サンタクロースって ほんとに いるの?
「うちにはサンタさん来るかな?」と、子ども達がソワソワし始めた頃の読み聞かせにピッタリ!
☆特徴
- 親子の会話がストーリー仕立てで描かれている。
- 会話の内容はサンタクロースについて。
- 初版は1982年。
- 家族団らんの姿と会話のやりとり。
☆読み聞かせのポイント
- お父さんの答えのイメージ画が描かれているので、「こんな風に家の中に入れるから大丈夫なんだね」とか、「世界中に仲間がいるから安心なんだね」など、言葉を加えながら読み進めましょう!大人も知らなかった事を一緒に教えてもらう気持ちで読むのも◎ですよ!
- 自分が子どもの頃の話をするのも良いでしょう。海外でクリスマスを迎えた事がある方なら、海外での経験を話してあげるのも素敵だと思います。夢が広がりますね!
- 「寄付」など、小さな子どもには聞き馴染みのない言葉もあるので、聞かれた時はこんな事だよと説明してあげるといいですね。(話のニュアンスでなんとなく理解できそうかも?)
☆あらすじ
子ども達がお父さんお母さんにサンタさんについて、疑問に思っている事を尋ねます。
サンタクロースってほんとにいるの?
煙突が無くても大丈夫?
僕の欲しいものが届くの?
どうしてママとパパにはプレゼントが届かないの?
サンタさんなんていないって、友達が言っているよ。
世界中の子どもに一人でプレゼントを配るなんて無理なんじゃないかな。
大丈夫、サンタさんはいるよ。サンタさんはみんなを喜ばせるのが大好きなんだよ。
だって、子ども達が幸せだと感じる時は、周りのみんなだって幸せなんだから。
安心して・・・☆

☆書店員の感想
●「サンタさんって本当にいるの?」「うちには煙突が無いよ。どうやって入るの?」子ども達の素朴な疑問に、お父さんが真剣に答えます!
就学前の子ども達の中には、もうすでにサンタクロースの存在を疑問視している子もいますよね。「〇〇ちゃんの家には去年来なかった。」「家には煙突が無いのにどうやって中に入ってくるんだろう。」「ちゃんと私の欲しいものが届くのかな?」きっと、子ども達なりに、なんとなく矛盾を感じたり、不安に思っている事の表れなのかもしれません。
私にも昔はサンタクロースが来てくれていたのですが、「プレゼントのお願いは父に口頭で」がお決まりパターンでした。希望のプレゼントを聞いた父がサンタさんに電話する姿を、いまだに覚えています。
サンタさんに会いたいと思った小学2年生のクリスマス。眠気に負けて寝てしまって次の日深く後悔した事も覚えています。
アラフォーになっても鮮明に記憶に残っているという事は、私にとってもやっぱりクリスマスやサンタクロースは特別なものだったという事でしょう。
そう考えると、特別な日だからこそ、クリスマスを目前にした子ども達の頭の中は「自分には来てくれるのだろうか。」「僕が欲しいものを、サンタさんはちゃんとわかってくれているだろうか。」と疑問と不安でいになってしまうのかもしれないなと思いました。
●何気ない家族の日常の姿と、お父さんにサンタクロースについての疑問をぶつける子ども達。一つずつ丁寧に答えるお父さんの姿が温かい☆読者の子ども達の聞きたかった疑問もきっと登場しますよ!
本書は、他の絵本ではあまり見かける事のない絵の構成になっています。
見開き1ページに4コマの絵があります。上半分で子ども達の疑問のイメージ画を2コマ、下半分に親子の会話する姿が2コマ描かれているスタイルです。
この親子の会話は特別な時間を描いているのではなく、普段の何気ない生活を送る家族の姿と子ども達の会話を描いています。とても自然な感じで、リアリティがあると感じました。

そして、お父さんの返答がどのページも素敵なんです!
「子どもが欲しいものが分かる人だけが、サンタになれるんだよ。」「大人は子どもの時に沢山もらったから、来ないんだよ。」と、子どもが自然と納得してしまう答えだなと思いました。大人の私が聞いても、こんな答え方だと夢があるし分かりやすいし、子どもに伝える時にはいいなと思いました。(今後の子育てに生かせそうです。勉強になりました。)
もちろんお父さんも返答に困ってしまうような疑問をぶつけられるシーンもあります。そんな時はお父さんだけでなくお母さんも一緒に、「どう答えてあげたらいいのかな」と考えている姿が描かれています。とっても素敵だと思いました。
お父さんが子ども達の心に寄り添って答えてあげる姿と、最後に安心して眠る子ども達の寝顔は、読み終わった後に私の心にジーンと響きました。
- 作品名:サンタクロースって ほんとに いるの?
- 著者名:文 てるおかいつこ 絵 すずうらはんも
- 出版社:福音館書店