おふろだ、おふろだ!
お風呂タイムが大好きな子にピッタリ!お風呂が苦手な子にもオススメ!パパとママとお風呂でお話しよう!
☆3つのおすすめポイント
- 泥んこになるまでいっぱい遊んだくまくん。「見てみて、こんなに遊んできたよー!!」と自慢するかような表情は、子どもらしくて可愛い。泥だらけで家中を逃げられても、お母さんの気持ちは嬉しさいっぱい!
- お父さんとお風呂タイムは、何やら楽しい会話をしているよな声が聞こえてきます。どんな話をしているのかな?今日の出来事かな?パパを独り占めだね!
- 大好きなお父さんに「自分でできるよ!」と着替えを見せるくまくん。出来るようになった事を見せて誉められるのって、子どもにとって一番嬉しい事です。
☆あらすじ
くまくんが外から帰ってきました。まあ、ひどい泥んこだー!!服を脱がせてスッポンポン姿で逃げるくまくんを、「まてまてー」とお母さんが子クマをおいかけます。さあ、つかまえた。と抱きかかえられたくまくんは、おふろに入っているお父さんのもとへ。シャワーを頭からジャーとかけて泥を流したら、お風呂にゆっくりつかります。「今日は外で遊んだんだけどね・・・」とお話をしながら。
体が温まったら、一度湯船から出て体をゴシゴシとお父さんに洗ってもらいました。「今度は僕が洗ってあげるね」とお父さんの背中をゴシゴシ。楽しい楽しいお風呂タイム★
もう一度湯船につかって、数を数えます。いーち、にーい、さーん・・・くーう、じゅう!
お風呂から一緒に上がり、くまくんはお母さんに体を拭いてもらい「僕がお父さんの体を洗ってあげたんだよ!」と自慢します。洋服着るのはどうかな?「僕、自分でズボンはけるよ!」上手に履けて嬉しい気持ち。美味しい水を飲んで「あーおいしい!!」 その後は、お父さんと絵本を楽しみました。
☆際立った特徴
世界中で愛されている、くまくんシリーズの10作目です。
発行所の福音館の本書紹介のホームページに【シリーズ最終巻では、くまくん親子が一緒におふろに入ります。人間形成にとって大事な幼児期のあるべき姿が、裸のくまの親子に託されて描かれます。】と紹介されていました。お父さんと一緒にお風呂に入って、肩までつかりながら会話を楽しんで体を洗って、体を拭いて、着替えて、一緒に遊ぶ・・・という、ごく普通の幼児期の親子の姿を描いています。平凡な1日が本当は一番の幸せなのでは。としみじみ感じさせてくれる絵本です。
☆書店員の感想
泥んこになるまでいっぱい遊んだくまくん。「見てみて、こんなに遊んできたよー!!」と自慢するかような表情は、子どもらしくて可愛い。泥だらけで逃げられても、お母さんの気持ちは嬉しさいっぱい!
汚れた服・体にいっぱいついた泥、「ぎゃー!!やめてー!」と思う以上に、「おーすごい!いっぱい遊んで良かったね♬」と思ってしまう私は、本書のくまくんのお母さんと同じく、よく我が家でも裸の息子を追いかけました。「泥がそこら中につくから、早く風呂に行ってよー!」と思うのだけど、なかなか行ってくれず、逆に息子達は私に追いかけられることを楽しんで逃げていたように思います。笑って裸で逃げる息子たちを、爆笑して追いかけた私。楽しい気持ちで帰ってきた延長に、私との鬼ごっこ遊びが楽しかったのかもしれません。ただ、泥んこになるまで遊んで元気に帰ってきた子どもはやっぱり「よく遊んでくれた!!」と誉めたくなります。泥んこの顔が、また愛おしいものです。
お父さんとお風呂タイムは、何やら楽しい会話をしているよな声が聞こえてきます。どんな話をしているのかな?今日の出来事かな?
お風呂は家の中でも特別な場所だと思います。温かいから?キレイになれるから?お父さんやお母さんを独占できるからなのかもしれません。くまくんはお父さんとどんな話をしているのでしょうか。何だか肩を回してくっついて話しています。秘密の話かな?今日の泥んこになった話かな?それともどこかへ冒険に出掛けた話かな?楽しい会話は入浴中ずっと続いているようです。
そして、お父さんに体を洗ってもらい気持ちいい気分。お父さんにも気持ちよくなってもらおうと、くまくんはお父さんの背中を洗います。大きい背中がカッコいい!と感じたかな?大きくなったらお父さんみたいになりたい!と思ったかな?読者の想像が膨らみます。
背中を洗ってもらうのは、親にとって疲れた体に何よりのご褒美ですね。
大好きなお父さんに「自分でできるよ!」と着替えを見せるくまくん。出来るようになった事を見せて誉められるのって、子どもにとって一番嬉しい事です。
お風呂から上がったくまくんは、体をお母さんに拭いてもらいながら、「僕がお父さんの体を洗ってあげたんだよ!」とお母さんに自慢しました。そしてお父さんには、「自分でできるよ!」とズボンを履くところを見せました。『すごいねー!!』と言ってもらえることが嬉しいのでしょうね。子どもにとって『すごいねー!』『がんばったねー!』は何より一番嬉しい言葉ではないでしょうか。自分を一番見てくれるお父さんお母さんの言葉は、子どもにとって最大の活力にもなるように思います。
毎日の生活スケジュールの中に”お風呂”は必ずあると思います。ありふれた日常の、ほんのわずかなお風呂時間を、より大事にHAPPYにしたくなるストーリーです。
(参考文献)福音館書店「おふろだ、おふろだ!」紹介ページ
- 作品名:おふろだ、おふろだ!
- 著者名:文 渡辺茂男 絵 大友康夫
- 出版社:福音館書店