めがねうさぎ
メガネっ子にピッタリ!怖いお化けもメガネなしではみえませーん♩
☆際立った特徴
- 「めがねうさぎシリーズ」4作品中の1作。
- 1975年発行。40年以上子ども達に愛され続ける絵本。
- 絵はちぎり絵と切り絵の部分の組み合わせ。登場人物や風景が豊かに表現。
- はらはらドキドキの夜の森へ。
- ちょっと怖く感じるおばけなのに、”見えない”から怖くない♩
- 最後の落ちが、なんともユニーク。
- めがねうさぎのモデルは息子さん 「インタビュー記事」
☆読み聞かせのポイント
- うさこのマイペースっぷりを楽しみましょう!目が見えないからやることが大胆!
- おばけの気持ちを考えると共感できる。一生懸命さが可愛らしささえ感じる。
- 暗くなったらお外には出たらだめだよ!とお話しましょう。
☆あらすじと書店員の感想
目が悪くなった事で起こった、特別な体験を描いています。メガネをかけるうさこのキャラクターがとっても可愛らしい!
緑のチェック柄のワンピースに黒淵のメガネをかける、とっても印象的な風貌のうさこ。
実は、最近目が悪くなったうさこはメガネをかけるようになり、お友達から「めがねうさぎ」と呼ばれるようです。
しかし、悪い気はしていません。周りの子にメガネの子がいないから目立ってしまう恥ずかしさはあるものの、周りとちょっと違う事の特別感を感じている様です。
さて、そんなうさこは、お友達と遊んでいる時はメガネの事なんて全く気にしていません。楽しくて楽しくて、どこかに落としたことなんて全く気がつかない程、飛んで跳ねて走ってと、お花を積んで遊びます。
そして、「今日は楽しかったな」と布団に入る頃、ようやくメガネが無い事に気がつきませいた。今まで大丈夫だった?メガネなしでも見えてた?と読者は驚く展開なのですが、そこがうさこの可愛い性格。お転婆でおっちょこちょいなうさこは、きっと帰ってから布団に入るまでメガネの事を忘れるくらいずっと楽しい時間だったという事でしょう。
・お話の後半におばけが森でうさこのメガネを探し回ってくれるのですが、実はうさこはおばけが必死に探している間、座って休んでいます。その様子を見ても、楽観的でおっとりタイプでかなりのマイペースな性格なのかな?と感じます。
「めがねうさぎシリーズ」が大人気なのには、うさこのこのマイペースは可愛らしさが物語の面白さを深めて、楽しめるからなのかもしれませんね。
メガネを探しに夜の森へ出かけたうさこ。目が見えにくいからこそ、逆に怖くない!だって何にも見えないんです!
昼間遊んだ山へ探しに行くことにしたうさこ。こんな夜中に出かけるなんてと心配になるのですが、うさこはこの山には何度も来た事があるし、道も良く知っている、そして何より目が見えにくい事で、”見えないから怖くない”という、うさこにとって良い条件が揃っているから行けたようですね。
さて、そんなうさこは山でメガネを探します。しかし、フクロウの大きな目がメガネのレンズに見えて掴もうとしたり、ねずみの長いしっぽがメガネのメガネのつるに見えて掴もうとしたり…。フクロウやねずみにしたら大迷惑な行動をしてしまいます。
しかし、うさこは諦めません。森の中へ入って行きます。先ほどよりもっと暗い森の中、そこで待っていたのは・・・誰か来てくれないかなと待っていた”おばけ”だったのです。
うさこを怖がらせる為にメガネ探しを頑張ったおばけ。だけど結局おどかすことが出来ず、逆に自分が驚く羽目に。
はりきって「べろべろばぁー」とうさこの前に飛び出たおばけは、うさこの反応の無さにガッカリ。なんで驚いてくれないの!?怖くないの?と聞くと、うさこは「メガネを落としてしまって、なんだかよく見えないの」と答えました。
どうにか怖がらせたいおばけは必死にメガネを探します。うさこが休んでいる間も、おばけは探し回って汗びっしょり!
ようやく、「見つけたぞ!さぁさぁメガネをかけて僕を見て!!」と、うさこにメガネを渡した途端、なんと朝日が顔を出しました。おばけは「きゃぁ!」と驚いて消えて行ってしまいました。
なんとなんと、うさこを驚かせたい一心で頑張ったおばけが、朝日に驚かされてしまったわけです。なんて可愛そうなおばけ・・・
見えていなかったうさこは、この一件を全く知らないまま、探してくれたおばけが何者だったのかも知らないまま、家に帰って行ったということです。
なんてユニークなエンディングでしょう。見えていなかったことで怖い思いもせず、おばけに助けてもらう事も出来ました。
メガネって色んな意味で便利だと思ったし、”見えない”というのも役立つんだなと、目が悪い私は純粋に感じました。メガネって嫌だな、恥ずかしいなと思っている子にぜひオススメしたい1冊です♩
「めがねうさぎ」の作成のきっかけは、作者せなけいこさんの息子さんのメガネデビュー
「息子が小学校に入って、先生からめがねをかけた方が良いといわれて、めがねを買ったの。でも、クラスでめがねをかけている子が少ないから、気分が落ち込まないように、めがねは楽しいんだよというおはなしを作ろうと思ったのがきっかけ。」とEhonNaviのインタビューで話されています。
発行されて40年、これまで多くのメガネっ子達を勇気づけ、メガネってカッコいい!可愛い!と思うきっかけの一つになったのではないでしょうか。
暗くなったらお外には出たらだめだよ!とお話しましょう。
ファンタジーの面白さを感じる一方で、やはり夜の道は怖いとお子さんと話をするきっかけになる絵本だと思いました。
暗い山の中にはもちろん、夜に家の外に出ることさえ怖い事です。ぜひ、お話を読んだ後に、お子さんとそんなお話をしてみてはいかがでしょうか。