うずらちゃんのかくれんぼ

うずらちゃんのかくれんぼ 表紙

かくれんぼが大好きな子にピッタリ!絵本に隠れたうずらちゃんとひよこちゃんを探し当てましょう。

☆3つのおすすめポイント

  1. うずらちゃんとひよこちゃんが、自分の色と形を活かして上手に隠れる、かわいいかくれんぼです。
  2. 端正で上品な絵を通して、色や形に興味を持つことができます。
  3. ちょっと怖い目にあっても、仲間と励まし合って助けを待つ。勇気も学べる絵本です。

☆あらすじ

うずらちゃんとひよこちゃんが、お母さんたちと原っぱに遊びにきました。

お母さんたちはエサをとるのに忙しいので、その間に、うずらちゃんとひよこちゃんは、かくれんぼをして遊びます。じゃんけんをして、はじめにうずらちゃんが隠れます。

うずらちゃんは、自分と色と形がそっくりなお花を見つけて、うまく隠れました。けれど、ハチが飛んできて逃げ出して、見つかってしまいました。

つぎはひよこちゃんの隠れる番です。

ひよこちゃんは、自分と色と形がそっくりな木の実を見つけて、上手に隠れました。でも、風に吹かれて落ちてしまいました。

今度はうずらちゃんが再挑戦。自分とそっくりな模様のキノコに隠れました。すると、ぽつんと雨が降ってきて、ぴょーんと飛び出してきたカエルにびっくり!またまた見つかってしまいました。

そのあと、雨はどんどん強くなり、どうしよう、帰れない… 悲しくなってきました。

草むらも、どんどんうっそうとしてきます…。

うずらちゃんたちは、無事にお母さんたちに会えて、お家に帰ることができるでしょうか。

うずらちゃんとひよこちゃんの、ドキドキかくれんぼのお話です。

☆際立った特徴

幼児向けの本としては、派手さのない、マットで端正な絵がとても可愛く、主人公たちのウキウキ・ドキドキした気持ちを上品に描いています。

子どもたちは、うずらちゃんとひよこちゃんが、自分とそっくりなお花や木に隠れる様子を見て、色や形や模様に興味を持つようになるでしょう。

とても上手に隠れるのに、その度に何かに邪魔をされて、見つかってしまいます。大人もその無邪気な遊びに、思わず微笑んでしまいます。

絵本を読みながらお子さんと「もういいかい」「まぁだだよ」と、声掛けをしたり、うずらちゃんはどこでしょう?と、一緒に探しながら読むと、より楽しめるでしょう。

☆書店員のレビュー

●うずらちゃんとひよこちゃんが、自分の色と形を活かして上手に隠れる、かわいいかくれんぼです。

うずらちゃんとひよこちゃんがかくれんぼを始めました。

「じゃんけん ぽん!」 「あいこで しょ!」

子ども同士が、「あーそーぼ!」「いーいーよ!」とやり取りしているような雰囲気で、可愛らしく思えてきます。じゃんけんで勝ったうずらちゃんのとっても嬉しそうな表情、ひよこちゃんの悔しそうな表情も小さい子どものようです。

うずらちゃんは、お腹側は山吹色のような薄いオレンジ色です。濃いオレンジ色の背中には、黄色と朱色の斑点がついています。この斑点に似た模様のお花に混ざってうまく隠れました。

しかし、ハチが飛んできてビックリ!逃げ出してしまいました。怖かったうずらちゃん。ひよこちゃんはうずらちゃんを見つけられて嬉しそうです。

つぎは黄色のひよこちゃんが、急ぎ足で、ひょうたんのような実になりすまして木に隠れました。つたをくちばしでくわえていたので、風が吹いた拍子に落ちてしまい、うずらちゃんに見つかってしまいました。

次はまたうずらちゃんが隠れる番です。少しずつ雨雲が近づいてきましたが、気づくことなく遊び続けます。今度はカエルが飛び出してきて、ビックリ!いろんなハプニングがつぎつぎ起こります。

雨がだんだん強くなってきました。まわりの草花もこわ〜い雰囲気。うっそうとしてきて、ますますふたりは不安に。

お家に帰れるかな…どうしよう…。

そのとき、草むらの奥に不気味な影が。おばけ!?…かと思いきや、

ふたりのお母さんたちでした。

子どもたちは遊びに夢中になってはぐれてしまったと思っても、お母さんはよく見ているものですね。

ふたりとお母さんたちは、安心して家路につきました。

●端正で上品な絵を通して、色や形に興味を持つことができます。

幼児向けの絵本としては、決して派手な色使いではありません。でも、黄色のひよこちゃんと、斑点模様のオレンジ色のうずらちゃんの、色と形と模様からは、元気いっぱいの子ども!という雰囲気がよく出ています。

まわりの花は青、ピンク、水色、斑点模様のオレンジ、朱色、ピンク、黄色、と可愛らしい色が使われています。ふたりの楽しいかくれんぼの時間を、一緒に楽しんでいるように感じます。

雲や草、木の幹も、出てくる全てのものが、縁が丸く、角のない塗り方で塗られています。まるで、赤ちゃんや幼児がぶつかっても痛くないように加工してある、柱や家具の角のようです。全てが丸みを帯びたつるんとした空間に、独特の優しい世界を感じます。

丸みを帯びた草むらの中から、ぬっと姿を表したおばけ(あとでお母さんだと分かります)。その影だけは平面で描かれていて、不気味さを際立たせているように感じました。

青、黄色、白、緑、オレンジ、黒、ピンクの主に7色が使われています。限定した色をページごとにバランスよく配色することで、めくるたびに印象の違った世界が現れ、うずらちゃんワールドを形成していきます。

登場人物や、植物の下だけに影のように色が塗られているのも、それぞれの存在を引き立たせているようです。決まった色同士の組み合わせで濃淡、陰影から立体感を出して、うずらちゃんたちが生き生きと表現されています。どのページも素晴らしい絵画作品です。

ふたりが楽しそうに遊びに夢中になって、まわりが見えていない無邪気なところも子供らしいです。

絵本の中では、ふたりもお母さんたちも、横顔の描写しかありません。ですが、目の描き方、姿勢や足の向き、バランスの違いで感情豊かに表現されています。落っこちて痛くて目がバッテン、困って眉をひそめたり、ビックリしたときは目玉がぐるぐる回っています。走り出すとき、ちょっと姿勢が低くなるときや、ビックリしたときにふたりとも同じように足がぴょこんと少し上がっているようすにも感情が表れて、場面いっぱいにふたりの気持ちやようすが伝わってくるようです。

●ちょっと怖い目にあっても、仲間と励まし合って助けを待つ。勇気も学べる絵本です。

また、楽しく遊んでいるときはまわりは華やか。雲行きがあやしくなってくると、うしろの草が少しずつ迫ってきます。雨が降って不安な場面では、草が風になびいてどんどんのび、ふたりに覆いかぶさるようにうっそうと茂り、不安な気持ちをさらに掻き立てます。

さみしく、悲しい時も、体を寄せ合っていたわり合うふたり。大粒の涙を流すうずらちゃんを、涙をこらえるひよこちゃんが抱きかかえています。

しかし、大好きなお母さんたちが登場すると、雨もだんだんと上がり、足元のたんぽぽも顔を上げました。うずらちゃんたちの表情とともに、背景がどんどんと変化していくようすから、状況がよく伝わってきて、こちらまでドキドキ、臨場感たっぷりです。

帰り道で、きのこの影から手をふるカエルに、手をふりかえすうずらちゃん。

道々、楽しかった思い出をお母さんたちに話しているのでしょうね。よほど遊び疲れたのか、裏表紙のふたりは眠っています。お母さんの安心できる背中と、胸の中でおやすみなさい…。

息子と読んだ時に、「どこにかくれたのかな?」と声をかけると、キラキラした目で一生懸命探していました。

じゃんけんに興味を持ち始める年頃だと、指のないふたりの不思議なじゃんけんに興味を持つかもしれませんね。

明るく楽しいふたりのかくれんぼ。子どもの大好きなかくれんぼ、ちょっと悲しくドキドキするシーンもありますが、赤ちゃんから楽しめること間違いなしです。お子さんのかくれんぼの参考にもなるかも!?かわいいうずらちゃんたちに、ぜひ会いに来てください。

うずらちゃんのかくれんぼ 裏表紙

にむさん
  • にむさん
  • 現在8歳と3歳の男児の育児に奮闘中です。
    兄が弟に絵本の読み聞かせをしてくれることもあり、そこから学ぶことも多い日々です。
    短大で介護の勉強をし、介護福祉士を持っています。