ママ だいすき
動物が好きな子にピッタリ!14組の親子の動物たちが出てきて、お互いの『大好き』の気持ちがたくさん詰まっています!素敵な親子とキレイな絵に、ほっこり癒されます。
☆3つのおすすめポイント
- タイトルの『ママ、だいすき』という気持ちがどのページからもたくさん伝わってきます!いろんな動物たちの表情が可愛らしいです。
- 動物たちの色合いや背景との色の組み合わせがキレイで、ページをめくるたびにいろんな世界に入っていくようです。絵の描写が美しい!
- ママも、だいすきだよ、と言ってあげたくなるようです。お互いに好きという気持ちをたくさん伝え合っているようすが伝わってきます。
☆際立った特徴
いろんな動物や生き物が出てきて、動物など生き物が好きな子にもピッタリな絵本です。どの生き物の親子からも親子の深い愛情が伝わってくる絵とお話です。絵本を読んだら、ますます大好きの気持ちが膨らみます!
絵本は20×21㎝の大きさで、絵本の厚みも薄めです。子どもが持ち運んだり、ページをめくったりしやすい大きさです。
☆あらすじ
ぶたさんが横になっています。そこへ、こぶたたちが10頭、おっぱいを飲んでいます。チュウ、チュウ、と飲んでいますが、そのうち1頭はママのほっぺたにチュッ!
虹色のような鳥が飛んでいます。向かう先はひなの待つ鳥の巣。ママだ!とひなたちも大喜び。
ネコのまわりにも子ネコが4匹。しっぽをつかんでいる子ネコや、ペロペロとママになめられている子ネコもいます。
カバのママは、水の中から顔を出し、いないいないばあ~!陸にいる子どものカバと見つめ合っているようです。
シマウマの親子。かけっこしようよ、と子どものシマウマがママに話しかけています。ママは優しい眼差しで子どもを見つめています。
カラフルなへびの親子。舌を出し、同じようなかたちでむにょむにょ、と水辺を進んで行きます。
うさぎの親子は向かい合って座り、何やらおしゃべりしているようです。てんとう虫や蝶には内緒かな。もにょもにょ、とお話し中です。
赤い体に、ヒレに丸い斑点がついているママの魚のうしろから、魚の子どもたちが25匹ついていっています。これからママとお出かけです。はぐれないようにね。
くまの親子は、子どもがママのおしり側に立ってくっついています。パパが呼んでいるようですよ。ふたりでパパのいるほうを向いています。
子どもの青虫が見つめる先には、きれいな蝶のママがふわり飛んでいます。まわりにはお花が咲いて、とってもキレイ。
おサルの親子は木の下でギュッと抱き合っています。だっこ、大好き!子どものおサルはりんごを持ったまま、ママとギュッ!
カンガルーの親子も、お腹のポケットに子どもを大切に入れて、大きくジャンプし移動します。いつでも一緒ですね。
☆書店員の感想
●タイトルの『ママ、だいすき』という気持ちがどのページからもたくさん伝わってきます!いろんな動物たちの表情が可愛らしいです。
表紙のゾウも含めて、全部で14種類の動物や虫たちの親子が登場してきます。『ママ だいすき』というタイトルで、文章として『ママ だいすき』とは出てこないのですが、生き物たちのママとのやりとりから『だいすき』という気持ちが伝わってきます。
表紙のゾウはお互いに鼻を絡め合っていますが、ゾウ特有の愛情表現なのかな、と思いました。子どものゾウはママの顔を見上げて、愛おしそうに見つめています。
本の中のタイトルが描かれているページに登場するペンギンの親子も、ママが首を下にぐっと曲げて、足元にいる子どもを見ています。子どもは両羽を広げてのびのびとしていて、親子の温かな関係性を感じます。
おっぱいを飲んだり、ママが帰って来て嬉しかったり、いないいないばあやかけっこ、散歩やおでかけも楽しいですね。抱っこしたりも親子の大好きの気持ちが詰まったスキンシップでもあり、ママとの日常が動物のやりとりとして書き綴られているほのぼのとしたお話に感じました。
青虫のママの蝶が飛んでいるのを見て、ママ、キレイ、と言ってくれているのも、読んでいる母目線からちょっと嬉しい気分になりました。長男は小学2年生ですが、今でも「お母さんが一番可愛い」となぜか言ってくれます。こちらからそう言ってと求めているわけではないのですが、ときどき思い出したように言ってくれて、いつまで言ってくれるのかな、と嬉しいような、くすぐったいようなそんな気持ちです。(笑)子どもにとってはお母さんが一番、なんでしょうね。
●動物たちの色合いや背景との色の組み合わせがキレイで、ページをめくるたびにいろんな世界に入っていくようです。絵の描写が美しい!
表紙のゾウは切り絵のようにも見えます。耳は紫色に塗られた紙を耳のかたちに切って貼ってあるようです。体はグレーの縦と横の線が細かく入った紙を画材に、ゾウの体のかたちに切ったものを組み合わされているようで、ゾウの体の雰囲気が本物のように表現されています。
ブタは本物のような肌色、子どもたちはピンク色をしていて生まれたてなんだな、まだ子どもらしいような感じがします。つぎに出てくる鳥はとっても色鮮やかです!黄色の顔に、赤・黄色・黄緑・紫・ピンク…とグラデーションのような配色の体と羽です。子どもたちは巣から白い顔だけ出していて、ママの色とは違いますが、これからママのように成長していくんでしょうか、楽しみに感じます。
ネコは黒と茶色のぶち模様、といった感じですが、目の色が左右で違います。左は青色、右は緑色で、子ネコたちの目はみんな緑色ですが体のいろや模様はそれぞれ違っています。背景の濃い紫色のような、小豆色のような配色とマッチしてなんだかオシャレにも思いました。
黄色の子どものカバも可愛いですし、へびもオシャレな模様をしています!顔は紫色で、背中にはだ円を半分にしたようなかたちの黄色の部分に、赤い点が中央に描かれています。それが顔からしっぽのほうまでいくつもつながっていて、体の残りの部分は縞模様になっています。子どもも同じ配色で、こんなへびがいたらきっと可愛いだろうな、そう思いました。茶色の地面をふたり仲良く進みます。
お魚も赤い体に薄い黄色やピンクなどのうろこに、大きなピンクのヒレ。ヒレには丸い小さな斑点が体に近い部分にだけ描かれています。子どもたちは赤やオレンジ色をしていて、たくさん並んでいるので可愛らしさが増しているようにも感じました。水草のイラストも魚とピッタリで素敵です。
蝶のママもパッと羽を広げている絵で、白い羽に藍色のような色で縁どられています。羽の中にはお花もあって、そのお花と同じ形のお花がまわりにも咲いています。背景の緑色がふんわりといろんな色が混じっているようで、ママの優しく飛んでいるようすと美しく馴染んでいます。
ページごとに背景も違っていて、生き物たちの配色もキレイで個性的でもあり、ページをめくるごとにそれぞれ違った世界の表情を見せてくれるようです。
●ママも、だいすきだよ、と言ってあげたくなるようです。お互いに好きという気持ちをたくさん伝え合っているようすが伝わってきます。
もうすぐ4歳の次男は最近、『お母さん、大好き』と毎日言ってくれます。ちょっと赤ちゃん返りもあるのですが、寝る前には必ずハグ。この間は『チューして』と言われたのでほっぺにチュッとしたら、『お母さん、チューしてくれて、大好き』と言ってくれました。(笑)
『大好き』と言ってもらえるととっても嬉しいですね。今はやはり『ママが一番』の子どもたちですが、そのママに『大好き』と言葉で伝えられるって素敵だな、と思います。成長していくうちに大好きがいろいろと変わっていくと思いますが、『嫌い』より『大好き』がたくさん溢れる毎日であってほしいと願います。
そして、『大好き』のように、相手をあたたかい気持ちにさせてくれる言葉をどんどん心にためて、これから出会うたくさんの人に優しい言葉をかけていってほしいな、とも思いました。
いろんな動物や生き物たちの、子どもとママとのあたたかいやりとりが、子どもも大人も優しく大好きという気持ちを育んでくれる絵本のように思います。ぜひ親子でゆったりと絵本を開いて、ほんわかとした絵本タイムを楽しんでいただきたいなと感じました。