ゆびでさわって どこかな?えほん① ぞうさん
ついつい指でなぞってみたくなる、どうなっているのかな、と気になっちゃう仕掛けが満載!絵もとってもかわいい!赤ちゃんのころからおすすめです。
☆3つのおすすめポイント
- ぞうさんはどこかな?と探しながら、しかけもどんどん楽しんでみましょう!ここはどうなっているのかな?と気になってくる仕掛けがたくさんあります。
- 生き物たちのかわいい表情や、背景や植物のポップなタッチに、この絵本の可愛らしい世界観にどんどん引き込まれていきます。
- 本の角が丸く、カラフルな絵柄とかわいい動物たちで、赤ちゃんのころから手にとって楽しめます。
☆あらすじ
表紙から仕掛けがたくさん施されています。
そして、動物も隠れているので探してみたくなるようなかわいい絵柄です。
赤い鳥がページの中央に飛んでいて、くちばしの大きい鳥が葉っぱの穴から覗く瞳を見つめています。トカゲやトラも興味津々の表情です。
穴から覗いていたのはゴリラでした。青いお顔のゴリラが2頭。
後ろのおさるが、次の穴を指さします。今度は誰かのお耳かな?
いえいえ、青いカメレオンでした。白い蝶もたくさん飛んでいます。亀も2匹いて、にぎやかです。
次の穴から見えているのは、誰かの足かな?
いいえ、白い甲羅のカタツムリ。しっかりとした歯が生えたワニや、首の長いキリンさんもいます。
またまたサルが穴を指さしていますよ。揺れているしっぽが見えているよ。ぞうさんのしっぽかな?
またまた違った、カバさんのお顔でした。みんなでぞうを探すけれど、大きいぞうなのに見つかりません。どこに行ったのかな・・・?
いたいた!ぞうの親子です。大好きなパパにくっついてギューッとしています。
他の動物たちも嬉しそうな表情をしています。見つかってよかったね!
☆際立った特徴
この絵本は、イギリスで人気のしかけ絵本です。穴があいていて次のページの絵がちらっと見えるだけではなく、動物の通ったあとが溝のようになっていて指でなぞって楽しめたり、花の形で型どられ切り抜かれていたり…。つい触ってみたくなるようなしかけがたくさん詰まっています。
また、全体の配色が鮮やかで、動物たちの表情も豊か、見ていてとても明るい気持ちになってきます。
本の大きさが17㎝✕15㎝とコンパクトなサイズ感で、本が全体的にサラサラとした質感です。大人も子どもも触っていて気持ち良いと感じるような材質ですので、赤ちゃんの頃からたくさん触れて楽しめる絵本です。
☆書店員の感想
●ぞうさんはどこかな?と探しながら、しかけもどんどん楽しんでみましょう!ここはどうなっているのかな?と気になってくる仕掛けがたくさんあります。
表紙には、花や草の茂みにかくれたぞうが1頭いますが、そのまわりにも線のように溝になっているしかけや、葉っぱや花のかたちで絵が少しくり抜かれているところがあって、その部分と同化しています。ぞうがうまくかくれていますので、どこにいるのかな?と表紙から絵さがしを楽しめます。
表紙をめくると、赤い鳥が飛んでいて、その飛んできたあとに沿って、細い1本の線が溝のように紙1枚分の厚さでくり抜かれています。その中に青い点が一列になって描かれていて、鳥が飛んできたようすが伝わってきます。細い線状にくり抜かれている部分は、指でなぞると不思議な感覚で、何度もなぞってみたくなります。また、くちばしの大きな鳥やトカゲもいて、そのくちばしが線と同じようにくり抜かれていたり、トカゲの背中の模様の円がところどころくり抜かれていて細かい仕掛けになっています。その他にはナマケモノや赤、黒の虫、トラもいて、にぎやかな自然の中といった印象です。そして右のページには穴のかたちでページが切り取られているところがあり、そこから目が見えます。ぞうの目かな?と思ってめくってみると…。
ゴリラの目でした。このページでは、ゴリラの顔やサルの顔、葉っぱの丸い模様やカエルの目玉も紙1枚分くり抜かれていて、とっても細かいです。どこが仕掛けになっているのかな、と触って探してみるのも楽しそうに思いました。
他のページも、切り取られて穴になっているところから何かが見えていて、ぞうかな?と思わせるのですが、やはり違う。思っていたものと違うものが現れてきて、次のページではどんな世界が広がるのだろうと楽しみになってきます。
そして最後の最後でぞうの親子が現れますが、その時はページの上の角部分が丸く、しっぽの長い動物と一緒に切り取られています。めくるとその動物の色も変わるので、どこを見ても楽しいしかけとなっています。
●生き物たちのかわいい表情や、背景や植物のポップなタッチで、この絵本の可愛らしい世界観にどんどん引き込まれていきます。
赤い虫に、黒い体に赤い羽根の虫、黄色い体に赤い斑点のトラや、黄色とオレンジ色のしましまの体に赤い顔のイモムシ。水色のナマケモノや、黄色のカエルもいます。
背景では赤い花もあり、水色の丘もあります。緑と黄緑の山の重なりの間に溶け込んでいます。たくさんの色が使われカラフルな色使いで、雰囲気が外国の絵本という感じで見ているとどんどん楽しくなってきます。
お花も紫色、ピンク、赤色があり、鮮やかな色の葉っぱもあります。ページに、森の風景と動物たちがギュッと詰まっていて、隅々まで細かく描かれています。水色のカメレオンや、甲羅の部分が切り抜かれた亀もいて、その部分から前のページの葉っぱの模様が見えて亀の甲羅が水玉模様になり、可愛らしいです。
そして、動物たちはぞうのことを探していますね。みんなで、「どこかな?」「ここかな」というふうに仕掛けのほうを見ているように見えます。
そして、最後のページでぞうを見つけると、さっきまで出ていたキリンやサル、虫やトカゲなども集まって来ました。みんなぞうを見つけられて嬉しそうな表情をしています。にこにこ顔の生き物たち。どのページも動物や虫たちは可愛らしい表情をしていて、見ていてほんわかした気持ちになってきます。
●本の角が丸く、カラフルな絵柄とかわいい動物たちで、赤ちゃんのころから手にとって楽しめます。
本自体の大きさが割とコンパクトで、閉じていたら大人の片手くらいの大きさです。
そして角が丸くなっていて、小さなお子さんにも安心です。また、なんといっても肌触りがいいです!ツルツルというより、表紙はサラサラとしています。中のページは表紙よりツルツルしていますが、仕掛けも含めてたくさん触りたくなるような質感に思いました。大人でも触っていて、なんだか癒やされるような不思議な感覚になる気がしました。きっとお子さんの手にも優しい感触で、あちこち触ってみることで指先から伝わる良い刺激になるように思います。
表紙の絵がとってもにぎやかで中が気になりますが、中も表紙に負けないくらいの楽しいステキな遊び心がギュッと詰まっています。
また、穴が開いている部分もページをめくるごとに変化があり、次々と新しい世界が開かれていくような感覚になります。動物もたくさん出てきますので、動物の名前を覚えるのにもピッタリです。
中のページも厚くしっかりとして丈夫ですので、赤ちゃんの頃から長く楽しめそうです。
出てくる生き物たちの仲良くほのぼのした雰囲気、明るい背景、にぎやかな絵の描写に、この絵本の世界にどんどん惹かれていくように感じました。
- 作品名:ゆびでさわって どこかな?えほん① ぞうさん
- 著者名:文/サム・タプリン 絵/エミリー・ダブ
- 出版社:岩崎書店