おむすびころりんはっけよい

ユーチューブで書店員が、あらすじと感想を発信しています。

おにぎり好きにぴったり!特に具の畑に注目です‼子どもに戦争と平和について教える機会に。

☆3つのおすすめポイント

  1. さんかくおにぎりとまんまるおにぎりが両者の【プライドと大切なおにぎりの具の畑】をかけて”すもう”で勝負します。クライマックスは2人が1人に・・・合体!?
  2. おにぎりの具の畑は、我が家に欲しい!!!これなら畑してみたくなる!!
  3. おにぎりの世界のはずが、人間の世界とも重なるような。戦争を平和的に解決する考え方を教えてくれる絵本です。

☆あらすじ

そこに・・・!突然、塩気の多い『さんかくおにぎり』の若者達がアルミホイルで壁を作ってしまいました。

『まんまるおにぎり』達は畑に入れなくて困ってしまいます。米粒とばしてカンカンに怒りました。悔し泣きで塩味が流れ出てしまう子ども達・・・どうしたものか、

まんまる殿様が考えます。「そうだ!!すもうや!」ひらめきました。「さんかくの奴らに果たし状を送ろう!」と・・・すもうで決着をつけようと作戦を立てたのです。

さてどうなるのやら。どちらが勝つのか、畑を取り戻せるのか、”さんかく”も”まんまる”も仲良くなる方法は無いものか・・・相撲の勝負が始まります。『はっけよ〜い のこったー!!』

☆書店員の感想

おむすびころりんはっけよい 表紙

本書には、400個のおにぎりが登場します。400個のおにぎり達、見た目がまんまるなのか さんかくなのかの外見の違いだけで、お互いを嫌い・けなし合い、悪口を言っていました。

今回の事件は、もともと”さんかく”も”まんまる”も、一緒に仲良く農業していた場所【畑】が、さんかくの若者によって占領され、出入りしていたまんまるの農家が入れなくなる所から始まります。仲良くしていた農家の方たちにとっては、とばっちりも良いところです。そこで、すもうの勝負!

武器を持った戦いではありませんが、互いの大将が土俵に上がり、相撲で勝負します。どちらがえらいとか、強いとか、どうしてこの世は優劣をつけて差別化しようとするのでしょうか。人間の世界と重なる部分があります。

最後は二人のおにぎり大将が、1つのおにぎりにまとまる所が最高です!!

本人たちは一緒になるつもりは、全くなかったのでしょうが、相撲を取っているうちにお互いの体の米粒が混じって、一つのおにぎりになってしまったのですね。

2つが一緒になればどちらが強いやら、どちらが偉いなんて優劣つけられませんね。どうでも良いことなのです。

大切なのは、「互いを認め合うこと」「一緒に生きている大切な仲間なんだと思うこと」なのではないでしょうか。

そう、さんかくでも、まんまるでも、かやくご飯でも混ぜご飯みんな仲良し、みんなそれぞれイイ味だしてる!なのです。

おにぎりの世界の話ですが、まさに今の人間の世界を暗示しています。同じ人間なのに、国の違い、人種の違い、肌の色の違いで、いがみ合っています。三角おにぎりと、まんまるおにぎりがいがみ合っているのと同じです。

おにぎりたちが、自分たちと形が違うと言って、お互いにいがみ合うのは滑稽ですよね。そんなことで、戦争までするなんて馬鹿げていると思います。

でも、自分の胸に手を当てて考えてみたら・・・どうでしょう。なんとなく、自分たちと違うと思える人を毛嫌いすること、誰にでもないでしょうか。

おにぎりの国みたいに、ケンカのあとは平和になれたらいいね。

子どもにも本書を通して、みんなが仲良くする方法について、何かしら感じてもらえたらいいな。

おむすびころりんはっけよい 裏表紙
よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。