み進めるデザインになっています。本自体が電子レンジに見立てられているという構成です。
本を90度回転させただけで、本物の電子レンジ感が出ます。そして、読者がページをめくるのと、電子レンジの扉が開くという動きがシンクロした構成になっています。「何ができるかな?」「どんなかつ丼が出てくるのかな?」とドキドキした気持ちで料理の完成を楽しみ、ページをめくることが出来ます。
●電子レンジで出来上がる料理の大きさが、ほとんど実物大!!パフェは実物よりも大きいかも。目の前にドカンと登場する料理はどれも迫力があり、美味しそうな匂いや湯気まで感じられます。
美味しそうな料理が8種類も、次々に出来上がっていきます。私の第一印象は、「料理がどれも美味しそうだし、すごく迫力があるな」と言う事でした。すごく美味しそうだという事はもちろんなのですが、迫力があるというのはどうしてなんだろう・・・?と思った時、描かれている料理の大きさが本物と同じ。またはそれより大盛りのサイズだと気がつきました。目の前にドーンと出された料理は、やはり迫力がありますよね。
例えばフルーツパフェはすごいですよ!一人ではきっと食べきれないサイズです。果物にアイスにクリームにポッキー、団子、チョコレートと、たっぷり乗っています。パーティに持ってこいです♬
それにしても二人はどうしてこんなに沢山の料理を作っているのでしょうか。しかも全てが小盛りではなく、大盛りサイズです。
それには最後のお母さんの帰宅シーンが深く関わってきます。
帰宅と言ってもただの帰宅ではなく、おじいちゃんおばあちゃんの付き添いで、赤ちゃんを連れて帰ってきます。おそらくこのシーンは、出産したお母さんと赤ちゃんが退院して、初めて家に帰ってきた様子だと思います。
お父さんと男の子が作っていた料理が、どうしてこんなに多いのか…、その謎が解けましたね♬
新しい家族が増えたお祝いパーティが始まりますよ♬
- 作品名:まほうのでんしレンジ
- 原案: たかおかまりこ
- 作・絵:さいとうしのぶ インタビュー(KUMONがうた・よみきかせを応援ミーテ)
- 出版社:ひかりのくに